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歴史本書評

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オススメ歴史本の読書記録。日本史世界史ごちゃ混ぜです。
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2022年2月の記事一覧

【書評】会田大輔「南北朝時代」(中公新書)

【書評】会田大輔「南北朝時代」(中公新書)

 中国における「南北朝時代」といっても、ほとんどの人はぴんと来ないと思います。

 諸子百家を出した春秋戦国時代、始皇帝や項羽・劉邦のいた秦・漢時代、多くの英雄豪傑がいた三国時代と比べても、著名人は少ないです。また、遣隋使・遣唐使という形で日本史とのかかわりがある隋唐よりもイメージはしにくいはずです。

 有名な三国時代と隋唐に挟まれた五胡十六国・南北朝時代は、多くの王朝が短期間に興亡したこともあ

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【書評】柿沼陽平『古代中国の24時間』(中公新書)

【書評】柿沼陽平『古代中国の24時間』(中公新書)

 昔を舞台にした小説やドラマ、マンガなどを見ていると、「当時の人って、本当にこんな感じだったのかな」と思うことがあります。逆に言えば、作り手は細かい描写をどうすればいいか悩むでしょう。

 戦乱や政治上の動きならば史書に残りますが、普通の人が日常どうしていたかについては中々記録に残りません。様々な記録から、生活の様子の断片を読みとって再構成するしかないのです。

 本書では、秦・漢の時代(今から2

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