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【投機の流儀 セレクション】「緊急事態」が長期化すれば、もはや「平時」でなく「有事」の事態だ

日本経済新聞が国内主要企業の社長100人にアンケートしたところ、緊急事態が3ヶ月続くと約33%が事業に不安が出るという回答を得たという。対象は国内主要企業である。不安はないという会社は約半分しかない。

「国内主要企業の社長」に対するアンケートである。
緊急事態が1年続けば半数が企業の存続に不安だという。先日の「資金繰りに関すること」で筆者は驚いたが、「主要企業社長100人に対するアンケート」の結果が発表された14日付の1面記事には驚いた。

考えてみれば、世界で170人万人が感染し10万人以上が死亡したという、この数字は第2次大戦に例えれば、アッツ島の玉砕や硫黄島の戦いよりも何十倍も大きい。負傷者170万人・戦死者10万人に相当する。もはや「有事」と言える。修羅場を踏み越えてきた経験がない安倍首相その他閣僚には「平時」と「有事」の区別が付かない。したがって、これらが実勢悪として形に現れる時には二番底または大底は想定外のものになるかも判らない。

リーマンショックとの比較はあまり意味がない。
リーマンショックは「平時」における主要金融市場が破壊されたのでそれが実体経済に及ぼす影響を売ったものである。今度は「平時」ではない。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況:

(1)先週末は日経平均300円高で始まり607円高、週末のNYは704弗高、これを日本は先物を読んで先週末に織り込んだから週明けは、よくて保合
(2)マザーズ指数が1ヶ月ぶりの水準を回復、マザーズは毎日活況――大勢にかかわらず目先勝負での売買が活発とみる
(3)先週半ばで株式市場の不安を急速に薄れた
(4)3月決算発表本格化に備え、それを見極めたいという姿勢が大勢的な動
(5)間違うと「右肩上がりのダブルトップ」の形成
(6)世界株全般、政策頼みの戻り
(7)景況感悪化を反映した日銀短観
(8)2番底、3番底あるいは大底はいつか
(9)「緊急事態」が長期化すれば、もはや「平時」でなく「有事」の事態だ
第2部 中長期の見方
(1)IMF「世界恐慌以来の悪化」
(2)IMF予測に追加
(3)歴史に見る既視感―― コロナショックがなくも米景気は昨年末から分水嶺にあったし日本景気も昨年12月から後退期に入っていた。
(4)「リーマンショックを超える」「世界恐慌以来の大不況」という枕詞が頻繁に使われるがコロナ禍が長期化するとどうなるか
(5)株価の下値限界を測るPBRについて
(6)コロナ問題がもし1年続いても、「大企業、続々破綻」はないし、「日本の終わりがやって来る」もない
(7)ジャンク債にさえも買いを入れるFRB
(8)ハイイールド債の投信が急落
(9)「米国株、全治2年 」
(10)2020年の二大テーマは①世界景気の行方、②21年3月期の日本企業の決算、この2つだったと昨年から言い続けてきたが、コロナ禍で自動的に解答が出た
(11)「君子豹変」?トランプの豹変
第3部 読者との交信
(1)H様との「習近平政権と安倍政権への疑念」についての交信(4月14日)下線は筆者付す。
(2)読者からの「新型コロナについて」のアドバイス(4月14日)
(3)昔からの読者で動画の視聴者でもあられる、元大企業幹部のN様との「日本の政官界への不信感とNY株の趨勢について」の交信
(4)京都のA様との「先月の暴落時は勇気を振り絞り買い向かった」との交信(4月17日)下線は筆者付す。


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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