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猫を抱いて、宇宙を泳ぐ。

「足るを知る。」
'Know that you are good enough

北イングランドからやってきたグルメ猫 ベイリー


日曜の晴れた朝。イギリスから一緒に飛んできた愛猫の腰をリズミカルにポンポンしながらぼーっとしてたら、ものすごいことに気づいてしまった。これは忘れないうちに言葉にしておこう。愛猫の名前はベイリー。1年と少し前に、アニマルコミュニケーターの岩津さんを通しておしゃべりした時のこと。

Me:     「なにか私にアドバイスはある?」
Bailey:「足るを知ること。
Me:     「へ?」


「足るを知る」が、その時の私にはあんまりピンとこなかった。イギリスとかいう知らない国で、たった一人で、誰よりも頑張って努力したんだ。そのおかげでネイティブとも対等にやっていける英語力を身につけた。博士号もとった。立派な論文も出版したし、ちゃんと本で出せる研究もある。「足るを知る」なんて悠長なこといってたら、この業界では生き残れないの。誰よりも努力しなきゃ研究者としての価値は絶対に上がらない。イギリスの次は別の国でサバイブするのよ。って、心のどっかで思ってた。(思いかえすと、なんて恐ろしいバイブス!ぶるぶる!)

でも、本当は、もう疲れ切ってた。出世だけのために、書きたくもない論文を書いてる自分に正直うんざりしてた。本当はスピリチュアルとか、アセンションとか、バシャールとか、占星術とか、レイキとか、アニマルコミュニケーションが大好き。でも学会とか授業では、「そういうの非科学的ですよねー」みたいな顔してぬるく微笑んでた。まるでスパイみたいな二重生活。自分に嘘をつく生活の虚無に、心はずっとざわざわしてた。でももう、嘘つきの自分は限界だったんだと思う。

そんなとき、「足るを知ればいい」ってベイリーが教えてくれたんだ。その時は言葉の意味がよくわからなかった。でも、努力と根性で学術界に残ることにだんだん魅力を感じられなくなって、お世話になった教授のために最後の論文を書いたあと、私は学者としては筆を折ることを選んだ。

1年と少しの間、
自分に嘘をつくことを完全にやめてみた。

自然の綺麗な故郷で、
毎日、本当に好きなことだけしてみる。

近所の美味しい湧き水を汲みに行って、
その味に感動してみる。

無農薬で有機の野菜を育てて、
その美味しさに唸ってみる。

蒔いた種の発芽に、心踊ってみる。

近くの世界遺産の森までドライブして、
リラックスしてみる。

森の空気をいっぱいに吸い込んでみる。

新緑の美しさにうっとりしてみる。

メディテーションして恍惚になってみる。

美しい星空を見上げながら散歩してみる。

宇宙の真理を極めて、
「何もない日常」の奇跡的な美しさに、
感動して泣いてみる。

この鼓動も奇跡。
この呼吸も奇跡。
あの星も奇跡、
目の前の美しい獣も奇跡。

そんな生活を送ってきた。

そしたらある朝わかったんだ。猫様の腰をポンポンしながら「ああ、すべては今、ここにあるんだ。『足るを知る』ってこれなんだ!」って。全部、腑に落ちた。どの国に行っても、「ない」意識なら、「ない」現実しか作れない。どこにも行かなくても、「ある」意識でただここで存在してる限り、「ある」現実しか作れない。それだけのこと。「ある」意識でリラックスして、愛猫の腰をポンポンしてる間に、宇宙中で最高のパラレルの地球に、もう既に来ちゃってるんだってことがわかってしまった。ZOZOの人みたいに大金出さなくても、もう自然にやってったんだわ、宇宙旅行。やばい気持ちい。

頭蓋骨のドームの中に閉じ込められていた、花びらのようでもあり、小さなプロペラのようでもある四方連続模様みたいなものが外へとあふれてくる、そんな感じだった。ああ、気持ちいい。気持ちいいよ。その瞬間、一人の人間のいい気持ちで全宇宙が塗りつぶされた。

パク・ミンギュ   『どうしよう、マンボウじゃん』


たった1年ちょっと前には想像できないくらい最高の地球に来ちゃった。

もう、むちゃくちゃ幸せになってしまった。それは至極簡単なことだった。
また海外に行ってもいいし、行かなくてもいい。だって、どっちでも天国だもん。この宇宙と地球の奇跡に心震わせて、大好きなベイリーの腰をポンポンしてればいいんだ。そしたら、万華鏡みたいに美しい宇宙が、自動的に創造され続けて行くんだよ。

Me:       「どうしよう。やばいじゃん、ベイリー!」
Bailey:   *Meaningful smile* (意味ありげな微笑み) 

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