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ブンゲイファイトクラブのオープンマイクに出そうと思ったんですが、文字数オーバーしてしまっ…
電話がかかってきた。知らない番号からだった。男は電話が嫌いだったので、じっと携帯を見つめ…
男は小説を出版した。自著にサインを入れ、付き合っていた女に贈った。二人の禁じられた関係の…
男の目の前に、どこからともなくある若者が現れた。若者は自分は百年先の未来から来たのであり…
死体が見つかったと連絡があった。急いで現場に駆けつけると、思った通り妻だった。警察による…
放課後、校舎の屋上でクラスメイトたちとふざけあっていたときのことだった。男がノリでTの背…
川底に何か黒ずんだ大きな塊が沈んでいた。男は五人の友人たちと協力してそれを水から引き揚げた。ゼリーのようにぶよぶよした卵形の物体で、ほんのりと異臭を放ち、触ると手についた。 地べたで観察しても、何か黒ずんだ大きな塊としか分からなかった。もう一度川に投げ捨てるのも煩わしく、その場に放置して帰った。 翌日、同じ場所に行ってみると、その物体は潰れてぺしゃんこになっていた。トラックか何かに轢かれたようだった。強烈な日射しを浴びて海苔のようになって干からびていた。 それ以来、引き
男は仕事帰りに少し遠回りをして電線に引っかかったビニール袋を見に行った。何週間も前の風の…
草むらに人間の鼻が落ちていた。 拾い上げようとして膝を折り曲げた次の瞬間、男はその鼻の穴…
男は道路を横断している途中で忘れ物を思い出し、家に引き返そうとしたところ、いや、忘れずに…
男は家の中でうるさく駆け回る子供たちを捕まえて殴りつけると、両手両足を縛りつけて口をガム…
ある朝、男が部屋から一歩外に出ると戦争がはじまっていた。 一人の若者が駆け寄ってきて、飛…
男はのぼりのエスカレーターに乗った。丘の上の展望台へ出る、所要時間二分の長いエスカレータ…
ある朝、男は目を覚ますと朝食に湿気たせんべいを食べた。熱い緑茶をすすり、口の中を火傷した。口蓋から垂れさがった薄皮を舌先で弄りながら身支度を整えていると、もう出かける必要はないのだということに思い至った。昨日、仕事をクビになったのだ。 男は都内のあるフクロウカフェにフクロウの珍種として勤めていたが、着ぐるみをかぶって隅でじっとしている男に客たちは近寄ろうともしなかった。表向きには他のフクロウたちと打ち解けないことが解雇の理由とされた。 男はフクロウの着ぐるみを着たまましば