8月24日 電子書籍のプロモーションに次から次へと失敗していく話。
みなさん、こんにちわ。
とらつぐみです。
先月まで、私は「とりあえずAmazon書籍の点数を増やしてみよう」という作戦を立てて、半年間で合計6冊の本を執筆・出版してきた。
ところが、出してみたけれどもことごとく売れない。7月末までの売り上げは、本1冊のつき売り上げ1部。1冊ごとのロイヤリティは200円とか300円だから、1000円くらいしか儲けることができなかった。
Kindle書籍を制作する前に貯めていた貯金は底を尽き、書籍制作にかかった経費すら取り戻せない……さて、これからどうするか……という状態に陥ってしまった。
これからどうする?
諦めて撤退か。それとも別の何かをする?
私は「別の何かをする」を選択した。どうせ次の本を作ったところで、売り上げは相変わらず1冊前後。だったら今の段階で立ち止まって、本の売り上げをアップさせるプロモーションに集中しよう……と思い立つ。
ネットで調べると、意外にもそういうプロモーションを請け負っている人達がいることがわかった。そういう人達にお願いをして、プロモーションをやってもらうのはどうだろうか。
一度でも売れる道筋を作ることができれば、諦めて撤退もしなくてもいいし、次の本を作るための予算を確保できる。
これまで6冊の本を出したけれども、手抜きで出した本なんざ1冊もない。どの本も20万字30万字の濃いものしか出していない。読めば良さがわかってもらえるはず。
というわけで、私は残ったなけなしのお金を使い、本のプロモーションに挑戦してみることにした。
Twitterのフォロワーをとりあえず増やしてみる
まず手始めに、Twitterのフォロワーを増やすことを考えた。
これまで、Twitterのフォロワーがやたらと少ないから、宣伝しても効果を発揮させることができなかったのではないか。7月までの私のTwitterフォロワーはわずか170人。「本が出ました!」とTwitterで発表しても、届くのはその170人というごく少ない範囲のみ。しかも、その中の誰一人、リツイートも、♥も付けてくれない。170人のフォロワーからその先に広がることがまずない。当然、その中の誰も買ってくれない。その以前に興味も持ってもらえない。
これじゃ埒があかない。
ココナラを見ると、「Twitterのフォロワーを増やします!」というサービスが結構出てくる。よし、このうちの一つにお願いをしてみよう。
というわけでいきなり3万円を払って、フォロワーを増やしてみた!
…………。
……えー、どうやって増やしたのか、という話はいたしません。さすがに営業妨害になるので。
増やしてみてわかったことがあるのですが……。
うーん、これは……。確かに増えたは増えたけれども……。増えたというか、「釣れた」という感じで……。いや、営業妨害になるから詳細は話さないけど。
わずか数日で5000人のフォロワーが一気に増えた。ものすごい勢いで増えた。
しかし……フォロワー増加キャンペーンが終わった直後、がーっと減り始めた。キャンペーン終了直後には5200人までフォロワーが増えていたのが、8月24日現在確認すると4724人まで減っている。一気に500人減。Twitterを確認するたびに減っている。この減少数からすると、数ヶ月後にはもとのフォロワー数170人に戻るんじゃないか……という懸念がすでに起きている。
フォロワーが増えた段階で過去に私が描いたイラストや撮影した写真をTwitter上に公開したけれど、誰一人リツイートもしなければ、♥も押さない。詳しく見ると、イラストの詳細を見た人はたったの15人。フォロワー増やす前とインプレッション数がたいして変わってなかった。
5000人のフォロワーが増えたけれども、誰一人私の描いたものに興味も関心も示さなかった。本の宣伝をしても、クリック数はことごとく0。
完全に「中身のないフォロワー」が5000人増えただけだった。中身のないフォロワーだからか、この5000人に向かってプロモーションをやってもまったく動かない。完全なる失敗だった。
というか「Twitter増やしますサービス」の中身がそういうものだと、初めて知った。
本そのもののテコ入れをやってみる
ココナラには、売れなかった本の再プロデュースを請け負ってくれるという人達がいる。そういう人達にお願いをしてみよう。
Twitterのフォロワーを増やしても、たいして本の売り上げに貢献できなかったから、じゃあ本そのもののテコ入れをやってみよう。
とうわけで、およそ2万円を支払い、テコ入れをお願いをしてみる。
テコ入れ依頼を出した本は『天子姉妹の祝祭』。テコ入れ依頼する以前の売り上げ部数は1部のみ、ページレビュー数0の作品だ。
プロモーターのアドバイス通りに本の表紙を変更、それ以外の情報を全部入力し直す。
左が新表紙で、右が旧表紙。 違いはフォントの大きさ。Kindleユーサーのほとんどがスマートフォンで見ているので、そのスマートフォンで読めないフォントサイズに意味がないんだそうだ。
さあ、これでどうだ!
