見出し画像

愛着障害 

〜子ども時代を引きずる人々〜

岡田尊司 著  光文社新書

若い頃の女友達との会話の中心と言えば
もっぱら『恋愛』であった。

自分もしくは彼の、恋愛行動について
良い、悪い、嬉しい、ツラい、ひどい…と
お互いにあぁだこうだ言うのを楽しんでいた。

ベタベタするのが好きだとか。
逆に彼以外のプライベートの時間もほしいとか。

そう言った事に、実は愛着パターンが深く
関わっていたなんて!びっくりだ。

幼い頃の両親との関わり方によって、
恋愛スタイルも決まる…

一見信じられないような分析も、
読んでみて納得である。


また、歴史的な偉人や文豪にうつ病患者や自殺者が
多いことはよく知られているが
(夏目漱石、太宰治、川端康成など)

彼らのうつ病の根底には愛着障害があった!

しかし、愛着障害があったからこそ、
愛着障害を乗り越えようともがいたからこそ、
傑作を創造し得たとも書かれている。

《創造とは、ある意味、旧来の価値の破壊で
ある。破壊的な力が生まれるためには、旧来の
存在と安定的に誼を結びすぎることは、マイナス
なのである。親を代表とする旧勢力に対する
根源的な憎しみがあった方が、そこから破壊的な
までの創造のエネルギーが生み出されるのだ。》p.185

《破壊的な創造など、安定した愛着に恵まれた
人にとって、命を懸けるまでには必要性をもたないからである。》p.185

しかしながら、明治やそこらへんの時代の、
家庭環境の悪さには驚かされた。

幼子を養子や里子に出したり乳母に預けるのは、
もはや特別な事ではなかったようだ。

もちろん中には両親の死や生活苦もあった
だろうが…

漱石の場合は、母が41で出産した事を
みっともないとして、予期せぬ歓迎せざる子
として扱われ、里子に出された…

いやいや、産むまでは予期せぬ妊娠に戸惑う
事はあっても…実際産まれてきた赤ちゃんを
見たらかわいいと思わないものかな?と言う
のが私の率直な感想だが…

8人兄弟の末っ子と言うから、8人も産むと
命の誕生に対する感動も薄れるのかね…

まぁ便利な育児用品も家電もない当時だと
今とは比べ物にならないくらいに生活も大変かな
とも思うけど…

にしても文豪、偉人たちの幼少期にまつわる
エピソードには残酷なものが多い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?