こどもの写真をプリントアウトして残すメリット。
私は、幼い息子の写真を撮るのが上手じゃなかった。
「上手じゃない」というよりは、なんだか写真を撮るタイミングをうまくつかめなかった。
たとえば、息子がかわいい顔をしている。
おもしろい顔をしている。
おもしろいことをしている。
その映像を自分の頭の中に刻むだけじゃなくて「残したい」と思う。だれかに見せたいと思う。
スマホをカバンから出して、ロックを外す。カメラを起動して、カメラを向ける。
この時点で、もう私が「残したい」と思った映像は過ぎ去ってしまっていることが多かった。
「さっきの顔、もう一回やって!」
そんなことを頼んだって、決してやってはくれない。赤ちゃんや幼い子供は、自分がさっきしていた表情なんて、1秒前でも覚えていないのかもしれない。
「ハイ、ポーズ!」
そんなこと言っても、ほとんど無視。動き回って遊ぶ息子を追いかけて、なんとかいい写真を撮ろうとするしかない。
息子が1才くらいになった頃、スマホのアルバムの中に入っている大量の写真を眺めていると、正直「いい写真だなぁ」と思える写真が少なかった。
子供はじっとはしてくれない。
ブレブレな写真が多い。
でもその大量の写真の中に、なんだかキラリと光る素敵な写真が、ポツリポツリと浮き上がって見えてくる。
この1年間、幼い子供の姿を残そうとたくさん写真を撮ってきたけど、本当に残したい写真は数えるほど。
いい写真を撮ろうと必死になればなるほど、案外その時間を心から楽しめなかったりすることも感じていた。
それなら写真はほどほどにして。カメラを通さずに見る息子の姿を、頭と心にしっかり刻みこんだ方がいいのかもしれない。
子供の写真については、
そんな風に思っていた。
そんなとき、無印良品をブラブラしていると、アルバムのコーナーが目に止まった。
息子が大きくなったときに、スマホの小さな画面で写真を見せるよりも、プリントアウトした写真で見せたいなぁ。私はその方が好きだなぁと思った。
それにもし私だったら「写真をプリントアウトする」という小さな小さな手間の中に、「大切にされていた」という温かさを感じるような気もする。
そして急に、息子が彼女を家に連れてくるシーンが頭の中にポンッと浮かんできた。私と息子と彼女さん。おしゃべりしながら、みんなでアルバムをのぞきこんでいる。そういうシーンのとき、やっぱり紙のアルバムがいいな、と思ったのだ。
ふと手に取ったアルバムは、1ページに3枚写真が入るようになっていた。
その瞬間、「これだ!」と思った。
スマホの中に入っているブレブレ写真の中にポツリポツリと見つかる、キラリと光る素敵な写真たち。
1ヶ月に3枚くらいは、きっとそんな写真を撮れるだろう。
その3枚だけをプリントアウトして、このアルバムに残していこう。そのくらいなら、私にもできる。
抱っこバンドで抱っこしている息子は、スヤスヤ眠っている。両肩がズシリと重い。そして、なんだか妙に大きくて重たいアルバムをそ~っと手に取って、レジに並んだ。
その時のことを、今でもよく覚えている。
息子は9月18日生まれ。9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月・・・それぞれの月の写真をさかのぼって、とっておきの3枚を選んでプリントアウトした。
素敵な写真があんまりない・・・と思っていたけれど、「1ヶ月3枚」と決めると、案外どの写真を選ぶか迷っている自分に気がつく。思っていたよりも、いい写真がたくさんあったのだ。
プリントアウトをして、息子が生まれてから1年間12ヶ月分12ページの写真をアルバムに入れ終わって。
「このアルバムが終わる頃、息子は何歳なんだろう?」
すごく気になったので、ページをペラペラめくりながら、数えてみた。すると、8才だったのだ。息子が8才なんて、今はまだ全く想像できない。8才ってもう小学生か。どんな子に育っているんだろう。
当時の私には、まだまだ赤ちゃん感の残る息子とべったりの日々の中で、8才という月日が果てしなく先の先のことのように思えたけれど。
アルバムの表紙に、ちょこっとコメントを残しておいた。
それ以降、毎月18日に3枚の写真をプリントアウトして、アルバムに入れて。ちょっとだけコメントを添えるのが習慣になっていた。
そして先日ついに、アルバムの最後のページにプリントアウトをした写真を入れたのだ。
アルバムは、ずっしりと重い。
8才か・・・
8年か・・・
その長かったような短かったような月日。
1ヶ月、半年、1年と積み重ねていくたびに少しずつ重たくなっていくアルバム。
息子と過ごしてきた日々の積み重ねを
アルバムの重さが教えてくれた。
そしてアルバムをペラペラめくると、素敵な瞬間だけが形になって、しっかりと残されている。
しんどいことも嫌なことも悩んだことも
たくさんたくさんあったはずだけれど。
素敵な時間がたくさんあった。
楽しいことがたくさんあった。
そのキラキラした部分だけを残してくれているこのアルバムが、私と息子の8年間を肯定してくれているような気がして、涙腺がゆるんだ。
息子が小学校に行っている間に、
1人で無印良品に行った。
両肩が軽い。身軽だ。
アルバムコーナーには、1冊目のアルバムと全く同じアルバムが置いてあった。迷わずそのアルバムを手に取って、レジへ向かった。
あの頃は店員さんがバーコードを通してくれていたけれど、今回はセルフレジになっていて自分でバーコードを通す。
8年はあっという間のようで
8年はいろいろ変化するのに
十分な月日のような気もする。
家に帰って、2冊目のアルバムの表紙を開いて、ちょこっとコメントを残しておいた
16才!?と思ったけれど、案外あっという間にその日は来るのかもしれない。
息子はどんな青年になっているだろう。
それまでにどんな写真が増えていくだろう。
楽しみだ。
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