売れるか!!
……数日待ってみたけれども、1冊も売れず。
キンドル無料キャンペーンに挑戦してみる
『天子姉妹の祝祭』テコ入れ大失敗。1冊も売り上げが動くことはなかった。
しかし止まっている場合ではない。次の作戦だ! AmazonKindleには「無料キャンペーン」なるものがある。聞くところによると、無料キャンペーンを実施すると、Kindleランキングに載り、注目度が上がり、売れるようになるらしいぞ。本当かどうかわからないが、とにかくやってみよう!
無料キャンペーンを実施してみると……お! 無料配布ランキング10位に載った! これはいいんじゃないか。売れる切っ掛けを掴めるんじゃないか……。
しかし……
無料キャンペーン中に配布できたのはわずか25冊。
その後、1冊も売れなければ、1ページも読まれることもなかった……。
無料キャンペーンが終わったら当然、無料ランキングから姿を消すわけだし、元のランキングに戻ったら1万5000位。ランキングに表示されるのは100位までだから、ランク外もランク外。
ということは……
単に無料で何冊か配りましたよ、というボランティアをやっただけだった。
あれ? 無料キャンペーンって意味あった? 無料キャンペーンで売れるようになる? そんなバカな。ただの配り損をしただけだぞ。
というわけで、
無料キャンペーンをやったら売れるようになる伝説は、伝説でしかなかった。
ところで、実はこっそりもう一冊、無料で公開していた。
『ProjectMOE2』
こちらは一切宣伝せず、無料キャンペーンの実施のみでどれだけ売れるのか……という実験をやってみた。
noteでは告知があった?
うん、noteでは一度告知を出した。でも知ってるよ、noteユーザーは私の出した本には興味がないんでしょ。noteには私のこれまで出した書籍の広告記事を筆頭に載せているけど、あそこから売れたことって本当に1冊もないんだ。ちゃんとチェックしているから間違いない。noteに宣伝効果はないことは私はよく知っている。『天子姉妹の祝祭』無料キャンペーンも告知したけど、noteからAmazonページに行った人は、たぶん一人もいない。noteで確かに告知したけれども、広告効果がないことは知っている。だから、実質「広告してない」と一緒。
まあ、実質「一切宣伝せず」でこっそりやってみたらどうなるか、を見てみると……
なんとイラスト集カテゴリランキング1位!
……種明かしをしましょう。
私の本しか出てなかったんですよね。
『ProjectMOE2』には後半に「ミニイラスト集」がオマケに付いているから、「イラスト集」のカテゴリで出していたんだよね。
で、イラスト集カテゴリで無料で出しているのは私だけだった。配布数が多かろうが、少なかろうが、どっちにしろ1位だった。
実際の配布数は10。
その後の売り上げは0。既読ページ数は、1人が1回分の読書量ほど読まれた。
つまり、無料配布で興味を持って本編を読んだのは1人。無料配布をするほどの効果があったかどうかは、疑わしい。
再び本のテコ入れに挑戦してみる
ココナラには、同じように売れなかった本の際プロデュースを請け負っている人がたくさんいる。同様サービスの別の人に、プロモーションをお願いしてみよう。
内容は、前の人とほぼ同じ内容で、同じように表紙変更、あらすじや検索キーワードを入れ直す、ということをやってみる。
左が新表紙で、右が旧表紙。
画像を見てわかるように、次にお願いしたのは『生き残るために遊べ!』という本。『天子姉妹の祝祭』はすでにテコ入れを完了した後で、またすぐに変えるのはどうかという気がしたから、別の本でお願いしてみることにした。『生き残るために遊べ!』も1冊しか売れてない本で、こちらにもテコ入れが必要だった。
前回の本と同じく、Kindleユーザーは基本的にスマートフォンで見ているので、細かく文字を配列していても読み取ることができないので意味がない。本編内容を広告っぽく箇条書きして目を惹こうという作戦だ。
表紙に『もののけ姫』のタイトルが挙がっているのに驚くが、これも作戦。有名映画のタイトルを表紙に載せて、気を惹くためだ。
その結果……
1冊売れて、既読ページ数が741まで増えた(8月24日時点)。
『天子姉妹の祝祭』はテコ入れ後も1冊も売れず、1ページも読まれなかった……という結果だから、多少は効果が出た、ということになる。
『生き残るために遊べ!』は今後どうなるかわからない。もしかしたら売れる流れが生まれるかも知れないし、勢いが出ず、ここで終了かも知れない。私としては『生き残るために遊べ!』から、別の本も売れる切っ掛けが掴めれば……という気はするが……。
現在の所、まだ様子を見守ることしかできない。
Twitterプロモーションに挑戦する!
