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10年後20年後の時代を考察する~繰り返す歴史とメンタルセルフ~③


前回の続きのような記事です。
未読の方は読んでみてくださいね!


【今の時代、これからの時代に求められる「心」のコントロール】


“繰り返す歴史”というものを考察していたとき、ここ数年間よく話題になっていた「10年後に無くなる仕事はこれだ!」という予測記事も非常に面白いことが書かれています。

その関連で「将来求められるスキル」について考察をされているものが、大変興味深いものだったのでシェアしながら語らせて頂きます。

仕事が無くなる、無くならないというのが今回のお題ではありません。
着目すべきは、これからの時代何が「求められている」か。
面白い記事があったのでそちらを踏まえてお話しさせて頂きます。


この先2030年に「求められるスキル」というのをざっくり説明すると


1位: 戦略的学習力(Learning Strategies) ※スキル
2位: 心理学(Psychology) ※知識
3位: 指導力(Instructing)  ※スキル
4位: 社会的洞察力(Social Perceptiveness)  ※スキル
5位: 社会学・人類学(Sociology and Anthropology)  ※知識
6位: 教育学(Education and Training)  ※知識
7位: 協調性(Coordination)  ※スキル
8位: 独創性(Originality)  ※能力
9位: 発想の豊かさ(Fluency of Ideas) ※能力
10位: アクティブラーニング(Active Learning)  ※スキル
11位: 心理療法・カウンセリング(Therapy and Counseling)  ※知識
12位: 哲学・神学(Philosophy and Theology)  ※知識
13位: 伝達力(Speaking)  ※スキル
14位: サービス志向(Service Orientation)  ※スキル
15位: アクティブリスニング(Active Listening)  ※スキル
16位: 高度な問題解決力(Complex Problem Solving)  ※スキル
17位: オーラルエクスプレッション(Oral Expression) ※能力
18位: コミュニケーション学・メディア学(Communications and Media)  ※知識
19位: 活舌(Speech Clarity)  ※能力
20位: 判断力・意思決定力(Judgment and Decision Making)  ※スキル
21位: 英語力(English Language)  ※知識

44位: 外国語(Foreign Language)  ※知識

66位: プログラミング(Programming)  ※スキル
出典: The Future of Skills: Employment in 2030 – University of Oxford


というものです。

一覧を見てなんとなく察する方がいらっしゃると思いますが、この先求められるスキルとは「コミュニケーション能力」「協調性」「セルフメンタルスキル」「報連相能力」「提案・意思表示、問題解決能力」などなど。

「心」「感情」「意思」「行動」に関わることばかりなのが窺えます。


・「多様性を認めましょう」と同時に「協調性を大切にしましょう」
・「ありのままで良いのです」と同時に「コミュニケーション能力を持ちましょう」
・「皆で助け合いましょう」と同時に「セルフケアのスキルを身につけましょう」
・「自分で判断・意思決定しましょう」と同時に「周囲と協力しましょう」


極論かもですが、未来に求められているスキルとはこういうことですよね。
更に言えばこのスキルを磨きつつ、時代の流れに置いて行かれないよう機械に対する知識とスキルがあれば尚良し!という感じです。

たった200年の間に目まぐるしい科学的進化を遂げるも、その先に待ち受けていたのは「人間性を高めよ」という時代が到来しているのです。


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【たった50年という時間の流れ】

石炭から石油への転換期、太陽光等の発電機から原子力発電へ。
そんなエネルギーへの取り組みはほんの50年前の1970年代です。
ご年配の方にとっては若い頃、現在30~40代の方の親世代、若い子で言うと祖父母の時代。

この1970年代で求められたスキルは何だったでしょうか。

ちょっと遡って簡単に見てみましょう。


▼1970、1980年代

高度経済成長期であり、大量生産・大量消費の時代です。
終身雇用というものもこの辺りで確立されて、正社員で会社に勤めたら死ぬまで安心!という考え方でした。
男は仕事・出世。女は専業主婦で家を守るという風潮が根強く、女性は働いていても結婚=退職は当たり前です。平均的に共働きをする必要が特に無く、つつがなく皆が暮らせるという夢のような時代です。

この時代で求められていたスキルは、極端な話ですが「言われたことをやる」というものです。
上の人間が言う「これをして」というものに意見をせず、どれだけ従順かつ迅速・的確に仕事をこなせられるか。
独自性や個性などは絶対に出せない時代ですが、その分長く勤めれば勤めるほど賃金は上がり続ける仕組みで、年功序列型の賃金制度です。


▼1990年代~

バブル崩壊により日本は一気に不景気になりました。
何故不景気になったのかもの凄く簡単にいうと、円安ドル高の影響や銀行の破綻などが原因で日本経済に大打撃を負い、労働者の賃金低下、人員削減による大量のリストラなどが相次ぎました。
そのまま景気は低迷し、かつての「終身雇用」「国や会社が守ってくれる」という夢のような約束事は無くなっていくのです。

この時代で求められていたスキルは、「即戦力」や「自主学習能力」ではないでしょうか。
目まぐるしい変化のなかでそのような余裕の無い時代だったのかもしれませんが、仕事の引き継ぎや研修に対する意識は低く、「見て覚えろ」「やり方を盗め」という状態で仕事が進行していました。
採用する側も「すぐできる?」という具合です。
つまり、この辺りから急に「言われなくてもできる人」「自主的に行動できる人」を求める傾向にありました。


