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夢のような招待状

ダイエットしても痩せない女の元に、一通の不思議な招待状が届いた。
「ミラーランドへご招待致します」
赤い封筒には、航空券も同封されていた。
「ミラーランド?ピーターパンじゃないんだから、そんなところ行くわけないじゃん」
半信半疑で招待状の裏を見ると、驚愕の文字が躍っていた。
"我が島では、高級食材を含む全ての食べ物が永久に食べれます。お金は一切かかりません"
「フカヒレ、キャビア、フォアグラ、、、」
高級食材が食べ放題だなんて、夢のような話ではないか。

プライベートジェットで行く秘島

半信半疑ながらも、話のネタになると思い、女はミラーランドへ向かうことを決意。
空港でチケットを渡すと、係員から案内を受けた。
「入り口はあちらになります」
夏休み中の空港は、手荷物検査が長蛇の列になっていた。しかし、女が案内された入り口は、人1人さえなく、手荷物検査も必要なかった。
「飛行機はこちらからになります」
黒いスーツを身にまとったガッシリ体型の男が、女に話しかけてきました。
「ミラーランド行きは私だけですか?」
「はい、その通りです。プライベートジェット機は1日お1人様です。さっ、もう出発時間になりますのでお乗りください」

エメラルドグリーンの海と南国フルーツ

飛行機の中で、女は夢心地だった。
「ミラーランドって、どんなところなんだろう?」
目が覚めると、目の前にはエメラルドグリーンの海が広がっており、大きなパラソルのある椅子に腰掛けていた。
目の前には、さくらんぼが乗った水色のカクテルが置いてあった。
「ん?ここは南国?」
「ぐぅー」
お腹の虫が鳴った。
「何か食べ物をご用意しましょうか」
先程、女を起こしてくれた白いTシャツを着たマッチョ男が、笑顔で尋ねた。
「お願いします!何でも!」
ミラーランド大冒険、いよいよ幕開けです!

食い倒れの楽園

マッチョ男に案内された女は、目を見張るような豪華なレストランにたどり着いた。
テーブルには、山盛りのフォアグラ、キャビア、トリュフなど、見たこともないような高級食材が並んでいた。
「ここは天国ですか?!」
女は、夢中で食材を頬張った。
「う、美味い!こんな美味しいもの、今まで食べたことない!」
お腹いっぱいになった女は、満足げに椅子に腰掛けた。
「ミラーランドに来て、本当に良かった…」
しかし、この楽園には、恐ろしい秘密が隠されていた、、、

ミラーランドの秘密

ミラーランドは鏡のない島で、いる間は食べて太った姿が本人は分からない。

女は毎日食べ続けていた。

ある日の夜、女は月明かりに照らされた自分の影を見て、愕然とします。

なんと、
200kgを超える巨漢な姿になっていたのです。

恐怖に駆られた女は、必死に逃げようとしますが、鏡のない島では自分の姿を確認することができず、出口も分からずに途方に暮れた。

「このままでは…!」
絶望に打ちひしがれた女は、ふと目の前に現れた鏡に近づくと、反射の光で眩しくなり両手で目を覆った。

目を開けると
ベット上だった。
「は!!!」
急いで鏡に映る姿を確認すると、いつもの体型だった。
「は、夢だったのか…!」
女は安堵した。

女はミラーランドでの教訓を胸に、節制した食事を心がけ、ダイエットに成功した。

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