子供から「毒」を遠ざけるよりも大切なこと。
息子が通うオルタナティブスクールには、「給食」がない。つまり、毎日お昼ごはんを何かしら準備しないといけない。
大変だ。そりゃ大変だ・・・
入学する前は、毎日お弁当を作らないといけないなんてどうしよう、しんどすぎる、と思っていたけれど。
「うちは、おにぎりだけ持たせているよ!」
「この間は、ランチパックだけ持たせた!」
「毎日カップラーメンのお兄ちゃんもいるらしいよ。」
などなど、周りのお母さんたちの話を聞いているうちに、肩の力が抜けていった。
それにお弁当も毎日作るとなると、慣れていく。上手に手を抜けるようになっていくのだ。息子は「おにぎりだけ」はイヤだというのでオカズは入れているけれど、卵焼きだけはなんとか毎朝焼いて、後は冷凍食品のお世話になっている。10分あれば出来上がるので、そこまで負担はない。
それでも作るのが面倒な日や、ごはんを炊き忘れちゃった日は、コンビニで買っていく。息子は妙にうれしそう。
私も中学生のとき、月に何回か「売店でパンを買う日」を設けていたのを思い出す。大きなチョコチップメロンパンが大好きで、いつもそれを買っていた。お母さんのお弁当がイヤなわけではないのだけれど、やっぱり「特別な日」って楽しい。栄養なんてほとんどないに等しいであろうチョコチップメロンパンをムシャムシャと食べていると、脳みそが「甘い!おいしい!楽しい!」と喜んでいた。
「母ちゃん、ぼくこれにする!」
息子がコンビニで時間をかけて選んだのは、カップラーメンと、コロッケパンと、グミと、ミックスジュース。
息子のほっぺたが、妙にツヤツヤと光っている。目がランランと輝いている。どこからどう見ても、息子の心は踊っている。
「おっけー!」
添加物まみれ。砂糖まみれ。小麦粉だらけ。
私から見ると「毒」にしか見えない食べ物たちだけれど、それらをレジに運んでお金を支払った。誤解のないように言っておくけれど、私は息子を大切に思っている。
夜ごはんだけは、栄養を考える。
夜ごはんだけは、
できるだけ体に優しいものを食べる。
あとは「毒」だって楽しもう。
家庭によっていろんな考え方があると思うけれど、私は今のところこのバランスに落ち着いている。
というのも数年前、私に「体を整えるブーム」がやってきた。整体を学び始めたから、というのもあると思うけれど、勉強すればするほど「食べ物」と「体」は切っても切り離せない関係なんだとわかっていく。
いろんな本を読みあさっていくうちに、添加物や、砂糖や、小麦粉や牛乳・・・いろんなものが「毒」に思えていく。
スーパーに買い物に行っても「成分表」とにらめっこ。「毒」が全く入っていない食べ物を選ぶのは至難の技だ。だからといってオーガニックなお店でそれらを買おうと思うと、何倍ものお金を払わないといけない。
朝はパンからおにぎりに変えてみたけれど、
私は朝にパンを焼いているときの香りが大好きだ。焼けたときにパンがガシャンと飛び出すときの音も。
コーヒー牛乳の牛乳は、豆乳に変えてみたけれど、おいしく感じない。実家ではコーヒー牛乳のことを「コーギュー」と呼んでいる。夏に「何か飲む?」と母が聞けば、必ず「コーギュー!」と答えていた。コーヒー豆乳は、親しみを込めて「コートー」なんて呼ぶ気にもなれない。
毒=体に負担のかかる食べ物。
毒をできるだけ少なくする生活をしてみると、確かに自分の体は軽いような気がした。調子もいいような気がする。
でも、息子が食べているお菓子の成分が気になって気になって仕方がない。
朝はパンがいい!という息子に、イライラする。おにぎりを好きになってよ、と思ってしまう。
外食も、なんだか楽しくない。
そんなとき、私の整体の師匠が「マクド」を食べていることを知った。「師匠でも、マクド食べるんですね。意外です!」と私がLINEを送ると、ある画像を送ってくれた。
「地上最強の生物」と言われる範馬勇次郎の台詞に、ハッとさせられた。
人間にはもちろん栄養が必要だけれど。
ある程度の毒を外に出してくれる機能だって、人間には生まれつき備わっている。
そして何よりも、今まで私が口にしてきた物たち。私の体はそれらでできている。それらに支えられてきた。「おいしい!」という楽しさだって与えてきてくれていたのに。
そして、
それらを買うお金を稼いでくれた人たち、
それらを作ってくれている人たち、
それらを準備してくれた人たち、
それらに宿る命、
その感謝の気持ちを全部忘れて、
知識だけで頭をパンパンにして、
「体にとって毒」なんだと、私はいきなり背を向けた。
その方が、なんだか不自然なような気がしてきた。
もちろんバランスは大切だけれど、
仮に栄養のバランスが崩れ始めたら、
ちゃんと体はSOSを出して教えてくれる。
「ごめん。ちょっと負担をかけすぎた?」
気づいたら体にあやまって、しばらく体に優しい物を食べたり飲んだりすれば、体はまたせっせと元に戻ってくれるだろう。
もちろん個人差はあると思うから、一人一人が体の声に耳を傾けるのが大事だと思うけれど。
「毒」って、なんだかんだ楽しいのだ。
特に子供のときは、
なんでも口に入れてみたい。
「毒」も含めて、
たくさん味わいたい。経験したい。
なんだ!この味は!?
なんだ!この食感は!?
おもしろい!おいしい!楽しい!
子供から毒を遠ざけるよりも、そんな気持ちを存分に味わう経験をさせてあげたい。
私はそんなふうに思った。
そんなこんなで、休日は家族でジャンキーなものを食べたりもする。
みんなで同じものを食べているはずなのに、私は胃が重たくなってしまったり、次の日に顔に吹き出物が出たりする。
息子はケロッとして、
今日もお肌はツルツルツヤツヤだ。
子供は大人よりも、
「毒を出す力」もパワフルなんだと思う。
それはもしかしたら、
いろんなものを経験する時期に与えられた「強さ」なのかもしれない。
もちろん、生まれつき「毒」を受けつけない体の子供もいると思うけれど、息子はそうじゃなかった。それならきっと「毒」をある程度楽しむために生まれてきたんだと思うのだ。
なんて、かっこいいことを言ってみたけれど、それは私が息子とできるだけ楽しく、そして楽に生きるための「考え方」なだけなので、「正しい」とは限らない。
でも。
ジャンキーなものが大好きだった私も、34才になって。
納豆とキムチとごはんとみそ汁が、
何よりおいしく感じてしまう。
焼肉の食べ放題に行きたいと思わなくなった。
ケーキも好きだけど、どら焼きが妙においしく感じる。
おひたしとか、お刺し身とか、冷ややっことか、昔はテンションが上がらなかったものでテンションがあがる。
信じられない。
そんな経験もふまえて、今食べたいと思うものはきっと食べてもいいものなんだって思う。
おいしい!たのしい!ありがとう!
そんなふうな気持ちで食べたものはきっと、
心の栄養になる。心と体はダイレクトにつながっていると思うから、そんなときは体だってがんばって消化してくれるにちがいない。
何よりも、そう信じて「毒」もほどほどに楽しもう!と決めた瞬間、ひどくなっていた肩のコリがフワッとゆるんだような気がした。
なにごとも「ほどほど」と「バランス」が大切だよなぁと、偏りすぎていた自分をスッと真ん中に戻した。
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