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世界のスタジアム・アリーナで活用される最先端テクノロジー(2)

先日、執筆した記事に続いて、第2弾を書いていきたいと思います。
前回の記事は、多くの方に読んでいただくことができましたので、今後も様々な情報を提供できるよう、記事を書いていきたいと思います。

Nickelodeon

スタジアムのテクノロジーではありませんが、まずは子供たちがスポーツ観戦をより楽しむために開発された取り組みをご紹介させていただきます。

動画:Youtube

子供たちが楽しんで視聴できるように、MRの技術を活用して様々な演出を実施した事例です。Nickelodeon社による取組でしたが、試合中に彼らが持つキャラクターなどを利用して、アメリカンフットボールのルールを説明したり、試合中にMRフィルターを使った演出を行うなど、子供達が楽しめるコンテンツを企画しました。この中継は、平均206万人の視聴者を獲得し、ここ数年の中で最も視聴された子供向け番組となりました。

日本にもいた?スタジアムテクノロジーの先駆者

世界のテクノロジーを紹介する前に、世界で採用されている日本企業のテクノロジーについてもご紹介をしていきます。

NEC

日本の企業も負けていません。スタジアム内で利用できる様々なテクノロジーを提供しているのがNECです。あまり知られていないかもしれませんが、NECは、2014年に開催されたFIFAワールドカップブラジル大会にて、5つのスタジアム建設プロジェクトにも携わるなど、世界的にもトップクラスの技術、そして実績を持つ企業でもあるのです。

また、提供するサービスも多く顔認証技術を活用した「顔パス入場」や、並ばず席からオーダーができる「オーダリング」、マップなど様々な情報を入手できる「スマートフォンアプリ」などを提供しています。
参考:感動で沸かせる。体験で盛り上げる。スポーツ施設の新たな魅力とは。

世界のスタジアムで活用されるテクノロジー

続いて、前回の記事でも紹介することができなかったテクノロジーをご紹介していきます。

Wait Time

アメリカのデトロイトに拠点を持つWaitTime社は、デンバーブロンコスや、ロサンゼルス・ドジャーズなどのスタジアムで利用されている技術です。スポーツ以外では、ショッピングモールや、空港、遊園地など、様々なシーンで活用されています。

彼らが提供しているサービスは、人の動きをリアルタイムに集計し、待ち時間を予測することなどに活用されています。

デンバーブロンコスでは、入り口と出口に取り付けられており、混雑時間を予測し、来場するファンが少しでも早く入場ができるような支援をしています。また、ロサンゼルスドジャーズでは、バーやストア、イベントスペースの混雑状況や、動員状況をチェックするためにも活用しています。例えば、企業とタイアップして実施したイベントブースに設置することで、どの時間帯にファンが多く来ていたのか、どれくらいの人数が来ていたのか、その他の日程で開催されたイベントの違いはなにか?などを分析することができ、アクティベーションの振り返りなどにも活用ができます。

この技術は、待機列というファンのストレスを解消するだけでなく、より良いサービスを提供するためにも活用されているようです。
参考:WaitTime HP

CrowdIQ

CrowdIQ社は、チケット販売の改善や、試合当日の顧客体験の改善に効果をもたらす技術を提供している企業です。最先端のコンピュータービジョンを駆使して、座席に座っている観客の年齢や性別を分析したり、試合前、試合中、試合後にどれくらいのファンが座席にいるのかを瞬時に分析することが可能です。

また、試合会場の中に、ホームチームのユニフォームを着たファンが何名いるのかもわかるなど、画像の解析技術を活かして、クラブの運営を支援することができるプラットフォームとなっています。

この技術を活用することで、試合ごとのホームサポーターの人数や、男女比、年齢構成などがわかり、今後開催される試合に活かすことができると考えられています。また、これらのデータは、スポンサー企業にとっても貴重なデータとなり、アクティベーションをする際に、ターゲットに対して効率的にアプローチするための試合を選択することも簡単になります。
この技術は、ミネソタ・バイキングスや、ジャクソンビル・ジャガーズなどで活用されている技術となっており、すでにスポーツ界での活用も進んでいます。
参考:CrowdIW HP

Clear

Clear社は、アメリカで誕生した企業で、直近で約100億円の資金調達を成功しています。彼らが提供するサービスはセキュリティに関連するもので、生体認証の技術を活用しています。

アカウントを作成し、IDを登録するだけで、年齢確認時などにも利用することができ、シームレスな顧客体験を経験することが可能です。
アメリカ国内では、デトロイトピストンズのホームスタジアムである、リトル・シーザーズ・アリーナなどでも活用されている技術です。
参考:CLEAR HP

VENUE NEXT / SHIFT4

もともとリーバイスタジアムの開発中にサンフランシス49ersによって開発されたサービスは、現在、アメリカ国内の主要なスタジアムに導入されているサービスです。彼らが提供するサービスはPOS機能やモバイルオーダー、モバイルウォレットなど多岐にわたります。
日本国内では、ここ数年でpaypayなどが普及しましたが、アメリカ国内では2014年頃からこのようなサービスが提供されてたというのは、驚きです。

この会社は、SHIFT4が約75億円で買収し、SHIFT4は、小売りや旅行など幅広い業界に統合された決済サービスを提供する会社になりました。
参考:SHIFT 4 HP

Kraft Analytics

KAGR(KRAFT ANALYTICS GROUP)は、スポーツやエンターテイメント業界におけるデータ管理や、戦略策定などに特化したコンサルティングサービスを提供する企業です。

彼らは、フィラデルフィア・イーグルスと提携し、消費者行動の分析や、収益機会の増加などに貢献するプラットフォームを提供し、チームと連携して戦略策定を行っています。社長であるジェシカ氏は、ハーバードビジネススクールでMBAを取得し、ハーバード大学では非常に優秀な成績を残して卒業をしています。また、在学中にはアスリートオブザイヤーにも選出されたり、アイビーリーグで表彰を受けるなど、ビジネスマンとしての才能だけでなく、アスリートとしても高い実績を残しています。2014年には、スポーツビジネス誌が選ぶ「将来のスポーツビジネス界を担う40歳以下の人材」などにも選ばれるなど非常に注目された存在でもあります。
参考:KAGR HP 

スタジアムやアリーナのテクノロジーを中心に記事を書いてみました。
今後は、様々な視点からスポーツ界を盛り上げようとする企業を取り上げていきたいと思います。

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