Tory

2011年に広島県豊田郡大崎上島町にUターン。教育を核とした町づくりにコミットして10…

Tory

2011年に広島県豊田郡大崎上島町にUターン。教育を核とした町づくりにコミットして10年。教育現場と地域を有機的に繋ぐことで双方の課題を同時に解決する可能性を模索中。高校と地域協働の専門家。「高校」×「地域」の考察と、「教育の島」を目指す大崎上島町における活動を発信します。

最近の記事

コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議 -中間まとめ- のまとめ

4ヶ月ぶりの更新です。少しずつペースを戻します。まずは、令和3年8月に文科省から、「コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議 -中間まとめ-」[注1]が発表されたのでそれを整理します。整理するもなにも、資料の最後のページに概要版があるのでそちらを参照いただけたらと思います。 尚、これまでのコミュニティ・スクールに関する記事は次のとおりです。 「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その2 「コミュニティ・スクール」とい

    • 「学校」と「地域」を繋ぐ人材 -その1 地域学校協働活動推進員

       学校と地域の連携・協働が全国各地で推進されるなか、「コーディネーター」が注目されています。地域コーディネーター、高校魅力化コーディネーター、キャリア教育コーディネーター、社会教育士、地域学校協働活動推進員など、呼び方だけでも多数存在します。それぞれ、どのような特徴を持つのか一つずつ解説します。  本稿では、法的に整備された「地域学校協働活動推進員」について扱います。ますます求められる学校と地域の連携・協働を推進するため、平成29年3月に社会教育法が改正され、「地域学校協働

      • 高校魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 -その4 魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察

        国や県の資料をもとに、コンソーシアムとコミュニティ・スクールについて考察しています。今回は、4回連続シリーズのその4、最終回です。 これまで、コミュニティ・スクールについて検討しました。 「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その1 「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」へ- 「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その2 「コミュニティ・スクール」という手段 「高

        • 高校魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 -その3 島根県の進めるコンソーシアムとは

          国や県の資料をもとに、コンソーシアムとコミュニティ・スクールについて考察しています。今回は、4回連続シリーズのその3です。 その1 文科省の進めるコンソーシアムとは その2 「高校と地域をつなぐ人材のあり方に関する研究会」の検討 その3 島根県の進めるコンソーシアムとは その4 魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 島根県では、本年度(2021)中に、すべての高校においてコンソーシアムを設置する予定[注1]にしています。本稿では、島根県が進める「高校魅力化

        コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議 -中間まとめ- のまとめ

        • 「学校」と「地域」を繋ぐ人材 -その1 地域学校協働活動推進員

        • 高校魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 -その4 魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察

        • 高校魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 -その3 島根県の進めるコンソーシアムとは

          高校魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 -その2 「高校と地域をつなぐ人材のあり方に関する研究会」の検討

          国や県の資料をもとに、コンソーシアムとコミュニティ・スクールについて考察しています。今回は、4回連続シリーズのその2です。 その1 文科省の進めるコンソーシアムとは その2 「高校と地域をつなぐ人材のあり方に関する研究会」の検討 その3 島根県の進めるコンソーシアムとは その4 魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 本稿では「高校と地域をつなぐ人材の在り方に関する研究会」報告書[注1]を参考にして、この研究会によって示された「高校と地域をつなぐ人材(コーデ

          高校魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 -その2 「高校と地域をつなぐ人材のあり方に関する研究会」の検討

          高校魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 -その1 文科省の進めるコンソーシアムとは

          国や県の資料をもとに、コンソーシアムとコミュニティ・スクールについて考察します。4連続シリーズの今回はその1です。 その1 文科省の進めるコンソーシアムとは その2 「高校と地域をつなぐ人材のあり方に関する研究会」の検討 その3 島根県の進めるコンソーシアムとは その4 魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 新学習指導要領に「社会に開かれた教育課程」が明記されて、学校が地域社会と連携・協働して育てたい生徒像を共有し、社会総掛かりで取り組むことが求められてい

          高校魅力化コンソーシアムとコミュニティ・スクールの一考察 -その1 文科省の進めるコンソーシアムとは

          「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その4 「コミュニティ・スクール」の課題と展望

          『「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関』と題して、4回目の連載です。 前回note:「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その3 「コミュニティ・スクール」という手段 ◆コミュニティ・スクールについて ①コミュニティ・スクールとは ②コミュニティ・スクールの成り立ち ③コミュニティ・スクールの課題と展望 今回は、③コミュニティ・スクールの課題と展望ということで、実際のところCS

          「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その4 「コミュニティ・スクール」の課題と展望

          「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その3 「コミュニティ・スクール」という手段

          前々回から「高校魅力化プロジェクト」を「社会に開かれた教育課程」という新学習指導要領の観点から考察しています。(読者は高校魅力化PJをなんとなくでも知っていることを前提としています。高校魅力化PJについては後日詳述予定。) 前回note:「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その2 「コミュニティ・スクール」という手段 今回は、3回に分けて制度として存在するコミュニティ・スクールについて整理をする第2回目です。 ◆コミュニ

