アンデシュ・ハンセン 著 久山葉子 訳 新潮新書 《人間の脳はデジタル社会に適応していない。p.7 》 筆者がそんな風に考え始めたのは、 精神科医である筆者の診療所を訪れる 鬱病もしくは不眠症患者が急増したから。 そして、その急増した時期は スマホが一般市民に浸透し始めた時期と 重なる。 デジタルに対応していく事が今の時代 必須のように言われている。 確かに小学生向けのプログラミング教室 なんかも増え、若い世代は早い時期から デジタルに接してるだけあって、上手く
渡辺努 著 講談社選書メチエ 経済学部の学生でもなければ 勤め先が金融業界でもない私にとっては やはり難しく、はじめは読み進めるのに 苦労した…笑 が、徐々に慣れてくるとどんどん 引き込まれていった! 最近物価が高いな、と感じる事はあっても それについて突き詰めて考えるなど して来なかった私にとって、「物価理論」 について書かれた本書を読んでいる時間は まさに「非日常」。 普段の生活とは全く違う世界に入り込んで 身を置くという点では 旅行に出かけたり映画を見るのと
岡田尊司 著 PHP新書 精神医学については、岡田尊司先生の他書 も含めて色々と読んできたが… こちらは、より「職場」に特化した本だ。 読者ご本人が、精神的疾患や心のトラブルを 抱えている場合の職場での対処法… 立ち回り方や気の持ちよう、克服の仕方、 治療法、薬の選定までもが書かれている。 また、同じ職場にそのような方がおられた 場合の応対方法。上司の場合、部下の場合 とそれぞれご教示下さっていて何とも ありがたい。 現在私の職場に症状の見られる方は いないが、こ
ブログ更新を、ずいぶんとサボってしまった。 単純に、書くのに疲れた。 ブログを書かなきゃならないと思うと、 読書からも遠ざかっていた… それでも、こんなに更新が滞っている状態でも ありがたいことに当ブログにアクセスし、 いいネを下さる方がいる。 それをきっかけに自分のブログを読み返して みたのだが… 読み終えてからだいぶ経つにもかかわらず、 不思議と本の内容やイメージ、読んだ感触が ちゃんと蘇って来るのだ。 これは続けなきゃ、と思った! ブログを休んでいた期間に
〜天才IT相7つの顔〜 アイリス・チュウ 鄭仲嵐(ていちゅうらん) 著 文藝春秋 天才、に対する一般人のイメージとしては 「何を考えてるか分からない、とっつきにくい人」 だがタンさんは違う。 類い稀なその才能を、人々の問題解決の為に 惜しげもなくフル活用する。 人と協調して成し遂げる事を得意とし、 アンチに対しても議論での解決を信条とする。 自身のドイツへの留学経験や諸外国のハッカー (もちろんホワイトハッカーの意)との交流から 非常にグローバルな視点を持ち、ユ
〜子ども時代を引きずる人々〜 岡田尊司 著 光文社新書 若い頃の女友達との会話の中心と言えば もっぱら『恋愛』であった。 自分もしくは彼の、恋愛行動について 良い、悪い、嬉しい、ツラい、ひどい…と お互いにあぁだこうだ言うのを楽しんでいた。 ベタベタするのが好きだとか。 逆に彼以外のプライベートの時間もほしいとか。 そう言った事に、実は愛着パターンが深く 関わっていたなんて!びっくりだ。 幼い頃の両親との関わり方によって、 恋愛スタイルも決まる… 一見信じられ
〜〝世の中の意思決定〟を解き明かす6.5個の物語〜 鎌田雄一郎 著 ダイヤモンド社 ゲーム理論、はじめて聞いた言葉だ。 子どもたちが夢中になってしばし親子喧嘩を引き起こす、任天堂やスマホのあのゲームの事では、もちろんない。 《考え悩む人が、考え悩む人たちの社会の中で、どうやって考え悩むのか、どうやって意思決定するのか、それを研究する学問》p.4 《「社会の中で考える」にあたって、他の人が何をするか、何を考えているかに思いを馳せることは重要です。》p.7 《ゲーム理
五木寛之 香山リカ 著 幻冬舎新書 最近うつ病を公表する著名人が増えてきた ように思う。 そして、公表することに少し疑問も感じる。 もちろん、著名人ならではの苦悩もあるだろう。 だが、幼い頃からなんらかの才能に恵まれ、 脚光を浴びてきた選ばれし者な訳で。 酷いうつ病で外出もままならず、もちろん学校にも行けずそれが原因で学習にもついて行けず…日の目を見ることなく苦しんでいる人々がそんなカミングアウトを見たらどう感じるのだろうか、といつも思う。 少し悪い言い方をすれば
