諦めない人たちの言葉が好きだ。〜国枝慎吾 編〜❷
◻️『体育や野球ができなくなっちゃうな』と思ったけれど、車いすになったからと落ち込んだり、自分の将来を悲観することはなかったです。これは友だちに恵まれたおかげですね。放課後は友だちと遊び、『毎日が楽しくて仕方がない!』という 生活を送っていましたから。
◻️テニス一本で生活するのは厳しい道と覚悟している。
◻️車いすテニスを通して学んでいることはとても大きいと思います。それは『人間やってみないとわからない』ということ。最初、世界トップのプレーを観たとき『これはかなわないな』と思いました。でも今振り返れば、当時の努力は生温いものだったと思います。着実に練習を続けることでトップの差を少しずつ縮め、始めは1ゲームもとれなかったのが、次は3ゲーム、1セット、そしていつしか勝つことができるようになり、世界一につながっています。
◻️練習というのは時間より質が重要なので、『自分は今100%集中しているか?』と、常に自分に問いかけながら練習しています。
◻️常にチャレンジを意識し、決断、行動してきたし、これからもしていく。
◻️なんでも挑戦してみようというよりは、後に続く人の目標をつくりたいという想いが強かったですね。(日本人初のプロ車いすテニスプレーヤーになったことについて)
◻️例えば僕の活動がメディアにたくさん取り上げられれば、やってみたいという人が増えて車いすテニスを盛り上げることができますし、選手も活動に集中できる環境が整うことにつながっていくと思うんです。その分、ぼくは成績を出し続けていかないといけないし、勝利を重ねることが使命だと意識しています。
◻️目標はリオパラリンピックで金メダル。もちろん東京パラリンピックでも活躍することです。そして東京では車いすテニスをもっと盛り上げ、魅力を感じてもらい有明のコートを1万人の大観衆で埋め尽くし、プレーで魅せたいですね。
◻️厳しいことはわかっている。しかし、それを成し遂げられたら障害者スポーツ界に携わる方々に夢を与えられるのではないかと思っている。(プロ契約時)
◻️やっぱり地位を守ろうとしすぎているのかな、という感覚が自分のなかでありました。もちろん、自分のテニスを改善することには挑戦してるんですが、試合のなかでは挑戦者ではないような気がしました。そういう意味では、良いタイミングで負けたなと思います。
◻️1回戦で負けたのが悔しくて、そのときから練習に対する取り組み方が変わりました。でも、負けはしたけれど、『試合って面白いな!』と目覚めた瞬間です。 ぼくは、根っから『勝負することが好き』なんでしょうね。(車いすテニスを始めた1年目の中学1年で負けた時)
◻️迫ってくる選手への危機感はもちろんあります。今年の全米も、相当アグレッシブなプレイをすることになると思います。実際、(彼らとプレイして)試合のスコア上では大きな差がついていても、内容としてはほとんど差なんてないんです。
◻️パラリンピックで金メダルを獲っているという経験は、何事にも変えられないと思うんです。たとえ調子が悪くても、勢いある奴がいたとしても、ディフェンディングチャンピオンというだけで相手にとっては脅威になると思いますから。
◻️選手自身が技術や力を見せることで興味を持ってもらえるコンテンツにしていかないと継続しません。見る人の想像を超えるプレーが競技の盛り上がりにつながると思います。(パラスポーツの発展について)
◻️トレーナーやドクター、妻の支えもありますし、自分自身でもどうしたら怪我をしないように打てるのかと、人体の構造を研究したりもしました。(怪我などの困難を乗り越える方法)
◻️朝起きて鏡の前で「俺は最強だ」と自分に言って、ラケットに貼ったりもしました。世界10位だった僕が3カ月くらいでグランドスラムのタイトルを獲得して世界ランキング1位になったのは、メンタルがプレーに及ぼす影響がこれだけ大きいのかということを感じた瞬間でした。
◻️日々の積み重ねで世界1位になり、こうしてパラリンピックのチャンピオンになることができました。諦めないで一日一日とにかく力を尽くすことが夢につながると思います。(子どもたちへのメッセージ)
◻️裏でどれだけやっているかということが自信になるからこそ力になるのだと思います。
◻️人間なんで、練習でもやる気のない日だってあります。集中力のない日だってあります。本当にそれは最強の選手がやることなのかって自分に問うようにその言葉を目にすると『さあ、やるぞ』ってスイッチが入るんですよね。練習のクオリティまで上げることにつながったとは思います。
◻️メンタルトレーニングと聞くと、心を強くするみたいなイメージがあると思います。心が強くなって常に自信が持てるというような。でもそうじゃなくて、メンタルのテクニックを身につけることなんだなって思ったんです。フォワハンドやバックハンドの練習をするのと同じで、スキルを上げていくという考え方。その場で起こった問題に対処する方法として『俺は最強だ!』と言ったりだとか、手で(弱気を)振り払う動作だったりとか。ルーティンだってそうですよね。自信を持つために弱さを振り払って、いかにマインドセットした状態でプレーできるか。そこを心掛けていたつもりです。
◻️ランクが2、3位の時は対1位の選手で考えられるけど、1位だと他の選手の背中が見えない。そこに気づかされてからは対相手じゃなくて、対自分になっていきました。対誰かになってしまうと波が大きくなってしまう。でも対自分にすると、やることがブレなくなるので高いレベルで小さな波になっていく感じでした。
◻️リオデジャネイロ大会で挫折を経験して、負けることも多くなっていきました。でも敗因があるから、何をすべきかが分かる。すぐには分からなくても、分析して探り当てていくわけです。それってある意味、宝のような価値なんですよね。勝っている時、1位の時は自分のあらを見つけるのがどうしても難しいので。負けた帰りの飛行機で自分のテニスを分析していくと、やりたいことがどんどん出てくる。そうすると早くコートに戻って、試したいという気持ちになる。負けたことで本当にいろんな発見がありました。
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