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ケーキの切れない非行少年たち

宮口幸治 著  新潮新書

私が心理学や脳科学に興味を持ち、それらの本を読むようになったのは。

ニュースを賑わせている凶悪事件(特に児童虐待)
の原因が、ただ単に犯人の人格やストレス、家庭環境だけによるものなのか…

にしては残虐過ぎないか…
どうやったらそんな酷いことが出来るのか…

といった疑問から、犯罪者の心理や脳の状態を知りたいと思ったからなんです。

以前読んだ本の中で著者の岡田尊司先生は、「誰もが持ち得る異常心理」を原因のひとつに挙げておられましたが…

宮口幸治先生は、ご自身の医療少年院での勤務経験から、犯罪者の多くが知的障害者であるとの事実を問題提起しています。

《本来なら福祉によって救われるべき人たちが、行き場がないがゆえに罪を犯して刑務所に集まってしまっている》p.180

case1)障害を認知されながらも適切な指導を受けられなかった。
case2)軽度だった為に支援がなされなかった。
case3)社会人となり学校での支援がなくなった事に加えて難しい仕事を要求され、当然出来なくて行き場を無くした。
そんな人々が罪を犯してしまう…

児童虐待についても、虐待してしまう親の特徴として、軽度知的障害や境界知能の人たちの特徴と非常によく似ている事を指摘されています。

軽度知的障害や境界知能の人たちと言うのは普段の生活では健常者とほとんど見分けがつかないのですが、いつもと違ったことやはじめての場面に遭遇するとどう対応していいか分からず思考が固まってしまう事があります。柔軟に対応すると言うことが苦手なのです。例えば、いつも乗っている電車が人身事故で止まってしまった場合、違うルートを柔軟に探すといったことが難しくなります。(p.110より)

《育児は予期できないことの繰り返しです。そこでもし親に知的なハンディがあれば、パニックを起こす、赤ちゃんが嫌がっていても同じ方法を繰り返す、育児放棄して逃げてしまう、などの行動に出る可能性があるのです。私は、虐待してしまう親の中にはかなりの割合でこういった気付かれていない知的なハンディをもった人たちがいて、SOSのサインを出しているのでは、と感じています。》p.113

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