十佐間つくお

小説、脚本、戯曲、自由律俳句など。作品はプロフィールから。二次障害まみれのASD当事者(一人娘もASD)。エッセイは発達障害や世帯年収150万一家の生活などについて。最近はブラジル音楽とチェスが好き。

十佐間つくお

小説、脚本、戯曲、自由律俳句など。作品はプロフィールから。二次障害まみれのASD当事者(一人娘もASD)。エッセイは発達障害や世帯年収150万一家の生活などについて。最近はブラジル音楽とチェスが好き。

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    • a man with NO mission(掌編集)

      冷笑と不適合、妄執と未遂の小さな物語集。一話完結、木曜更新。不条理/皮肉/諧謔/奇想/黒い笑い/SF(少し不思議)など。イラストはすてられちゃったいぬさん。

    • 自由律俳句集「これからいいところ」

      毎週四本ずつアップしている自由律俳句をまとめています。

    • その他短編

      短いお話が入ってます。

    • バラライカ 三重苦の家族

      世帯年収150万円、発達障害、都営住宅住まいの三重苦を生き抜くつくお一家について、書いたりつぶやいたりしていきます。

    • 戯曲と脚本

      収録作品 ▼戯曲 一幕コメディ「金欠ボーイズ 笑いごとじゃない」 一幕コメディ「黒岩家のしあわせ家族計画」 長編コメディ「チェンジ・パートナーズ」 ▼脚本 長編「明日はnever knows」 長編「盗っ人たち」 中編「夜の惑星」 ▼漫才台本 「コロナとストーカー」 表紙イラスト・中田仙次郎

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    掌編集「a man with NO mission」一挙掲載版

    冷笑と不適合、妄執と未遂の小さな物語集『a man with NO mission』をまとめたページです。100編目指して更新中。 *ヘッダー画像はすてられちゃったいぬさん 1 犬を介した出会いについて(179字)ある男が公園で犬を連れた女と知り合った。男は彼女を気に入り、彼女の犬のことも同じように気に入った。二人は連絡先を交換し、週末になると連れ立って犬の散歩をするようになった。 二人が恋仲になるのに時間はかからなかった。あるとき、男が犬を撫でながら「人が死ぬより犬が死

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      • 82 遅延

         男は職場へ向かう電車に乗っていた。乗り換え駅で急行を待っていると、事故のため電車が遅れるというアナウンスがあった。復旧の目処は立ってないという。  ホームで待っていると、駅のすぐ脇に突如として高層ビルが現れた。いつもは空が見える空間に、建設中のところを見た気もしないうちに建っていたのだ。  男は不思議な気持ちでビルを見上げた。ふと、ホームの中ほどの改札がそのビルに直接つながっているという案内がいつの間にか出ていることに気がついた。男は吸い込まれるようにビルに入っていった。

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        • 【弾き語り】fico assim sem você

          アドリア―ナ・カルカニョットというsswが歌っているので知りましたが、オリジナルは別の人で、歌詞内にも出てくるクラウジーニョとボシェシャという人たちのユニットらしい。 この曲は珍しく歌詞を先に調べたんですが、「○○のない△△、○○のない△△、君なしのぼくはそんな風さ」みたいな、ありがちといえばそうかもしれませんが、親しみやすいメロディーに乗せられるとこれがなんとも切なくてよいです。 馴染みのあるアドリア―ナ・カルカニョットのpvを貼っときます。アニメーション仕立てで見やす

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          • 81 二番煎じ

             とある怖いことがあった次の日、男は件の駅に降り立った。  怖いことの真似をしようと思ったわけではなかったが、どういう巡り合わせか、その出来事に使われたのと同じ物を鞄の中に持っていた。刃渡り17センチのサバイバルナイフが二本。  同じことをやるよう期待されているのだと思った。辺りを見回すと、人々は一様に怖いことをされたがっているようだった。唐突に、誰もが一度くらいは心底からの恐怖を体験したがっているのだとひらめいた。男は鞄から刃物を取り出すと、ニュースで何度も見て覚えた恐ろし

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            2022年3~8月の12句

            お前が買ってきたパンを凝視 逮捕されたの知ってる人か ドナルドのせいで座れない 逃げ惑う群集を撮るベストポジションに立つ よく分からない話に笑う つぶれた虫のコレクションを見せる 裸でポーズをとっている裸婦か 燃え盛るバスから降りる人々、乗る人々 ド迫力と聞いていたのにどこにあるか分からない クラゲをじっと見る女に擦り寄る 献血で痛いとは言えない 動線のことばかり考えている

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            【弾き語り】Dia em Salvador

            ブラジル音楽にはまって以来、ギターの弾き語り動画をあげているブラジル人音楽家の方々を何名か定期的に見てるんですが、その中でも個人的にもっとも気に入っているRodrigo Viannaさんによるオリジナル曲。 タイトルは「サルヴァドールの一日」という意味。短いながら、タイトル通りにサルヴァドールの一日の光景が浮かび上がるような爽やかな佳曲。 サルヴァドールはブラジル北東部にあるバイーア州の州都で、大西洋に面した港湾都市。人口も多いようです。サンバ発祥の地ともされるサルヴァド

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            猫曾木団地と狐憑きのナミダ

            第5回阿波しらさぎ文学賞の落選作です。それにしては長いと思われる方もいるかもしれませんが、規定枚数のところで切って応募しました(長編では聞くけど短編では聞きませんね……)。じゃあこれが完成形なのかと言ったらそうでもなくて、長編の冒頭にしかなってません。しかもこの先の展開は何も考えてないという。そんなわけでタイトルも(仮)もいいところ。同賞にいつか長編部門ができたら完成させて応募したいです。続きが読みたいという方がいたら励ましのコメントでもください。書くというお約束はできません