どうにかして『天子姉妹の祝祭』を売りたい!
そこで目を付けたのは、Twitterプロモーション。特定のツイートを、150リツイートさせます……というサービスにお金を払う。6000円のサービスだ。
実施した結果、数日のうちに195リツイート、7575インプレッションという数字を叩き出す。凄い数字だ!
しかし……
画像を載せよう。
リンクのクリック数:5
おわかりいただけだろうか。実際のKindleのページを覗いてみた人はたったの5人だった。
ではこのTwitterプロモーションによって何冊くらいが売れたのか?
そう、1冊しか売れなかった。
6000円かけてプロモーションをやって、儲けたのは350円だった。
どういうことだろうか?
リツイートした人達のプロフィールを一つ一つ確認してみたのだけど、どれもアフィリエイトや何かしらの副業、あるいは商材を売っているTwitterだった。一般の、Kindle書籍に興味のありそうなユーザーはその中にほとんどいなかった。
フォロワー増加キャンペーンと同じで、その商品に特に興味がない、お客さんにならない人々へ向けて、意味もなくリツイート数だけを増やしました……というだけのものだった。
これだけお金を使ってプロモーションをやったけれども、売れたのはたったの1冊。こりゃ、何をやってもどうあがいても売れないわ。
あと、「Twitterプロモーション」関連のサービスはどれもダメだわ。中身がない。
『天子姉妹の祝祭』を売ることは諦めよう。
結果発表と、これから……
では8月24日までのプロモーションで使ったお金を計算してみよう。
6万8000円
これに対して得た収益は、
1838円
……大損である。
これからどうしようか?
色んな所にお金を出して、1ヶ月プロモーションを頑張ってみたけれども、この期間に売れたのはわずかに2冊。ページレビュー数から判断して、読んだ人は数人。こりゃダメだ。何をどう頑張っても売れないわ。
じゃあこれからどうするか?
Kindleで本を出したところで売れない。次の本がいきなり滅茶苦茶に売れる……なんて可能性は絶対にない。ここまでやって売れなかったものが、いきなり売れるわけがない。次の本を出したところで、絶対に売れない。売れるわけがない。
次の小説の構想はあったのだけど、こうも売れなかったら、書く意味がない。意味がないというか、書くのに経費は当然かかるわけで、その経費すら稼げないのなら書くことができない。
希望はあった。
というか、お金を出すたびに「売れてくれ!!」と天に願っていた。プロモーションのプロに数万円払ったわけだから、当然、見返りとしての収入が来るんだと思っていた。本が売れてくれたら、プロモーションでかけたお金は返ってくるはずだし、次に繋げることができる。私は次の本を書くことができるし、その向こうにある「本当にやりたいこと」を始めるチャンスを作れる。
(それに、プロモーションでかけたお金なんてたったの6万円だ。よくよく考えると、大した額ではない。1冊の本が普通に売れてくれたら、一瞬で回収可能なはずのお金だ)
もちろん、本の売り上げに全てを賭けていたわけではない。そこまで滅茶苦茶に儲かるとは思っていなかったが、しかし数万円の儲けは出るだろう……くらいには考えていて、もしそれだけの儲けが出たらさらに次、その次はこれ、とステップアップを考えていた。それで最終的には「本当にやりたいこと」のチャンスが掴めるんじゃないか……と考えていた。
ところが、実際には最初のステップすら上がれなかった。6万円支払って、得た成果が2冊。売り上げからロイヤリティを計算すると600円くらい。計画はまったく動かなかった。無駄にお金を浪費しただけ。まったくの無駄だった。
前から何度もブログで書いてきているけど、私には「本当にやりたいこと」がある。それにはお金も人材も必要だ。人材はお金で得られる。だから私が真っ先に手に入れるべきはお金だ。その道筋を作るための、「Kindle書籍を増やしていよう計画」だった。
それは完全なる失敗で終わった。
もうお金もない。
やれることは全部やった。全部やったけれども、結果は出なかった。どうやったら売れるのか、わからない。
これからどうしようか……。
本当に困った。
どうしていいかわからない。
実は…… 小説『???』の場合
前にも書いたが、実は私は別名義で裏アカウントを作り、『とても卑猥な本』も書いている。
