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バルセロナの建築 ガウディの作品群

バルセロナは美しいビーチも美術館もあるが、一番の見どころはガウディの建築物だろう。建築を学ぶ弟と行ったということもあり、できる限り多くの建築をみた。

グエル公園

一番有名なグエル公園は公園にも関わらず夏は入場制限をしており予約がなければ入ることができなかった。2年前の観光本を見ていたからかその情報がなかったのが悔やまれる。

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しかし有名なタイルのトカゲがいるところ以外は見ることができ、広大な公園を散歩した。とてつもない暑さで、やはりスペインの夏はドイツとはわけが違うと実感した。日本ともまた違う暑さだ。

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カサ・バトリョ

街の中心に突如現れるカラフルな家。1877年にガウディが設計した邸宅で、海をイメージしたような独創的な建築物。

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モデルニスモと呼ばれる当時の新しい芸術的価値観を取り入れ、花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない装飾性をしている。


この窓枠の写真を見てもわかるように、曲線がこれでもかと使われている。加工技術の進歩もあってだったのだろう。”どうやって固定概念を打ち破ってやろうか”という気概が強く感じられた。時代でいうと展覧会の絵やブラームスの交響曲第一番が作曲されたころ位か。

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中は海の中をイメージされているようだった。天井のランプの周りが渦巻きになっていたり、水中から円を見た時の歪みのような複雑な曲線が描かれていた。吹き抜け部分は一階から天井まででタイルの色がグラデーションになっており、細かな工夫が多い。家具もガウディ設計のもので、やはりユニークだった。

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屋上にはなんだかカタツムリのような煙突とオブジェがある。

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タイルの装飾の色使いはとても特徴的で美しい。海のイメージでそのまま青だったり、直接的な表現しかないためどこか幼稚な感じもする。だが19世紀後半ということを考えると、現代アートとの過渡期のようなものなのだろう。

”常識を破る独創性で芸術の可能性を追求する”というこの時代の希望を建築からもみることができるのはうれしいことでもあった。この時代の芸術のエネルギーはどのジャンルであっても魅力的だ。

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これはサンパウ病院という世界遺産。20世紀初頭にムンタネーによって作られた。病院とは思えないとんでもないオーラを放っていた。ヤシの木があるのがおもしろい。ここからサグラダファミリアがみえる。

サグラダファミリア

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永遠に建設中でお馴染みのサグラダファミリア大聖堂。あまりのスケールの大きさには本当に圧倒される。1882年に着工されて以来未だに工事が続いていて、建設しながら修復もするという恐るべきプロジェクトだ。一応2026年に完成予定なのだそうだがたぶん終わることはないだろう。

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中に入ると圧倒的な大きさに言葉が出なくなる。生命の始まりや森をイメージしているというこの内部でパイプオルガンを聴いていると神が存在しそうな気がしてくるからすごいものだ。

しかし100年も前にどうやってこの数十メートルもある柱を立てたのかも全く見当がつかなかった。こんなものを設計するとは本当に恐ろしいと感じるほどのスケール。

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バルセロナの強烈な日差しでステンドグラスも最大限に効果を発揮していた。

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自然光とは思えないほどの光の力だった。

カサ・ミラ

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これも街の中にあるガウディが設計した集合住宅で、今は1階と最上階以外は普通に賃貸として使われている。カサバトリョほど遊びだらけというわけではなく、あくまで集合住宅としての実用性も重視されているようである。ここでもフリーハンドで書いたかのような曲線が効果的に使われている。

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ここの一階も吹き抜けになっている。

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基本的にシックだがその中にも細かい造形がある。天井がも淡くてきれいだった。

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屋上にはこれもまた不思議なおぶじゃがたくさんある。この煙突は兵隊にみえてくる。

同じようにタイルを多用しているが色合いを考えてか同系色でまとめられている。

建築と美術と音楽

やはり文学も美術も建築も音楽も一つの芸術というものの中でその時の思想や流行は密接に関係していることがよく感じられる。歴史的な建築と現代的な建築、その中間をわかりやすく見ることができたのは良い経験だった。


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