星を目指して (詩)
桜は1年に1度咲いた
満月は1年に12回姿を見せた
銀杏は1年に1度黄色く染まると枯れていった
雪は1年に1度朝日を飲みこむほど降り続け街を暗く閉じ込めた
4回の季節が巡る国を旅先に決め
10年の月日を屋根のない家で過ごした
未練を残す前に星に戻ろうと思った
引き留めるものは何もない
億光年を漂って辿り着いた星は傷を癒やしてはくれない
別れた恋人と離れることは必然だったと
別れたからこそ得られる天啓の教えがあると信じて来た星の国は何も与えてくれず
孤独な私が残るだけだった
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