▼2000年代~

今までは問題なかったのに、夫の収入源だけでは生活が困窮し始め「共働き時代」の到来です。
そしてこの頃企業が求める人材とは「仕事に対して意欲的」「長く仕事に取り組める人(残業など)」が求められていました。

どのように仕事に取り組むのか、うちの会社でどう貢献するのかというキャリアデザインに対する明確な意欲がある人が重宝されます。

しかし、「言われたとおりにやれば良い」と言う世代の教育と、現実に求められるスキルが大きく違うという矛盾に、次世代が困惑する事態が次々と発生。
時代の流れで自主性を求められるようになった次世代が、戸惑い、適応できず右往左往する事態になりました。

働き方や生き方を見失い、仕事をめぐる深刻な問題が起こるようになります。
非正規雇用の増加、ニートや引きこもり、リストラ、過労死、うつ病、自殺などが増加傾向になる時代です。うつ病という言葉はこの辺りから耳にするようになりました。

そして、企業側でも新入社員を育成できるような「教育者」という人材が育っておらず、互いに不平不満をぶつけるような展開になり、早期離職やリストラに繋がるケースもあったようですね。

この辺りから「教育」に対する見直し、リーダーとは何かという言葉が出るようになりました。


▼2010年代~

2000年代後半にITバブル期とも呼ばれるような流れが起きてから、パソコンスキル、編集スキルなどを持つ人とそうでない人の差が大きく出始めた頃です。

ネットに自分を売り出し、個人が個人で「働き方」を見出している人の傍ら、長時間労働に低賃金、プライベートな時間は寝るのが精一杯な会社勤めの人達。

そんな労働者が増え「働く意味とは?」という点にフォーカスが当てられ始めます。
企業では働く人への配慮をという意識が高まり、まずリーダーや教育者の育成に専念するため、OJTという言葉も頻繁に聞くようになりました。

2018年になり「働き方改革」という労働法が検討され、2019年になり執行されます。
男女関係なく働くすべての人の環境をよりよくするため、有給の積極的使用や残業時間の制限、非正規雇用者への待遇をあげるなどです。
※因みに2020年になり、中小企業にも本格執行されています。


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さて、1970年代からざっくりですが遡ってみました。


では、現在進行形であり、更に未来に求められているスキルをおさらいしてみましょう。


・戦略的洞察力や学習能力
・協調性と独自性
・セルフコントロールのための心理学や独自の人生観(宗教・哲学)
・発信力、伝達力、行動力
・問題の発見、解決能力
・判断力や意思表示

※それらを前提に、できたらパソコンに関するスキルもあれば尚良し。

これが、これから先の未来に求められると考えられているものです。


稲作が取り入れられ村や町が大きく成長し、一般市民が権力者に米などを収めるという流れが始まり、働くこと=上司の言うことが絶対という環境だった昔。
強いて言うなら逆らえない環境であり、反逆=死でもあったのでそうせざるを得ない面もあったと思います。

大袈裟に言ってしまえばそんな環境が、根本的なところはあまり変わらず1970年代まで続いていたのです。

たった50年という短い時間で考え方や取り組みがガラッと変わり、市民1人1人に求められるレベルの高さというのが半端じゃない世の中が到来しているのです。

データを全てを鵜呑みにするわけではありませんが、将来、特に一番求められるのは「戦略的学習能力」

これは新しいことを積極的に学ぶという姿勢が必要で、そこで得た知識を自分でしっかりと咀嚼し、誰かに教えるときに勉強方法や指導方法で何がベストかを考え、状況に適した学び方・教え方を選択して使う能力です。

そして、あくまでも「知識」ではなく「スキル」が重要なのです。

今でこそ心理学の本や自己啓発の本がたくさん出回っていますが、それをどれだけ読んで勉強したかというよりも、それらを使ってどれだけ実践してこられたか、改善できたか、という実用スキルが必要になるということですね。


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今現在とこの先の未来に求められているのは、「心」や「感情」に関わることが非常に多く、2020年代、2030年代はメンタル強化・改変時代なのかもしれません。

少し前までスピリチュアル的な方々も、「これからの時代は私たちのような人が増える」みたいなことを言っていましたが、あながち間違っては無いと思います。


とどのつまり「心」のセルフコントロールが重要視されるのです。


そのコントロールに使用するのは、医学的療法でも心理学でも哲学でも、宗教でもスピリチュアルでも私は構わないと思います。

なかには「これこそが一番」「これが本当の心理学」などこだわりを主張する方も現れるかも知れませんが、結局は自分のなかで自分を保てる方法を皆が見出し、皆ができるようになれば自然とそれは協調性に繋がるよね、ということなのだと感じています。


ただ一つ思うことは、時代が繰り返すというのであれば、この「心」「信頼」「人間関係重視」というマインドセルフコントロール時代にもいつか終わりが来るということです。

その時は皆がそれをするのが当たり前になっている時代か、はたまた、自主性や独自性、自由というものが再び抑圧される時代が再び始まるのかもしれません。

デジタルに傾きすぎて、もしかしたらアナログ的な事や物に返る可能性も十分にあり得ます。


そんなとき、かつての人々はどのようにして乗り越えたでしょうか。


これがあるからこそ生きていられる、自己を確立させ、自分の根源と信じることのできるものの探索・追求できるもの。

次回からは心理学とスピリチュアルについて、ちょっと深くお話していきます。

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