中道智大

自然と動物、写真が大好きです。 2021年に千葉県から北海道標茶町の狼が20頭飼育されていた7000坪の森へ移住しました。 自然の中での暮らしから感じたことを文や写真、映像にしています。

中道智大

自然と動物、写真が大好きです。 2021年に千葉県から北海道標茶町の狼が20頭飼育されていた7000坪の森へ移住しました。 自然の中での暮らしから感じたことを文や写真、映像にしています。

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世界中の犬と人の暮らしを撮る旅へ

さて、いきなりこんなタイトルで始まったnoteはいつもとは違った内容でお届けします。 内容はタイトル通りで 世界中の犬と人の暮らしを撮る旅へ出ようと思います。 しかしずっと旅へ出るわけではなく、北海道での仕事もありますのでそちらの合間を縫っての旅になります。 年に数回、2週〜3週間くらい海外へ行って撮影を行うことができればと思います。 僕は20代の頃からドッグトレーナーとしてたくさんの犬たちと出会い、そして犬たちからたくさんのギフトをもらいました。 自分に甘く、だ

    • 旅の終わりと旅の始まり

      朝、いつものように犬たちがソワソワし出すと僕の目も覚める。 カチャカチャと爪が床に当たる音が聞こえる。 この音はドンだ。10年近く共に暮らしていると、足音でどの犬かわかる。 散歩に行こうとドアを開けると、昨日とはまるで違う冷たい風が通り抜けた。 慌ててパーカーを着込み、外に出る。 秋がやってきたのだ。 目の前の牧草地も2番草を終え、今年の牧草シーズンも終わりを迎えた。 新しい季節の到来は、いつも喜びに満ちている。 夏の間から、コアコアと聞きなれない声が家の周り

      • 写真集を作った日

        久しぶりに覗いた青空を見ると、秋の雲に変わっていた。 この時期の標茶は曇天か雨が本当に多く、特に7月後半から8月半ばまではほとんど太陽が出ていなかった。 毎年この時期は気分がなんとなく落ち込んでしまうのだけれど、久しぶりに覗いた晴れ間はそんな鬱没とした気持ちをいとも簡単に吹き飛ばしてしまう。 空の青さで、こんなに心が穏やかになるものかと心底自分の単純さにうんざりしてしまった。 やっぱり僕はここの自然が好きなんだなと再認識する。 人の気持ちなんて、案外そんなものなのか

        • 自然と社会の狭間に

          トルコから帰ってきて、1ヶ月半が過ぎた。 季節もぐんと進み、僕が1番苦手な夏がやってきている。 トルコの写真達も無事現像が終わり、とりあえず撮れていたことにほっとする。 今回の旅は全てフィルム写真で撮影するという、自分にとっても不安要素が多い旅だった。 ちゃんと撮れているのかな。もう1カットおさえておいた方がいいかな…いや今のできちんと撮れてるはずだ。 そんな不安もありながらも、戻ってきた写真たちを見てフィルムで撮ってきてよかったと心から思った。 撮った全ての写真

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        世界中の犬と人の暮らしを撮る旅へ

          写真にならなかった時間

          先日、実家へ帰省した。 半年に1回は帰省をして家族との時間を短くても過ごすようにしている。 お昼に北海道の家を出て、夕方には千葉に住む家族に会えるのだから本当に便利になったと思うと同時に日本は案外狭いなとも思う。1時間半もあれば東京へ行けてしまう。 お金にさえ目を瞑れば、意外にすぐ帰れてしまうものだ。 僕の場合は家族と離れたことで、より心的な距離が縮まったように思う。 東京で一人暮らしをしていたときは何年も帰らないなんてことは普通だった。 しかし今は距離が離れたこと

          写真にならなかった時間

          「ぼすけ」という犬の生き方

          ぼすけ。 我が家のビーグル犬で今年で8歳を迎えた。 「名前の由来は『ねぼすけ』からですか」とよく聞かれるくらいにはぼけっとしていることが多いぼすけだが、実は名前の由来はポルトガル語の森を意味する「bosque」から取ったのが由来だ。 先代のビーグル犬が緑のイメージが強く、そのイメージを受け継いでもらえたらという願いから日本名としても違和感のない言葉を探していたところ、この言葉に出会い命名した。 今ではすっかりお気に入りの名前となったぼすけだが、彼の性格は本当に面白い。

          「ぼすけ」という犬の生き方

          不確実の中にいること

          2024年最初のnoteが3月になってしまうとは思わなかった。 去年は毎月1本のnoteを更新し続けてきていたのだけれど、今年に入ってから全く書いていなかった。 やる気がなくなったとかそういう類のものではなくて、僕の中で本当に書きたいと思う出来事がないとnoteは書けないと思ったからだった。 連続更新しているからという理由で更新をしたくなかった。 さて、北海道でも季節は進み日中の気温がプラスになってきて雪解けがどんどん進んでいる。 今年は移住して1番大きな吹雪に見舞

          不確実の中にいること

          純に触れると素直になれる

          初雪が降った。 北海道3年目を迎えて、こちらでの生活も慣れてきた頃。 いつしか目の前の風景も目新しさはなくなり、当たり前の日常へと変わっていた。 移住したての頃は刺激的な毎日で、ジェットコースターのように感情が動いていたけれど、今は心が穏やかで安定しているのが自分でもよくわかる。 多少の嫌なことや不安があっても、一歩外に出れば雄大な自然が僕を慰めてくれる。 あぁ、これでいいんだよなといつも思う。 僕は都会に住んでいた頃から、頭と心のバランスが取れなくなると自然に出

