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海の家にはエピローグ

お土産をもらってうれしかったの
おみやげ?
新幹線にのったんだって
海をみにいって帰るとき砂浜で痛めた裸足を休ませた
海の家の机には
まりんぼうるが置かれてた
中にね、
セミが羽をひらいてうずくまってたの
誰もいない海の家は
畳がふしくれだっていて
足を刺すから痛いって泣いてた
そしたらね、波が月に被さったの
光は
水飛沫にのみこまれて星にかわったように思えた
けれど光は私が流す飛沫で
木目が浮かんだ机に全て残っていた
この石はそのときのもの?
そう、鱗だよ
私の鱗
やっと見つけた私の正体

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