今回、そちらの方のテコ入れも同時にやることにした。元々の小説『???』はページ数が480ページもあるのだから、各章ごとに分割し(分割しても各章2万~3万文字ある)、それぞれを低価格販売。別の本のテコ入れの時に得た知見を反映したうえで、1章ごとに順番に無料配布キャンペーンを行うことにしてみた。
その結果がこちらだ
(販売開始から18日間)
そこそこ売れているし、そこそこ読まれている。
まあ、そうは言っても「雀の涙」ってやつだけど。でも『天子姉妹の祝祭』や『生き残るために遊べ』と比較して、格段に売れてる数、読まれているページ数は多い。
小説『???』のテコ入れを始めてから、ほぼ毎日ページレビュー数が付いている。無料配布も効果が出ている。そうはいっても、一日200~300ページ程度。「既読ページ数」は1ページ0.5円だから、毎日100円くらいのお金が入ってきているということになる。
それでも収入は収入だ。
ページレビュー数だけで売り上げを判断すると、
2227円
『ProjectMOE』『天子姉妹の祝祭』『生き残るために遊べ!』の売り上げ・ページレビュー数を合計した数字よりも大きい。これまでの数ヶ月分のお金を、たった1冊が稼いでくれている。
結論は、
ここから判断すると、予算をかけた本を作るよりも、『とても卑猥な本』のほうを書いた方がいい、ということになる。
それじゃ、私が次に書くべき本は、『とても卑猥な本』だ。今後も儲けようと思ったら、それがベストアンサーということになる。
超希望的観測として、既読され続けているという状態が長期で続いてくれたら、『卑猥な小説』数冊出すと、一日の売り上げを1000円前後まで持ち上げることができる。たかが1000円……でもそれだけあればまず食べるものに悩まないくらい生活は楽になるんだ。
しかし……残念ながらそれはうまくいかないだろう。
というのも、「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」いわゆる「関連書籍」を見ると、だいたい似たような本が並ぶ。みんな一般人の出した、インディーズエロ小説だ。一応、偵察してみたのだけど、どれもだいたい同じ程度の売り上げ。同じくらい売れてなかった。
大手出版社が出した本と比較すると、その差は雲泥の差。素人のKindle書籍が、大手出版社には絶対に勝てない。太刀打ちができない。
もしも大手出版社書籍の「関連書籍」に顔を出せればそれだけで世界が変わる……のではないか、という推測があるのだが、同系統ジャンルをずーっと追いかけていっても、私の本が表示されることはまずなかった。大手とインディーズの間に巨大な壁があって、コミュニティが分断されている感じがあった。
次の本を出したところで、せいぜい、月収入は2000円~3000円程度だ。しかもその収入は恒久的に続くわけがなく、一ヶ月後くらいには枯れて絶えるだろう。
この理由に関する仮説は、おそらくKindleでエロ小説を読んでいるユーザーは50人くらいしかいないんじゃないか……という説だ。無料配布で配れた数というのが50で止まっている。もしももう一度無料配布をしたとき、配布数が0だったら、「50人限界説」が確定する。Kindleでエロ小説を読んでいる人は、全合計で50人程度しかいない。
いや、大手に行けばもっと読者層があるのだろうけど、インディーズKindle書籍の限界数は50ではないか……。その50人全員が読んだとき、この本が再び誰かの手で読まれることはない。それ以上に売り上げが伸びることはなく、ページレビュー数が動くことはなくなる。
その50人しかいないユーザーに向けて本を書くのがベストな判断なのだろうか?
しかし、全年齢書籍にアピールしたところで、あちらは50人どころか、1~2人くらいしかユーザーがいない。ユーザー数が2人と50人しかいないとしたら、どちらを取るべきか……。
(他に施策がないわけではない。漫画にすることだ。小説と漫画、どちらが売れるかというと、間違いなく漫画だ。漫画なら格段に売れるはずだ。もちろん、漫画制作にかかる予算もすでに計算している。原稿1ページにつき1万5000円から3万円だ。もし3万円で依頼するとして、30ページ依頼したら90万円……。誰に依頼するか、にもかかってくる。間違いなく絵の上手い人じゃないとダメだ。しかし90万円確実に回収しなければ、意味もなく大損することになる。そんな危険な賭に挑戦はできない)
冷静に考えて、売れるのはエロ小説だけだ。じゃあ、次はエロ小説書くか……。
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