トランネット

出版翻訳専門の翻訳会社です。2000年の創業から20年間で、2400冊以上翻訳させてい…

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出版翻訳専門の翻訳会社です。2000年の創業から20年間で、2400冊以上翻訳させていただきました。翻訳者の皆様に出版翻訳の情報とお仕事を提供し、翻訳を通して日本と海外をつなげるよう、日々コツコツ活動しております。 https://www.trannet.co.jp/

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  • 出版翻訳の舞台裏

    トランネットのコーディネーターが交代で、月に一度更新します。 普段はお仕事に関するご連絡ばかりになってしまいがちですが、皆さんの訳文を拝見しているのはこんなメンバーです。 過去のブログはこちらから:http://tn-ura-column.cocolog-nifty.com/blog/

最近の記事

フランクフルト・ブックフェア 2024

フランクフルト・ブックフェア開催の直前、韓国の作家ハン・ガンがノーベル文学賞を受賞しました。韓国初、そしてアジア人初のノーベル文学賞受賞となり、ブックフェア会場でも改めてアジア発の文学に注目が集まっていた気がします。今回も、現地で見聞きした情報や、現地で配布された情報誌から主だったニュースを抜粋してご紹介したいと思います。 世界で人気、”Japanese healing novel”「猫」「書店」「コンビニ」「コーヒー」等がキーワード、あるいは題材となった日本の小説が世界各

    • アジアン・ライツ・フェア2024

      マニラ国際ブックフェアが今年も開催され(9月14〜17日)、合わせてアジアン・ライツ・フェアがマニラで初めて9月12日〜13日の両日に同じ会場内(SMXコンベンションセンター)で開催されました。主催はフィリピン書籍開発協会(Book Development Association of the Philippines)。 このアジアン・ライツ・フェアには、マレーシア書籍出版社協会(MABOPA)、インドネシア出版社協会(IKAPI)、タイ出版書店協会(PUBAT)、マレーシ

      • 作家の目線と読者の目線

        今年、両親は小説書きに挑むことになりました。特に母親は熱心に執筆をしてもう小説を2つ書き終わりました! 私と父親は昨年と一昨年に6週間の創造的作文クラスを受けましたが、お互いの小説は未完成のまま……。母親の猛烈なペースに少し怯えている気分です。 私としては、作品を出版するほど大きなゴールはなく、執筆は精神を落ち着かせる趣味として楽しんでいます。昔は「完成できるかな、品質はいいかな」という不安に満ちておりましたが、最近は「自分のために書き、完成度や品質は後にする」気持ちになれ

        • 大歓声の一部になってきました

          毎日暑いですね。 体調を崩されませんようご自愛くださいませ。 さて。社会人になってからの趣味、みなさんはどのように見つけているでしょうか? 最近は家でなんでも観られて便利ですよね。私のようなインドア派はほとんど家を出なくても困らないほどです。 とはいえ、やはり生の迫力は全然違いました。 今回は友人のチケット取りを手伝った関係で 『ムーランルージュ』を観てまいりましたのブログです😊 (余談ですが、今回抽選でお互い複数枚申し込んだのですが私は一枚もとれず… 友人は自力で複数

        フランクフルト・ブックフェア 2024

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        • 出版翻訳の舞台裏
          44本

        記事

          会える喜び

          まだ梅雨明け前だというのに、40度近い気温が続いています。 ついついアイスや冷たい飲み物に手が伸びてしまいますが、みなさん体調を崩されていないでしょうか。 さて今年の春、コーディネーターの杉田が次男君の就職活動に触れていましたが、同じく就活中だった我が家の娘も、先日ようやくひと段落しました。 就職活動も時代によってずいぶん変わるものですね。 今回は間近で見た<令和の就活>について気づいたことをお話したいと思います。 ふり返ってみると、娘の就職活動はほとんどがオンラインで、

          ワークライフバランスと日常

          「次の順番が回ってくるのは来春でしょうか。今度こそ、明るい話ができますように」と締めくくった前回のnote当番は昨夏でした。今回はとびきり緩いテーマを明るくお届けできそうです。人それぞれのワークライフバランスと日常に思いを馳せて……。しばしお付き合いいただければ幸いです。 仕事と家事のコンビネーションに、手が抜けない性分が災いして数十年。自ら忙しくしている悲しき自覚がありつつ毎日が忙しい! それに、リモートワークという「利」を存分に活用しすぎかもしれません。始業前にお茶室の

          ワークライフバランスと日常

          紙が好き──ドラマ『舟を編む』を見て

          この春、三浦しをん原作『舟を編む』が連続ドラマ化され、NHK BSで放送されました。すでに映画化もされていますが、今回のドラマも楽しく見ました。 私は辞典と事典の編集経験があります。専門出版社でしたので国語辞典ではなく専門分野の用語、事柄や人物を集めた辞典で、上下2巻、補遺もついていてビニールカバーがかけられ、さらに箱入りという豪華なものでした。ドラマと同様、周年事業として何年も前から編集を進めてきた企画、私が編集部員として加わったのはたしか2年後には出さなくてはならないと