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            【短編】レイクサイドキャンプの奇蹟

            アンソロジー「BALM」に書いた短編です。  湖畔のキャンプ場に来た男はあまり人気のない奥まったところに一人用のテントを張った。手際の悪さから初心者だとわかった。同じ場所に四人の男たちが次々にやって来て、最初の男から適度に離れたところにそれぞれ一人用のテントを張った。すんなり設営できた者は一人としていなかった。  はじめのうち、五人は互いに牽制し合うような雰囲気があった。その中の一人である太った男が折りたたみ椅子から二度も三度も転げ落ちるとささやかな笑いが起きた。それをきっ

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            【短編】恥

            アンソロジー「BALM」に書いた短編です。  崇文は夕依との待ち合わせ場所に向かう途中でふいに足を止めた。自分のしようとしていることが急にバカらしく思えてきて、呆然と辺りを見回した。こんなことをしてもうまくいくわけがないと今更気がついた。この街を離れて一体どこへ行くのか。二人きりで何を話せばいいのか。有り余る時間で何をすればいいのか。毎食どこで何を食べたらいいのか。何もわからなかった。崇文は黙ってその場から去った。  夕依とはそれきり会うことも連絡を取ることもなかったが、崇

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            【弾き語り】total abandono

            ブラジルの大御所SSW、ジャヴァンの曲。ライブ映像などだと見た目が若々しいですが、47年生まれなのでもう結構なお年ですね。日本だと細野晴臣とか小田和正なんかと同い年。 この曲をカバーしてる人はあまりいないようですが、ジャヴァンの中ではあまりメジャーではないのかどうか、よく知りません。タイトルは英語ぽいですが、total もポルトガル語で、完全放棄みたいな意味のようです。 どうも、Deep Purpleに「total abandon(←こちらは英語なので最後にoがつかない)

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            【小説】ホーボーズ・ブルース3

            1 2  午後から雨だった。  おれは早いうちにスタジオに戻り、久保木にまた無理を言ってD室にこもった。  駅前にひと稼ぎしに出かける気力もなく、だらだらと作りかけの曲をいじる。コードを鳴らしては鼻歌でメロディーを歌い、そして同じ場所で止まる。何度やっても同じだ。もう二か月も三か月も同じ場所で行き詰ったまま、先の展開が思い浮かばないのだ。近頃では、このまま二度と曲が作れなくなるのではないかという気さえしはじめていた。  ――気持ちが変わったの。大人になって。  スタジオ内に

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            【小説】ホーボーズ・ブルース2

            1 「よし、しばらくここに居させてくれ」  おれは最も使用頻度が低いという個人練向けのD室のドア口で言った。余ったスペースを無理やり防音仕立てにしたような印象だが、ちょっと狭いくらいで文句は言えない。  室内には古い型のギターアンプが一つと、ガムテープがべたべた貼りつけられたドラムセットがあった。壁際に鍵盤が二つ三つ欠けたアップライトのピアノもあったが、それは貸し出し用というより他に置き場がなくて押し込んであるようにも見える。 「ちょ、え? なんスかそれ」  久保木は眠そう

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            【小説】ホーボーズ・ブルース1

            アンソロジー「猫が人のふりして作曲家している」に寄稿した短編を3回に分けて掲載します。本のタイトル=テーマ。かなり昔のことのように感じますが2019年作。自分なりに広く受け入れてもらえるようにとがんばって書いたものですがどうでしょうか。アンソロジーは現在もBOOTHで発売中。25枚の短編が10本収録されてます。  そういうことをしそうな女だと思っていた。  一日外で時間をつぶして帰ってきたら、鍵が替えられていたのだ。少し酔ってはいたが事態は理解できた。おれを追い払うつもりだ

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            【短編】ナイスワーク

             外回りから戻るとデスクに個包装のお菓子が置かれていた。土産物のようだったが、誰がくれたのか見当がつかなかった。ホワイトチョコを挟んだクッキー生地のイメージ写真の誘惑に負け、鞄を足元に投げ出して勢いよく開封、かじりついた。サクッとした食感のあと、ホワイトチョコのまろやかな甘味が広がる──。と思った直後、口の中に妙な味が広がるような、喉の奥が詰まるような苦しさを感じた。  次に気づいたときには、奇妙な虚脱感とともにその場に立っていた。視界が妙にぼやけて狭まり、お菓子はいつの間に

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            【弾き語り】Saudade da Bahia/バイーアの郷愁

             ↑ ↑ 登録者数100万人を目指している私のyoutubeチャンネルも、いよいよ40人に迫ってきました! さて。 ドリヴァル・カイミ(1914-2008)の名曲です。 ドリヴァル・カイミ、名前はよく目にする気がするんですが、他にどの曲を作ったかあまり分かってなくて、調べてみると「das rosas」とかそうなんですね。 これはバーデン・パウエルの名演が忘れられない曲で、コピーしたことありました。全弦一音下げとかでやるんだっけ。忘れてしまった。 どちらも素朴で郷愁を

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            アップしたやつがTLに出てないと思ったら、先週下書きで書いたときにうっかり一瞬公開しちゃったからか。そっちの日付でアップされてた模様。ので上げ直し。

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