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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
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#暴落

【投機の流儀 セレクション】世界で最もボラティリティが高い日本株はチャンスも大きい

日本株は欧米株に比べて比較的振れ幅が大きいという特徴がある。例えばNYなどは第2次大戦後の75年間で20%以上の振れ幅は15回しかなかった。よって20%の上下を以てトレンド変化としてきた。ところが、日経平均は何十回もある。現にアベノミクス相場の始動以来、2013年の「青春期相場」の終焉、15年の壮年期相場の終焉を示した16年2月、16年6月のBREXTの下げ、18年末の老年期相場の終焉(PBR0.8倍に届きそうになった)、そして今回、実に7年間で5回もある。 5年間のヒストリ

【投機の流儀 セレクション】二番底待機組、あるいは大底待機組は空振りに終わるか、またはバーゲンセールを買う好機を得るか

これは筆者には判らない。「判らない間に稼げるだけ稼いでおこう」という短期筋が作る相場が昨今の市況である。その相場には当然その場を演ずる主役が現れる。しかし、その主役は第二幕・第三幕になると取って代わるから、新たな大相場の主役になることはない。言わば「幕間つなぎ」である。 過去の下げ相場では概ね例外なく二番底、またはトリプルボトムを迎えた。第2次大戦後米国株の大勢的な下降トレンドは16回あったが、その中の15回は二番底または三番底は一番底よりもさらに深い下値を付けた。今回は2

【投機の流儀 セレクション】ポスト・コロナの価値観の変化

(Ⅰ)今は誰も言わないが、筆者はグローバリズムに対する評価の変化が出ると思う。グローバリズムとは元々筆者に言わせれば帝国主義に代わって出てきたものである。それは第2次大戦末期1944年にアメリカのブレトンウッズで45ヶ国が参加し世界貿易機関GATTと俗称世界銀行IMFを車の両輪として自由主義経済陣営を未曾有の発展に導いた。帝国主義に取って代わってグローバリズムが讃美された。 しかし、グローバリズムとは事物の移動(「人」の移動も含む)によって政治・経済・社会・文化等が交流し価

【投機の流儀 セレクション】グローバリズムを賛美してきた筋の過ちが今になって出てきた

コロナウイルスが今回のように全世界に普及すればある一国だけが回復しても一旦グローバリズムが広がった世界経済があるから(中国のような国家とさえも言えないような独裁王朝でさえもグローバリズムの仲間に入っている)経済は元の水準には簡単には戻らない。全世界が元の水準に戻るには相当な時間を要するであろう。 グローバリズムを賛美ばかりしてきた筋の過ちが今になって出てきた。筆者が以前から言っているように、グローバリズムとは帝国主義に替わって出てきたものであって必ずしも賛美すべきものばかり

【投機の流儀 セレクション】大手銀行・大手証券の強引営業が引き起こした仕組み債のロックインの危険性――それが現実化すれば再び「阿鼻叫喚相場」

大手銀行・大手証券の強引営業が引き起こした仕組み債のロックインの危険性――それが現実化すれば再び「阿鼻叫喚相場」 既報で述べたが、大手銀行と大手証券が仕組み債というものを販売していた。十数年前、リーマンショック以前にメリルリンチ証券から勧められて筆者も考えたことがあったが、仕組みが複雑でリスクが大きいので筆者は乗らなかった。それ以降仕組み債についてはその将来性に関心は持って眺めてきた。日経平均が2万2000円~2万3000円の頃に1万6000円を割ったならば「ロックインする」

【投機の流儀 セレクション】コロナショックがなくても下降トレンドに入る宿命にあった

本稿では、18年10月2日の2万2270円をもってアベノミクス大相場の老年期相場の大天井だと一貫して述べてきた。(もし、それを瞬間的に抜く場面があっても――実際に近くまで行ったが抜くことは一回もなかった――それは新しい相場が始まるわけではないと何度も述べてきた)。一旦終わった大相場は幕を引かなければ次の大相場は幕が開かないものなのだ。 そのための儀式は、いざなぎ景気相場では「IOSショック」、過剰流動性バブル・列島改造相場では「第1次オイルショック」、平成バブル大相場では「不

【投機の流儀 セレクション】「緊急事態」が長期化すれば、もはや「平時」でなく「有事」の事態だ

日本経済新聞が国内主要企業の社長100人にアンケートしたところ、緊急事態が3ヶ月続くと約33%が事業に不安が出るという回答を得たという。対象は国内主要企業である。不安はないという会社は約半分しかない。 「国内主要企業の社長」に対するアンケートである。 緊急事態が1年続けば半数が企業の存続に不安だという。先日の「資金繰りに関すること」で筆者は驚いたが、「主要企業社長100人に対するアンケート」の結果が発表された14日付の1面記事には驚いた。 考えてみれば、世界で170人万人

