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【投機の流儀 セレクション】世界で最もボラティリティが高い日本株はチャンスも大きい

日本株は欧米株に比べて比較的振れ幅が大きいという特徴がある。例えばNYなどは第2次大戦後の75年間で20%以上の振れ幅は15回しかなかった。よって20%の上下を以てトレンド変化としてきた。ところが、日経平均は何十回もある。現にアベノミクス相場の始動以来、2013年の「青春期相場」の終焉、15年の壮年期相場の終焉を示した16年2月、16年6月のBREXTの下げ、18年末の老年期相場の終焉(PBR0.8倍に届きそうになった)、そして今回、実に7年間で5回もある。
5年間のヒストリカル・ボラティリティを見ると世界の株式全体が15%で、欧州米国は17~19%にたいして日本株は21%動いた。

ボラティリティが高いということはチャンスも多いということになる。退屈している暇はない、と言って戦々恐々として目を凝らしていれば「一枚の木の葉が月を隠す」という文芸評論家小林秀雄の言い分のようになってしまう。
故に基本的には「遠山の目付け」で良いのだ。しかし、漫然と見ていては買い場を逃がす恐れはある。日本郵船のように、世界的著名銘柄で、発行株数も多く、歴史も長く、代表的なオールドエコノミーの株で代表的な景気敏感株でさえも3月の1,091円という、平成に入ってから32年間の最安値は再び来るか否かは判らない。その安値の後で100円の大台を6回変えて上昇した。これは一例を挙げただけであって、こういうものは枚挙にいとまがない。


【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)先週後半はバリュー株の復調で賑わったがグロース株との循環物色の輪が広がって進むことは中長期では楽観できない
(2)5月初日は大幅安で2万円大台を割り込んで始まったが堅調な月だった
(3)海外勢は6週間ぶりに先週は買い越しとなった
(4)先週は4日連騰1500円高で200日線を越えた活況状態
(5)先々週末の日経平均は25日線と75日線の間にほぼ定着したが先週は週明け二日でそのエリアを抜け出て2~3月下げ幅の62%(黄金分割の大なる方)に達し、27日(水)にはそれをも抜いて200日線を抜いた
(6)「半身の株高」(日経新聞の見出しの文言)
(7)日経平均PBRが1倍を回復した先々週
(8)コロナで株主総会延期か――金融市場は不透明を最も嫌う
第2部 5月相場を振り返ってみれば
(1)中間反騰の特色
(2)「需給に勝る材料は無い」
(3)“Sell in May.”はなかった(元来、5月安は過去10年間で3回しかなかった)
(4)「日本株は米市場の写真相場だ」
(5)マザーズの活況
(6)逆転銘柄の続出
第3部 中長期の見方
(1)米国市場追随型だったが“Sell in May.”はなかった、「懐疑の中で育つ相場」なのか?
(2)世界で最もボラティリティが高い日本株はチャンスも大きい
(3)中長期の見方で見れば、政府の発動した大型補正予算は、「合成の誤謬」で「貯蓄病」を生む
(4)中長期では銘柄選択よりもETFが有利か
(5)検察庁法改定案で内閣支持率急落
(6)今の市場に処する構えは複雑。良いことが悪材料につながるし、悪いことが好材料につながる
(7)景気の急回復を先取りした強気相場に入ったという見方は尚早だが当面は「戻り売り」から「押し目買い」に移行した
(8)コロナ問題が落ち着けば米中対立に目が行く。 この方が本当はコロナ
(9)「衰えるかW.バフェットの手腕」
(10)五輪が来年開催されると仮定して日本の金メダル数と株価との関
(11)嶌信彦通信vol.220(2020年 5月 26日)より


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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