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歴史本書評

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オススメ歴史本の読書記録。日本史世界史ごちゃ混ぜです。
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2021年12月の記事一覧

【書評】木村靖二『第一次世界大戦』(ちくま新書)

【書評】木村靖二『第一次世界大戦』(ちくま新書)

 日本では、第二次世界大戦と比べて語られることの少ない第一次世界大戦。日本は極東で少し戦ったに過ぎず、大きな被害を出していないからだろう。

 しかし、これまでの世界を大きく変えたできごととして、第一次世界大戦は無視できない。本書は大戦の勃発から終結までを簡潔にまとめた、入門に最適の一冊である。

 世界史の授業で習った内容が、研究の進展で修正されることもある。例えば、講和条約のヴェルサイユ条約に

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【書評】『歴史学者と読む高校世界史』(勁草書房)

【書評】『歴史学者と読む高校世界史』(勁草書房)

 一般的には、「教科書に書かれていることは、おおむね信用していい」と思われているはずだ。だが、「歴史教科書に書かれていることが絶対に正しい」とは限らないことを伝えてくれるのが本書だ。歴史学者、高校の教諭、教科書検定に関わる(元)調査官などが執筆陣である。

 さて、「高校世界史教科書の問題点」といっても論点は多数ある。

正確な史実とするのが難しい場合 高校世界史の古代イスラエルの項目には、
・モ

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