          「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その3 「コミュニティ・スクール」という手段

          「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その2 「コミュニティ・スクール」という手段

          前回から「高校魅力化プロジェクト」を「社会に開かれた教育課程」という新学習指導要領の観点から考察しています。(読者は高校魅力化PJをなんとなくでも知っていることを前提としています。高校魅力化PJについては後日詳述予定。) 前回note:「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その1 「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」へ-  今回は、制度として存在するコミュニティ・スクールについて3回に分けて整理します。 ◆コミ

          「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その2 「コミュニティ・スクール」という手段

          「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その1 「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」へ-

          前回は、高校魅力化プロジェクトに欠けている視点ということで、卒業後のUターン含めた関係人口増への施策の必要性に言及しました。 前回note:高校魅力化プロジェクトに欠けている視点 -社会動態に関する意識調査(広島県)を手がかりにして- 今回からは、「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」について、少しずつ深めていきます。 本稿の結論は、 「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関を考えるうえで

          「高校魅力化プロジェクト」と新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」の連関 -その1 「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」へ-

          高校魅力化プロジェクトに欠けている視点 -社会動態に関する意識調査(広島県)を手がかりにして-

          前回は、大崎海星高校の卒業生の動態について少し考察をしました。今回は、広島県が平成27年7月に公開した「若者の社会動態に関する意識調査」調査結果報告書(速報)[注1]に注目して、広島県全体の高校生と広島県出身で県外在住者の動態や意識を確認しながら、可能な限り大崎海星高校との比較・考察をします。考察をしたところ、タイトルの通り、高校魅力化プロジェクトに欠けている視点が明らかになりました。 本稿の結論は次の通りです。 「高校魅力化プロジェクト」が地域の担い手育成を1つの目標に

          高校魅力化プロジェクトに欠けている視点 -社会動態に関する意識調査(広島県)を手がかりにして-

          広島県立大崎海星高等学校における「高校」と「地域」の関係性についての一考察

          高校と地域の関係性について、論文や資料、データを見ながら明らかにしています。前回は、地方高校の卒業生と当該地域との卒業後の関わりについて考察しました。 前回note:『学歴社会のローカル・トラック -地方からの大学進学』(吉川徹)の考察 今回は、大崎海星高校の卒業生について可能な範囲で考察します。次の報告書を参考にしました。 広島県大崎上島調査の報告 平成27年度(2015年度)広島大学総合科学部専門教育科目『社会調査演習I ・II」成果報告書[注1] 2016年3月

          広島県立大崎海星高等学校における「高校」と「地域」の関係性についての一考察

          『学歴社会のローカル・トラック -地方からの大学進学』(吉川徹)の考察

          前回は、広島県の「広島県中山間地域振興計画」における「学校」と「地域」の接近について考察しました。 前回note:「広島県中山間地域振興計画」から見る「学校」と「地域」の接近における一考察 今回は、以前のnoteでも扱った論文等で引用されている『学歴社会のローカル・トラック -地方からの大学進学-』[注1]に注目しました。これまでのnoteで何度も触れましたが、「地域」側が「学校」側に対して、体験活動の提供や地域住民との交流等を通じて、これまで以上に、郷土愛の醸成や地域人

          『学歴社会のローカル・トラック -地方からの大学進学』(吉川徹)の考察

          「広島県中山間地域振興計画」から見る「学校」と「地域」の接近における一考察

          直近2回は、「人口減少社会における学校制度の設計と教育形態の開発のための総合的研究」の考察をしました。これによって、「学校」と「地域」の関係性はこれまでより接近しており、「地域」側からも「学校」に近づいていることが明らかとなりました。では、広島県の場合は、どのような状況なのでしょうか。 偶然にも、令和3年の1月に「第2期広島県中山間地域振興計画」[注1]が策定されていたので、そちらを紐解いていきます。前半は基本情報の整理、後半は学校と地域の接近に関わる部分を整理します。

          「広島県中山間地域振興計画」から見る「学校」と「地域」の接近における一考察

          「人口減少社会における学校制度の設計と教育形態の開発のための総合的研究」の考察 その2

          学校の制度設計に注目して、「学校」と「地域」の関係性を考える第2弾です。参考としたのは次の報告書です。 国立教育政策研究所『人口減少社会における学校制度の設計と教育形態の開発のための総合的研究 最終報告書』2014[注1] 第17章 人口減少下における農山村地域の変容と地域社会の存続要件-教育環境に着目して- 本稿は、「人口減少が進む農山村地域の定住人口の維持と教育環境との関係性を探ることを目的」としており、「既往研究成果を再整理するとともに、農業集落別のデータ等を活用し

          「人口減少社会における学校制度の設計と教育形態の開発のための総合的研究」の考察 その2

          「人口減少社会における学校制度の設計と教育形態の開発のための総合的研究」の考察 その1

          今回から3週は、視座を1段高めて学校の制度設計に注目して、「学校」と「地域」の関係性を考えます。参考としたのは次の報告書です。  国立教育政策研究所『人口減少社会における学校制度の設計と教育形態の開発のための総合的研究 最終報告書』2014[注1] 本稿は、289ページという膨大な量なので、「高校魅力化」を語るうえでの「学校」と「地域」に関連する部分のみ抜き出して考察します。 表紙をめくると、冒頭からセンセーショナルな事実を突きつけます。言われてみれば当たり前ですが、社

          「人口減少社会における学校制度の設計と教育形態の開発のための総合的研究」の考察 その1