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歩けない、ただの言い訳

私を殺したのは、今朝の夢です
殺した、
なんて恐ろしい言葉を使ってごめんなさい
ただ、その言葉を使わなければ
その瞬間の私は
成物
することができなかったのです

れんげ畑に立っていました
エメラルド色の渦を巻いた空は
美しくて、
期待と地獄の狭間で浮かぶように雲が
流れていて、
それが明日も生きれる理由になるんだと
きっと思っていました

蛆虫

いた
私の茶色い革靴のつま先に

瞬間
靴をれんげ畑にこすりつけました
次に靴のつま先を見つめると
そこは何もない綺麗に光る靴だけがあります
見間違いと安心して
私はずっと空を見つめていました
目が覚めるまで

母は私を蛆虫と言いました
のろま くず ごみだめ おんな
母が世界でたった1人の愛した私を
悪意をもって潰したのは私

ごめんなさい

顔をあげた窓の光が眩しい
ことはない
埃をかぶった曇り空が続くだけ
服をきなきゃ
窓の外で息を吸いたいから



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