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『Good to Great』②究極のリーダー論

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『Good to Great』/ Jim Collins

「誰バス理論」をはじめとして、日本の経営者にも大きな反響を呼んだであろう本書『Good to Great』。

今回はリーダー論について。本書では会社の成功のために必要な要素が紹介されているが、最初に取り上げられる要素がリーダーについてであるのも特筆すべき点の一つ。

Greatな会社を目指すために必要なリーダー像

リーダーにも色々なタイプがある。高い自身の能力を示すことによって尊敬を集める「ペースセッター型」、個人の能力が高い権力によって集団を支配する「強制型」など。

状況に応じて求められるリーダーシップは異なるので使い分けが重要になってくる。

では、Greatな会社を目指すために必要なリーダー像とは?大きな組織を、イノベーションに導き、その後も継続して成長を促すことができるリーダーの資質とは?

著者のジム・コリンズによると、強い意志(Professional Will)と謙虚さ(Personal Humility)を兼ねそろえた人物こそが適任であるという。

内なる野望を秘めてはいるものの、しかし決して利己的な行動に陥ることがない。滅私の覚悟で組織に貢献できる人物。それが偉大な事業を立ち上げ、持続させることができる組織に求められるリーダーであるという。一見して地味ではあるけれど芯の備わった人物ということになるだろうか。

正直、最初にこれを聞いたとき意外だった。僕が理想のリーダーとしてイメージしていたのは、自尊心が高く率先して自らの意見を浸透させていく、カリスマ感あふれる人物だったからだ。

もちろんこれも一つのリーダー像ではある。しかし、おそらくGreatな会社に求められるリーダー像としては適任ではないのだろう。

カリスマによって繁栄を得た組織は、カリスマが不在になれば逆戻りするリスクを孕んでいる。つまり、再現性に欠けるのだ。

Greatな会社の事業は持続可能でなければならない。一度きりの成功を収めるだけでは不十分なのだ。そのため、Greatなリーダーはそのことを理解したうえで、マネジメントによって理想を実現しようとする。

周囲に意見を押し付けるのではなく、対話によって組織の方向性を定めていく。加えて、優秀な後継者を配置することで恒久的な繁栄を目指そうとするのだ。

謙虚なリーダーによる地道な取り組みの積み重ねによって、企業文化が作り上げられていく。文化は価値観を継承し、組織を個に依存しない強固なものへと昇華していく。

「あの人にはリーダーシップがない」は本当か?

ここからは僕の感想。

政治でも職場でも「あの人にはリーダーシップがない」という愚痴を聞くことがしばしばある。もちろん、本当にリーダーの素質に問題がある可能性もあるけれど、リーダーの素質に対する理解不足がこうした愚痴を生み出してしまっている部分もあるかもしれないなと思った。

停滞感が続いていれば、即効性のある方法に飛びつきたくなってしまうもの。カリスマ的なリーダーの出現によって、一気に状況が打開されないだろうか。そんなことをしばしば考えてしまう。

だけど、待ってほしい。本章で紹介されるように、長期的に成功を続けられる組織づくりには時間がかかる。そして、その風土づくりに適任となるGreatなリーダーがカリスマ性を備えているとは限らないのだ。

Greatなリーダーは一見弱弱しく、華やかさが足りないように見えてしまうこともあるかもしれない。それがリーダーシップが欠けているという認識に繋がってはいないだろうか。実はその人は、謙虚で落ち着きながら長期的な目標へ道筋を立てられる人かもしれない。

華やかな性格や印象に残る個性は目立つので重視されがちだけれども、謙虚さや対話的であるかという点もリーダーの素質を測るうえで無視してはいけないと思った。

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