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ワークライフバランスと日常

「次の順番が回ってくるのは来春でしょうか。今度こそ、明るい話ができますように」と締めくくった前回のnote当番は昨夏でした。今回はとびきり緩いテーマを明るくお届けできそうです。人それぞれのワークライフバランスと日常に思いを馳せて……。しばしお付き合いいただければ幸いです。

仕事と家事のコンビネーションに、手が抜けない性分が災いして数十年。自ら忙しくしている悲しき自覚がありつつ毎日が忙しい! それに、リモートワークという「利」を存分に活用しすぎかもしれません。始業前にお茶室の室礼を変えたり雛人形や五月人形の飾り付けや片付けをしたり、水遣りだの落ち葉掃きだの、疲れる前の目と頭で読書をしたりピアノを弾いたり適当にギターに触ったり(昨夏の投稿後、弦を張り替えました)。天気次第では大物の洗濯も。洗濯後のダブルの羽毛布団に至っては巨大生物を抱きかかえているような感覚です。挙げ句の果てに始業時には手がプルプルで「すもません」「あろがとう」などとやらかしそうになる本末転倒ぶり。

仕事終わり、それは夕食づくりの始まり。だから始業前に貪欲な時間の使い方をしてしまうのです。イライラして作る料理が美味しくないのは知っています。仕事と料理の間には強制的にリセット&深呼吸。好きな音楽を流してお酒を飲みながらリラックスして作ると美味しくできるようです(※個人の見解です)。塾の送迎などがあった時代には叶わなかった至福の時間。明言しますが、キッチンドランクではありません。「キッチンでも飲む人間」なだけです。

週末の1日はできるだけ外に出かけて、神経を緩めるようにしています。旅行や美術館、ライブなどのイベントは計画的なものですが、それ以外は人混みを避けてノープランで。気がつけば都内市区町村の博物館や郷土資料館といった施設をほぼコンプリート。各地域の歴史や地形や暮らしは知れば知るほど興味深いものがあります。入館無料、案外駐車場もあって助かります。入館時に任意で記入する「来館理由」、ほぼ毎回「通りがかり」にチェックを入れては家人と笑い合っています。本当に「通りがかり」が多くて、以前ふと立ち寄った某館では、「始まりますよ、早く早く」と言われるがままに駆け込んだ部屋がプラネタリウムで、思いがけず上映を楽しみました。最近では昼を食べたお店のレジにあったパンフレットを見て、おもしろそうだったので検索して直行。企画展「近代制服図鑑」やパネル展「『源氏物語』に詠まれた万葉の草花」と充実の展示に加え、奇しくもその日は「国際博物館の日」。法服のコスプレ写真を撮り(もちろん希望者だけ)、おみやげをいただき、敷地内の洋館のカフェで庭を見ながらお茶を飲み、通りがかりの小さな旅を満喫しました。

家でのんびり過ごす日もあれば、昼呑み目的で近場に電車やバスで出かけることも。昔からお蕎麦が大好きで、唯一食べ歩くジャンルなのですが、これまた好きな日本酒と両方を楽しむ幸せは近年知りました。「蕎麦前なくして蕎麦屋なし」とは池波正太郎氏の名言ですが、気がつけばそちら側の人間になっているかもしれません。蕎麦前と日本酒とお蕎麦。それは「酒と泪と男と女」や「部屋とワイシャツと私」のような絶妙な世界観(ちょっと違うかも)。食材の味を引き出してくれるちょい呑みは私には合っていたようで、角打ちを体験したり、日本酒好きな友人とはしご酒イベントに参加したりと広がりを見せています。日本酒は体を冷やさないですし、その原材料を考えても体にやさしい自然食品だと思います。肴も合わせて身土不二。忙しい日々は続きますが、心身を緩めながら進んでいきたいと願っています。

Nobuko Yazawa


お隣の神社の竹林はありがたい借景
そのうえ毎年筍までくださって感謝
自立する姿も清々しい
糠ではなく唐辛子やお米で下ごしらえすれば
その日のうちに食卓へ
土佐煮にすると日を追って味が染みていく醍醐味がある
新鮮でやわらかいからお刺身でも美味





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