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恋と学問

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もののあはれとは何か?本居宣長「紫文要領」から読み解く、源氏物語の魅力と本質。
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#大野晋

恋と学問 第9夜、モノをカタルとカタルシス。

恋と学問 第9夜、モノをカタルとカタルシス。

紫文要領の中心に位置する「大意の事」は、モノガタリという言葉についての考察から始まります。以前目次を作った時、「第1章/物語文学とは何か」と名付けた部分です。
(岩波文庫版「紫文要領」29-34頁)

今夜はここを出発点にして、古今東西の知見も参考にしながら「モノガタリとは何か」、ひいては「文学とは何か」といったあたりのことを、宣長と一緒に考えてみましょう。

まず、宣長のモノガタリ観が明らかにな

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恋と学問 第6夜、異様な「まえがき」について。

恋と学問 第6夜、異様な「まえがき」について。

今夜は、紫文要領の「まえがき」を読み解きながら、この文章の「異様な切迫感」は何に由来するのか考えてみたいと思います。(あとがきに相当する部分を冒頭に持ってきたことは前回を参照のこと)

まえがきは非常に短い文章ですので、いきなり全文を引用してみましょう。

右紫文要領上下二巻はとしころ丸が心に思ひよりて、此の物語をくりかへし心をひそめてよみつつ考へ出だせる所にして、全く師伝のおもむきにあらず。又諸

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恋と学問 第3夜 、もののあはれ入門。

恋と学問 第3夜 、もののあはれ入門。

物の哀れについて述べる時、これまではカッコ付きで「もののあはれ」と書いてまいりました。そのわけは単純なことです。この言葉は恐らく、私を含め多くの人が雰囲気で理解した気になっていますが、本当のところは良く分かっていない言葉だからです。このカッコを取り外し、自信をもって「物の哀れが云々」と話せるようになれたら、今夜の目標は果たされたことになります。

手始めに、言葉についての学問である言語学が、この言

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恋と学問 第2夜、秘められた恋のゆくえ。

恋と学問 第2夜、秘められた恋のゆくえ。

前回お話したのは、いわば本居宣長の正史です。どんな歴史にも必ず正史から漏れた、語られることのない、秘められた事実があります。宣長の場合、それは「秘められた恋」でした。今夜はそんな話をしましょう。

おさらいしますと、紫文要領についての公式見解とは、賀茂真淵に出会い、それをきっかけにして神話世界の研究へと急転回する直前に作られた、「もののあはれ」こそが源氏物語の主題であると宣言した作品、というもので

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