世阿弥 著 水野聡 訳 PHP研究所 歴史の授業で題名だけは知っていた、こちらの本を まさか読む事になるなんて、思ってもみなかった笑 興味を持ったのは、齋藤孝さんの著書で紹介されていたから。 能という、その場限りの芸の極意を一族に伝える為に書かれたもの。でありながら それぞれの課題は現代の仕事にも通じるので、自分に引きつけて考えやすいとの事。 何よりジャパネットたかたの高田明さんが愛読している、というのがとっても気になった! 「社長がいつも話していることと同じ
岡田尊司 著 幻冬舎新書 私が不眠症だからこの本を選んだと、 この記事をタップして下さった方々は お思いだろうが、そうではない。 むしろ逆だ笑 とにかくよく眠くなる笑 仕事中もツラいが、休日も困る。 昼寝に時間が費やされ、やりたい事が 出来ないまま、また平日を迎える羽目に😅 そんな訳で、睡眠とは何ぞや? その仕組みやメカニズムやなんか、 知識を少しでも得たいと思い、手に取った。 以下、興味深かった箇所を抜粋または まとめてみた。 ☆睡眠負債について☆ 《睡眠
名取芳彦 著 SB新書 多くの日本人がそうであるように。 私も無宗教だ。 そんな中でも。 祖母がキリスト教だった事もあってか キリスト教の幼稚園に通っていたりして… どちらかと言えばキリスト教贔屓、 だっただろうか。 しかしこの本を読んで、 自分の考え、望んでいる心の状態が 仏教の教えに近い事を知った。 心おだやかに過ごす為の、物の見方や 考え方が仏教の教えなのだ。 諦める事もまた、心おだやかに日々を送る 為には有益な「仏教の知恵」だと著者は勧める。 《「諦める
河合隼雄 茂木健一郎 著 潮出版社 小学生の頃、夏休みの自由研究で、箱庭を作った事があったと思う。 ただ、その箱庭が心理療法に効果的だなんて当時は全く知らなかった、と言うか今回初めて知った。 箱庭に置くアイテム(人形など)を無作為に選ぶのだが、実はその無意識の中には本質が潜んでいるという。 たまたま見かけて気になるものに、自分の無意識が呼応する。 《あんなにいっぱいアイテムがある中で、1個を「これだ。」と選んで置く。》p.94 気持ち悪い、嫌いだ、と思いながらも
鴻上尚史 佐藤直樹 著 講談社現代新書 小さい頃から漠然と、集団で何かをするのが苦手、と言うか嫌いだと感じていた。 だけど周囲に合わせられない者は落ちこぼれ、将来社会に出て困るなどという雰囲気の中、必死にうまくやろうとしてきた。 だから息苦しかった。 しかしそこにはそれを息苦しいと感じることさえはばかられるような雰囲気があった… これこそまさに同調圧力だったんだなぁ… その頃に、同調圧力についての知識が少しでもあれば…だいぶ楽に過ごせたのかな… 確かな理由は見
磯田道史 著 文春新書 《歴史学というと、これまでは、政治史、経済史が中心とされてきました。学校の歴史教育で暗記させられる名前の多くは、王侯貴族や政治家や武将や軍人で、あとは宗教家や作家などの文化人や科学者のものです。》p.3 確かにそうですよね。それが歴史の全てとばかり思っていました。 《要するに、教科書で教えられる歴史の主人公は、権力をもったり、人類の思想に影響を与えたりした「著名な人物」です。ウィルスや病気、患者になって死んだだけの「無名の人物」は全く登場しませ
村上春樹 著 新潮文庫 名作と、高く評価されて久しいこちらの小説を。 今頃になって初めて読んだ次第です(^^; 学生の頃に、村上春樹の作品は好んで何冊か 読んだものの。 社会人になり。結婚して子育てに追われ。 長らく読書自体から遠ざかってしまい、 読破するには至らず。 ふと読みたくなったのは。Twitterの相互フォロー さんがこちらの作品をツィートしてたから。 もちろん彼女は初見ではなく。 コロナ自粛中に、読み返したということでの ツィートでしたが。 そんなこと
宮口幸治 著 新潮新書 私が心理学や脳科学に興味を持ち、それらの本を読むようになったのは。 ニュースを賑わせている凶悪事件(特に児童虐待) の原因が、ただ単に犯人の人格やストレス、家庭環境だけによるものなのか… にしては残虐過ぎないか… どうやったらそんな酷いことが出来るのか… といった疑問から、犯罪者の心理や脳の状態を知りたいと思ったからなんです。 以前読んだ本の中で著者の岡田尊司先生は、「誰もが持ち得る異常心理」を原因のひとつに挙げておられましたが… 宮口幸