【投機の流儀 セレクション】市場は「不透明」「未定」に怯えるという神経機能がある

2021年3月期の事業予想は大半の企業が「未定」とするであろう。東京証券取引所は(概ねで良いから業績予想の開示をするように要請している。東日本大震災と違って新型コロナウイルスの場合は影響度合いが読み切れないから業績を「未定」とするのも無理もない。まして「経団連銘柄」はサラリーマン経営者が多い。東日本大震災の際は「未定」が長期間続いた。民主党政権の時だ。少なくともコロナウイルスよりは見当がつけやすかったはずだ。政府が7日に踏み切った緊急事態宣言はサラリーマン経営者の企業にとって

【投機の流儀 セレクション】原油暴落は世界経済にとってプラスになる面もある

筆者は、原油安は日本経済にとってトクだという教条主義者ではないつもりだが、算数で考えれば、原油価格低下はネットで世界経済全体にはプラスになる面が極めて多い。 30ドル以下の原油価格が年末まで続くとすれば、米国の家計でガソリン代が千億単位で浮くはずである。米国は家計がGDPの70%を占める。日本もGDPの60%を家計が占める。日本の家計も原油安で相当にトクするはずである。これはGDPの0.5%押し上げる追加収入となる。3月9日の原油の最大下落率は31%だった。これは世界経済を後

【投機の流儀 セレクション】次に本気で買うのはいつか

これで、3月13日に個々の銘柄は大底を突いたから新しい相場が始まるのか?と問われれば、もちろん「それは違う」と言わざるを得ない。あくまでも中間反騰である。中間反騰の定義は前の高値を抜かないということだ。大きい場合には半値戻りもあるし、3分の2戻りもある。「半値戻りは全値戻りだ」などと根拠のない口伝を言い出す者も出てくるような大きさもある。だが、決して前の高値を抜かないというのが中間反騰の特質である。中間反騰と言うからには、本当の意味での大底が来る。少々時間がかかるのではないか

【投機の流儀 セレクション】経済活動はリーマンショックを上回る規模で縮小し始めた

日本のGDPは昨年10~12月期に前期比年換算で▼7.1%、世界の時価総額は過去最高時(今年1月20日)から先週は▼22%となった。 イエール大学のシラー教授(ノーベル経済学賞受賞者)は経済条件によって修正を加えた10年間移動平均の一株当たり純利益でつくった「シラーPER」というものを開発し、それが過去100年間での超割高を続いていると警戒していた。その警戒水準は「25」であるが、世界恐慌の1929年とITバブル崩壊の2000年と14年6月以降今年2月までと、この3回が「25

【投機の流儀 セレクション】基本的な「心得」はこれだ、「天井売らず。底買わず」

大底を確認するまでは一切買わないというアクションコースの選択は聡明でないと思うし、長期投資の原理原則とも外れよう。それは、「我こそ真の大底を買う者なり」という大言壮語の気取りである。そういう人は買いそこなう。買ってからしばらく評価損を抱えながらナンピン買いを続行する意志力を行使しなければ「大底圏内」は買えないものだ。そのヤセ我慢と意志力こそが市場で儲ける資格ある人となろう。筆者は「まさしく、どんぴしゃりで大底を買う」などと気負ったことは一度もない。「大底圏内」がいいのだ。本稿

【投機の流儀 セレクション】東京五輪が中止になればコトは大きい

【配信遅延のお詫び】 いつも山崎和邦の投機の流儀をご愛読いただきまして、ありがとうございます。 今号は昨日配信予定でございましたが、配信設定に不備がございまして、配信が遅れてしまいました。 誠に申し訳ございませんでした。 今後は再発のないよう、配信セットの確認を厳重に行うようにいたします。 今後もどうぞ山崎和邦の週報をよろしくお願いいたします。 3月1日号の第1部(5)で次々の大イベントが「観客無し」を決定しているが習近平来日延期が山場になるだろうと述べた。それは4日で終わ

【投機の流儀 セレクション】俗に言う「内憂外患」による国内景気に対するブレーキ

2019年10月~12月期のGDPは前年同期比▲6.3%となった(内閣府17日公表)。これは5四半期ぶりのマイナス成長である。19日発表の機械受注(設備投資の先行指標)も見通しは1~3月期は前期比▲5.2%となる。これは3四半期連続で落ち込んだ。言わずもがな設備投資はGDPの構成要素4つのうちの一つであり、しかもこれは所謂「ケインズの乗数」が掛かるからその影響度は1倍以上になる。消費税の影響が大きい。今年に入ってから例えば三越百貨店の株価は1,000円以上をキープしていたが、