冷たい夜に、動物たちは騒ぎだす【ノラ猫日記1日目】
<保護1日目>
橋を渡り、レンタルビデオ屋に向かって歩いていた。
前日の大雨で増水した川は、夜の街の光を反射しながら轟々と流れていく。龍の背中のような大きな一筋の流れを、一人で眺めていた。
相変わらず、クソみたいな女、或いはクソみたいな扱いをうける女が出てくる小説ばかり書いている。ありふれた不幸。ありふれた孤独。
自分の過去を切り取っては何度も何度もフィクションに書き換えて。
私はいつまで、「あの頃」に執着するつもりなんだろう。この自虐に近い行為に、一体なんの意味があるんだ