          純に触れると素直になれる

          大きな時間を、感じていたい

          時間というものはとても不思議なものだなと思う。 誰もその存在を見たことがないのに、誰もがその存在を疑わない。 確かに時間とともに変わっていくものがあるから、僕たちは時間を感じることはできる。 それでも時間は、時に早く過ぎたり、時に遅く過ぎたりする。 退屈な時間はとても長く、大好きな人と過ごす時間は本当にあっという間だ。 感じ方で時間の流れは確実に変わっているように思う。 昔、60近くなのにとても若々しい方がいて、本当に羨ましくてどうしたらそんなに若くいられますかと

          大きな時間を、感じていたい

          止まってから見えるもの

          モンゴルから帰省後、たくさんの仕事や写真展の開催などでとても忙しく(どれも自分が始めたことなので自業自得だが)全くと言っていいほど心に余裕がなかった。 忙しいとは心を亡くすと書くと言うが、これは本当だなと思った。 気づけば12個の仕事ややらなければならないことを同時に行なっていて、自分でもよくこの量の仕事をこの短期間でこなしてきたなと思う。 人によっては12個のタスクなんて当たり前かもしれないけれど、本来3つでパニックになってしまう僕からしたらとんでもないことだったと思

          止まってから見えるもの

          モンゴルの平原で出会ったある犬の話

          モンゴル旅を整理をしている。 膨大な数の写真たちを記憶と共に少しずつ整理している。 SNSでの情報発信はもちろん大切だけれど、それ以上に自分の気持ちにしっかりと区切りをつけるためには時間が必要だった。 自分の中である1つの思いを巡らせる時には、僕は必ず時間を置く。 時を置いて、無駄な記憶が削ぎ落とされ、記憶が断片的になっている時の方が自分の思いが入り込む余白ができて書きやすい。 今回はモンゴルで出会ったある犬の話を書こうと思う。 遊牧民と暮らしている家畜とバンカール

          モンゴルの平原で出会ったある犬の話

          そうか、君は生きられなかったんだね

          夏が本番を迎えた。 今年の夏は暑い日が続いていて、数日だけ暑くなると言われていた北海道の気候はもう過去のものなのかもしれない。 夏になると様々な動物たちが家の周りに集まってくるのだが、今年はそれが多すぎた。 家の前のウッドデッキには鳩が何羽も巣を作り、毎日糞がウッドデッキに溜まっていた。 デッキブラシで掃除をするのが日課となったが、まだ1家族くらいなら可愛げがあったが今は気づいたら10羽以上集まってきている。 これ以上糞が酷いとトリコモナスという人畜共通感染症があるの

          そうか、君は生きられなかったんだね

          写真を撮る痛みについて

          僕は写真が好きだ。 色んな感情やその人の内面をもたった1枚の紙に映し出してしまう写真がとても好きだ。 簡単で誰にでもできる写真が好きだ。だけど知ってみると奥が深い写真が好きだ。 20代で写真を撮り始めて、僕はずっと動物や自然を撮影してきた。 時に海外まで遠征に行って、ついには北海道の田舎で小屋暮らしを始めてしまった。 それもこれも全部、自然が好きで動物が好き、写真が好き。というのが原動力になっている。 標茶町へきて、町と一緒に様々なお仕事をさせて頂いている。 その中で

          写真を撮る痛みについて

          わからないという人

          僕は人と話すことが好きだ。 人と話して、その人が何に熱を持っているのか、その話を聞くのがとても好きだ。 とりわけ自分が興味のあること、知りたいことを知っている人には僕は積極的に会いにいった。 ドッグトレーナー時代にも、アメリカへ直接施設を見学に行ったり、何かわからないことがあれば専門家の方に聞きにいくのが常だった。 当時ブログを見漁って、この人は凄そうだと思ったらすぐに連絡を取り、会いにいった。 その中でも僕が特段信頼している2人のドッグトレーナーの方がいて、その人

          わからないという人

          意味のない世界

          「意味のない世界」と聞いてみなさんは何を思い浮かべるだろうか? 僕の大好きな星野道夫さんはアラスカの自然を度々「意味のない自然」と書いた。 通常、僕たちが生きるという言葉を用いるとき、それは社会的や経済的な活動を指していることが多い。 自分達の行動を振り返ってみると、どっぷりとその世界に浸かっていることがわかる。 このnoteも言わば社会と繋がるために書いている側面もあるわけで、社会的活動と言えるだろう。 日中は仕事をしているし、それは経済的な活動で、写真を撮ったり、

          意味のない世界

          あの日、あの街で見た景色

          GW明け。僕は北海道から1年ぶりに千葉へ帰省した。 犬4頭と暮らしているので、なかなか気軽に帰ることができない僕は毎年この雪解けの時期に帰るようにしている。 ありきたりなセリフだが1年はとっても早い。 去年父と男二人で旅をしたあの日からもう1年が経ってしまった。 まだ少し肌寒い北海道を出て飛行機に乗った。 1時間半。あっという間に羽田空港に到着した。 もうすでに人が多い。GW明けなのに羽田空港は人で賑わっていた。 気温は思ったほどに高くはなかった。 すぐさま高速バス

          あの日、あの街で見た景色