冬の吐息、春のあらし. 3
冬は時々歌う。低く、ほとんどうなりのような冬の歌は、風が渡るのと同じように、あたりに朗々と響き渡る。わたしはそのうなりの中で、いつかに見つけたヤシャブシの果穂を振る。空に鉄琴を描きながら、冬の声に合わせて、果穂のついた枝をバチにして、わたしだけの鉄琴を鳴らすのだ。わたしの鉄琴は、よく音が響く。音の密度が濃く、空気に穴を穿つように透んだわたしの音。ローンローンというその音が、冬の歌声に追いついて、木々を、風を、鳴らすように渡り抜けるのを、わたしは息を凝らし、その響きの最後まで