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視点8:チームのリーダー、メンバーは優秀か?

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「成功する事業戦略計画の7+1の視点コース第9回」

■人材が事業の成否のカギを握る


事業戦略計画がある一定のレベルに達しているなら、事業戦略計画の評価は最終的にその事業戦略計画の実行をリードする″人″、つまり経営チームの評価になる。では、投資家や融資する側などステークホルダーは、経営チームのどんなところを評価するのだろうか。

まずは、経営トップをはじめ、経営チームのメンバーの過去の実績が問われる。チームのメンバーは過去どのような成果や実績を生み出してきたのか。そして、その成果は、提案する事業とどの程度関係があるのか、提案する事業に役立つ成果なのかが評価される(図表)。


最も重要な評価対象は、経営トップのリーダーシップである。リーダーシツプの起点は、経営理念、使命感といった普遍的で中核となる信念である。理念、使命感を実現するためのリーダーシップとは、


①ビジネスの成果や結果に対する強い責任感

②戦略やビジョン・目標を自分の頭で考えトップダウンできること

③社員をはじめとしたステークホルダーに対してその戦略目標やビジョンを伝える能力があること

④現場とのコミュニケーションにより、戦略実践のためのアイデアを引き出し、戦略に参画させる能力力あることなどである。


20200725事業戦略大学図表第9回


また、事業経営活動を通じ、将来の経営人材を育成することも経営トップのリーダーシツプの中に含まれる。経営のガバナンス(統治の形態)も経営チームの評価の対象となる。経営者に対する牽制はどのように行われるのか、それぞれの経営トップにはどこまでの権限があるのか、といったことが経営のガバナンスである。そのほか、事業や組織構造において必要な専門知識と判断力を持った経営チームメンバーがいるかどうか、必要な外部とのネットワークを持っているかなども評価の対象となる。


創業して間もない時期に企業に資金を投資するベンチャーキャピタルは、事業計画書の詳細よりも、まず経営トップや経営チームを観ることが少なくない。創業して間もないベンチャービジネスは不確実性が高い。従って事業戦略計画も重要ではあるが、事業がある一定の段階まで生き残れるかどうかは、経営チーム、つまり人に依存するところが大きいのである。



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