【書評】『風刺画で読み解く英国宰相列伝』(ミネルヴァ書房)
※著者はケネス・ベイカー、訳者は松村昌家。
同時代の政治や世相を鋭く描く風刺画は、後世の人間からみても非常に面白いものです。本書は、18世紀に最初の首相となったロバート・ウォルポールから、20世紀のサッチャー、メイジャーまでの300年弱の政治史の流れを、風刺画をもとに描いています。
18世紀ごろの風刺画は時に下品、猥褻な表現さえあるなど、時代による特色も読み取れます。
具体的な作品としては、以下のようなものがあります。
グラッドストンやディズレイリ、ロイド=ジョージやチャーチルといった歴代の名宰相も、風刺画家の手にかかると卑俗で人間的に描かれます。
ユーモアをもって政治家を風刺する精神は、英国人の中に長く根付いていることを実感できる一冊です。
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