          紙が好き──ドラマ『舟を編む』を見て

          ジビエとフランス革命とSDGs

          ジビエ(フランス語でgibier: 狩猟によって捕獲された野生の鳥獣の肉)との最初の出会いは、ピーターラビットの物語だったと思う。おかあさんうさぎが小うさぎたちにかけた一言。「おひゃくしょうのマグレガーさんとこの はたけにだけは いっちゃいけませんよ。おまえたちの おとうさんは、あそこで じこにあって、 マグレガーさんのおくさんに にくのパイにされてしまったんです」 食いしん坊の私はショックを受けるどころか、子ども心に「へえ~、うさぎってたべられるんだ! いつかうさぎのパイ

          ジビエとフランス革命とSDGs

          『Literature in Heisei Japan, 1989-2019 平成文学における様々な声』

          ユスティナ・ヴェロニカ・カシャ(Justyna Weronika Kasza)さんは、福岡県にある西南学院大学外国語学部外国語学科の准教授。母国語であるポーランド語はもちろん、英語、日本語、フランス語も使いこなし、普段は翻訳理論や日本文学を教えておられます。 そのカシャさんが執筆陣のお一人として加わった『Literature in Heisei Japan, 1989-2019 平成文学における様々な声』(上智大学出版)が刊行され、見本を送ってくださいました。 本書は国内

          『Literature in Heisei Japan, 1989-2019 平成文学における様々な声』

          ロンドン ・ブックフェア 2024

          2024年3月12〜14日の3日間、ロンドン・ブックフェア(以下、LBF)が開催されました。例年であれば4月開催なのですが、今年はボローニャ・ブックフェアと入れ替わる形で3月の開催となりました(ボローニャ・ブックフェアは来月開催)。以下、現地で見聞した内容をご報告いたします。 影響力を増す「BookTok」 TikTokは世界154カ国・75の言語で利用されているグローバルなSNSです。月間10億人ものアクティブユーザーを誇り、世界のトレンドを牽引するSNSに成長しました

          ロンドン ・ブックフェア 2024

          春は新たなはじまりの季節

          春は年度も替わり、なにかと気ぜわしくなってきますね。次男の就職活動も3月から本格的に始まりました。ふだんはすれ違いの生活で会話もほとんどないのですが、ある日夜遅く、「面接の練習をしたい」と珍しく話しかけてきました。「自己PR」「就活の軸」「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」などの質問リストを渡され、今から話すから聞いてほしいというのです。 さっそく自己PRを聞き始めたのですが、話の途中でおかしな言い方をしたので指摘したところ、「面接官のように対応して! 全部話を聞いてか

          春は新たなはじまりの季節

          中央・東ヨーロッパの編集者とお会いしてきました!

          近年、日本の本の翻訳出版が盛んになっている中央・東ヨーロッパ地域。 これらの国々から11人の編集者さんが「国際交流基金/中東欧編集者招へい事業」 により、2月26日〜3月5日の日程で来日され、日本文学や日本の出版事情に関するレクチャーを受けたり、交流会にも参加されました。 具体的には以下の国々からの編集者さんです。 ちなみに各国の人口と公用語を調べてみました。(※外務省サイトを参照) ブルガリア 人口:646万人 公用語:ブルガリア語 クロアチア 人口:385万人

          中央・東ヨーロッパの編集者とお会いしてきました!

          営業の1日

          今回は営業担当の斎藤史が「営業の1日」をお届けいたします。普段見えにくいトランネットの社内を少しでも身近に感じていただけたら、と思います。少し(いえ、だいぶ)長くなってしまいましたが、みなさま、お付き合いのほどどうぞよろしくお願い申し上げます。 お気づきの方もいらっしゃると思うのですが、トランネットには「さいとう」が2名います。前回「事務局の1日」を書いた「斉藤」と、営業の「斎藤」(私)です。もしかするとこれまで、みなさまを混乱させてしまっていたかもしれません。 さて、ま

          事務局の1日

          はじめてこの出版翻訳の舞台裏コラムを書くことになりました、トランネット事務局の斉藤です。 気づけば、トランネットに入社してもうすぐ20年(……!)、その間に2回の産休・育休を取らせていただき、担当する業務分担が変わったりもしましたが、ずっと事務局を担当しています。 今回は、すべてではないのですが、事務局で日々行っていることをまとめてみます。  <会員様に関する作業> 入会のお申込みや退会届の確認、対応 会員登録の更新手続き リーディングトライアルのご案内 お待たせ

          都市の生活

          皆様お疲れ様でございます。前の記事では寒季の終わりを迎えた頃だといいましたが、今書いている途中に戻ってきたようです。季節が変わる瞬間はある服装や機械を片付けながら別の服装や機械を取り出すという忙しさを覚えます。我が家では特に扇風機の片付けが面倒です、収納のスペースが益々狭くなり……「近いうちに大掃除をせんと」と思いながら忘れがちな性格なのが私です。 でも2023年が終わる前にやっぱり収納の中の積み重ねをどうにかしたいですね! そんな悩みを抱き始めたのは現在よんでいる小説、

          フランクフルト・ブックフェア 2023

          今年75周年を迎えた2023年フランクフルト・ブックフェアが10月18~22日に開催されました。世界情勢、とりわけイスラエルとハマスの戦争がこの見本市にも大きな影を落としましたが、フェア会場での取引は活況を呈していました。主催者の発表によると、130カ国からおよそ10万5000人のトレードビジターが訪れ、パンデミック前の出展面積の約80%が元通りに埋まったようです。その欠けた部分というのは、ウクライナ侵攻後に出展を禁止されたロシアと、サルマン・ラシュディがドイツ書籍協会平和

          フランクフルト・ブックフェア 2023