人はなぜ眠れないのか
岡田尊司 著 幻冬舎新書
私が不眠症だからこの本を選んだと、
この記事をタップして下さった方々は
お思いだろうが、そうではない。
むしろ逆だ笑
とにかくよく眠くなる笑
仕事中もツラいが、休日も困る。
昼寝に時間が費やされ、やりたい事が
出来ないまま、また平日を迎える羽目に😅
そんな訳で、睡眠とは何ぞや?
その仕組みやメカニズムやなんか、
知識を少しでも得たいと思い、手に取った。
以下、興味深かった箇所を抜粋または
まとめてみた。
☆睡眠負債について☆
《睡眠不足は、家計の赤字に似ている。日々の睡眠不足がたまってくると、「睡眠負債」という睡眠の「借金」がたまってくるのだ。そうなると、脳は睡眠を強く欲するようになり、その借金を解消しようとする。ときには、借金を無理やり取り立てられることもある。居眠りだ。》p.18
《たとえば徹夜をした次の晩、もうこれ以上眠れないというところまでぐっすり眠っても、数日はまだ眠気が残っているという経験はないだろうか。睡眠負債は一度にまとめて返すことができず、返済を終えるまでに時間がかかるのである。負債は必ず何らかの形で支払わされると考えておいたほうがよい。》p.19
歴史に残る重大事故の数々も、職員の睡眠不足による注意力の低下がもたらしたと指摘されている。
●1975年 スリーマイル島で起きた原発事故
●1986年 スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故
●1989年 アラスカ、エクソン・バルデス号が座礁した原油流出事故
●2005年 JR福知山線、尼崎脱線事故
それと、意外だった点。
《寝つきがよくても、必ずしも健康なわけではない。》p.20 かなり寝不足が続いて睡眠負債ができていると考えられるからだ。
☆体内時計の3つの周期☆
《体内時計は、眠気と覚醒のリズムを強力に支配しているので、この周期に逆らおうとしても、なかなかうまくいかない。この周期のことを、よく理解して付き合う必要がある。》p.69
体内時計には長い針、短い針、中くらいの針の3本があるということだ。
体内時計は、三つの周期で動いている。その三つの周期を知って、その波をうまく利用することがポイントである。
●サーカディアン・リズム(概日リズム)
24時間より少し長い周期
●サーカセメディアン・リズム
約半日周期で眠気のピークがくる。
夜半過ぎと、昼過ぎに眠気が強まるのは、この
半日周期の波による。昼過ぎの眠気は、食事を
して満腹になるためだけではない。
●ウルトラディアン・リズム
約1時間半という短い周期の波。今眠くて
たまらなくても、40分か50分すると、眠気が
薄らいでしまう。その逆もまたありき。
☆精神生理性不眠症☆
《精神生理性不眠症は、いわゆる不眠症の中で、もっとも頻度の高いものである。(中略)
「眠れなかったらどうしよう」という不安にかられてしまう。そう思っただけで、緊張して、余計に眠れなくなってしまう。》p.129
これは、わかる笑
遠足や旅行の前に誰もが経験するアレだ。
ワクワクして眠れなくて、でも翌日のイベントを楽しむ為には是が非でも寝なきゃ、と思う。
そう思えば思うほど焦って寝れない…
それが毎日続いた状態だろうか。
心配事による一過性の不眠症とは違う。
1ヶ月以上続いている事が診断に必要、
とある。
原因と対策は…
《眠れないことへの恐怖感が強く、睡眠に対して過敏になりすぎている。その根底には、眠ることへの強過ぎる囚われがある。眠れないことよりも、この囚われのほうが病気の本質なのである。
これを解除するには、「睡眠をとらないと大変なことになる」という強すぎる思い込み(信念)を修正する必要がある。》p.133
《眠れるに越したことはないが、別に眠れなくても、横にさえなって目を閉じていれば、ある程度
回復する。》p.245
☆過去の偉人と不眠症☆
ここ最近になって、鬱病などの精神疾患とともに、メディアなどでも取り上げられる事の増えた不眠症だが、歴史に名を残す偉人達も不眠症に悩まされていた可能性はある。
●ショートスリーパーたちの真相 p.50〜
ナポレオン以降、政治やビジネスのリーダーたちに求められるようになった資質の一つが、このショートスリーパーであることだと言えるかもしれないが、真実は如何に?
士官学校時代から、3、4時間の睡眠しかとらなかったというナポレオン。しかし、側近の証言によれば、寝不足と疲労のため、重要な会議や、ワーテルローの戦場においてさえも、あまり頭が回っていなかったという。
イギリス首相ウィストン・チャーチルも、夜は2、3時間しか眠らないという伝説があったが、その実、たっぷりベッドで昼寝をしていた。
同じくイギリス首相で「鉄の女」と言われたマーガレット・サッチャーも、一晩に4時間しか睡眠を取らないことで有名で、「睡眠なんて弱虫のためのもの」と豪語してみせた。しかし、実のところは、サッチャーは不眠症に悩んでいたので、それを逆手にとって、自分をナポレオンに擬したのだとも言われている。
公務だけでなく、プライベートにおいてもタフだったことで知られるJ・F・ケネディは、アンフェタミン(覚醒剤)に依存していたとされる。
しかし、エジソンだけは独自に対策を講じて乗り越えたようだ。
エジソンは、睡眠を「ムダ」だと考えていた。(中略)彼は眠くなると、両手に真鍮の球をもって、椅子によりかかった。腕から力が抜け、真鍮の球が床に落ちて大きな音を立てると、彼は椅子から起き上がり、仕事にとりかかったという。
これは、後でみるように、徐波睡眠という深い眠りに入る手前のところで眠りを留めておく、うたた寝の方法だと言える。徐波睡眠まで入ってしまうと、眠気が覚めにくくなり、後にだるさが残って、集中力が戻るのに時間がかかってしまう。
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