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テニスの戦術

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テニスの戦術関連の記事まとめ
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テニスのシミュレーションツール作成の途中経過

テニスのシミュレーションツール作成の途中経過

こんにちは、トモヒトです。

以前、テニスのシミュレーションツールを作りたいという記事を書いたのですが、その進捗を棚卸しも兼ねてまとめてみたいと思います。

結論から言ってしまうと、完成度はまだまだですが・・・

シミュレーション環境仮想のテニスコートは、Unityを使って下のような感じで作っています。

プレーヤーの行動を決定するモデルプレーヤーの行動を決定するモデルは、次の3つを組み合わせてい

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3球目攻撃を考えてみる

3球目攻撃を考えてみる

こんにちは、トモヒトです。

今回は、3球目攻撃について考えてみます。

3球目攻撃が成功する条件3球目攻撃が成立するには、次の2つが揃う必要があります。

ストレートやアングルへのリターンが打たれない、かつ3球目で決める状況を作れるサーブ

サーブの優位を使って、ポイントを決めるストローク・ボレー

この2ショットを、より詳しく考えてみます。

1.ストレートやアングルへのリターンが打たれない、

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相手のショットスピード・ポジション別 合理的待機位置

相手のショットスピード・ポジション別 合理的待機位置

こんにちは、トモヒトです。

今回は、相手のショットスピード・ポジション別に、合理的待機位置がどのように変化するかをみてみます。

前提条件まずは、いくつかの前提条件をまとめておきます。

定数(物理定数、用具)

重力加速度=9.81m/s^2

空気密度=1.21kg/m^3

反発係数=0.75

摩擦係数=0.72

ボール半径=0.033m

ボールの質量=0.0577kg

変数

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テニスのポジショニングのキーワード「合理的待機位置」

テニスのポジショニングのキーワード「合理的待機位置」

こんにちは、トモヒトです。

今回は、テニスのリカバリーのキーワード「合理的待機位置」について、考えてみます。

今回の内容に関しては、特にご意見いただけると嬉しいなと思っています。

「合理的待機位置」とは?「合理的待機位置」は、相手のボールを待つための合理的な場所のことです。
つまり、相手のショットに対してコート全体をカバーするうえで効果的なポジションを表します。

合理的待機位置は、相手の返

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ウィナー・エースのデータから考えるオープンコート(ボレー編)

ウィナー・エースのデータから考えるオープンコート(ボレー編)

こんにちは、トモヒトです。

今回は、ウィナー・エースのデータからボレーでのオープンコートについて考えてみます。
ストロークに関しては、下の記事で考察しています。

手順今回は、相手のポジション(A-/A, B/C, D/D-ライン単位)ごとにショットの落下点の内訳を算出します。
ポジション、ショットの落下点は、下の定義に沿って指定します。

また、データは2023年のUSオープン準々決勝以降(左

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ウィナー・エースの結果からオープンコートを考える

ウィナー・エースの結果からオープンコートを考える

こんにちは、トモヒトです。

前回まで、ウィナー・エース時の相手と自分のポジション、ショットの落下点の関係を見てきました。

今回は、これらの結果からオープンコートについて考えてみます。

手順今回は、自分のポジションと相手のポジションの組み合わせでデータを絞り込み、ショットの落下点ごとのデータがどのくらいの割合を占めているかを算出します。

絞り込みの条件としては、以下の通りです。

自分のポジ

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テニスのウィナー/エースを深堀ってみる(ボレー編)

テニスのウィナー/エースを深堀ってみる(ボレー編)

こんにちは、トモヒトです。

今回は、前回の続きで、ボレーでのウィナー・エースを詳しく見ていきます。

失点側のポジション内訳まずは、ウィナー・エースを打たれた側のポジションを見てみます。

A-=20(2A-=1, 3A-=1, 4A-=2, 5A-=16)
A=3(2A=1, 3A=1, 5A=1)
B=1(5B=1)
C=2(3C=1, 5C=1)
D=20(1D=1, 3D=1, 4D=2

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テニスのウィナー/エースを深堀ってみる(アドサイドのストローク編)

テニスのウィナー/エースを深堀ってみる(アドサイドのストローク編)

こんにちは、トモヒトです。

今回は、前回の続きです。

ライン別のポジションの関係性(アドサイドのストローク)Cライン

ポイント獲得側がCラインにいるときの、相手のポジションは次のようになります。

A-=2(5A-=2)
A=3(5A=3)
B=22(4B=9, 5B=13)
C=24(2C=1, 4C=10, 5C=13)
D=9(3D=1, 4D=3, 5D=5)
D-=0

「合理的待

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テニスのウィナー/エースを深堀ってみる(デュースサイドのストローク編)

テニスのウィナー/エースを深堀ってみる(デュースサイドのストローク編)

こんにちは、トモヒトです。

今回は、実際の試合から「ウィナー・エースをとるにはどうすればいいのか?」について考えていきます。

今回の内容には「オープンコートの考え方」(特に「合理的待機位置」)が深くかかわってきます。

ここでは、2023全米オープンの準々決勝以降(左利きのシェルトン選手のカードは除く)の5試合を対象としました。

分析方法ウィナーやエースの場面を抽出し、ポイント獲得側のショッ

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テニスのオープンコートとは?

テニスのオープンコートとは?

こんにちは、トモヒトです。

今回は、オープンコートについて考えていきます。

3つのオープンコートオープンコートは、返球できないエリアのことを表します。

オープンコートには、3種類あるとされています。

ここでは、①と②を中心に話を進めていきます。

合理的待機位置まず、①の空間的オープンコートを考えるうえでカギとなる「合理的待機位置」について確認しておきます。

合理的待機位置は、「相手の返

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ウィナー/エース時の両プレーヤーのポジションとショットコースの関係

ウィナー/エース時の両プレーヤーのポジションとショットコースの関係

こんにちは、トモヒトです。

今回は、エース、ウィナー時の相手のポジションと自分のポジション、ショットのコースから見ていきます。
ここでは、2023USオープン決勝「N. ジョコビッチ vs D. メドベージェフ」の試合を分析対象とします。

コートのポジションの定義まずは、コートのポジションについて定義しておきます。

横方向に関しては、シングルスコートを横に4分割し、デュースサイドの外側から順

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エースを多くとれるプレーヤーが勝てるのか?~エースの割合と勝敗~

エースを多くとれるプレーヤーが勝てるのか?~エースの割合と勝敗~

こんにちは、トモヒトです。

今回は、エースを取ることと勝敗の関係について考えていきます。
「エースはどのくらいの割合なのか」や「勝敗との関係」について、スタッツをもとに見ていきます。

今回のデータも、スポーツナビ(https://sportsnavi.ht.kyodo-d.jp/tennis/schedule/atp/)から2020~2022年のデータを取得しました。

獲得ポイントに占めるエ

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テニスの試合におけるポイント獲得率と勝敗の関係

テニスの試合におけるポイント獲得率と勝敗の関係

テニスの試合は、スコアリングの特徴からポイントを多くとった方が勝つとは限らないスポーツです。
では、実際にはポイント獲得率と勝敗の関係はどのようになっているのかをATPツアーのデータから見ていきます。

分析方法今回は、sportsnaviの各試合のスタッツをもとにポイント獲得率を算出します。
分析対象は2021年のATPツアーの試合のうち、途中棄権を除く3047試合とします。
ポイント獲得率={

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シュワルツマン選手のプレーから身長の低いプレーヤーの勝ち方を考える②ーリターンゲームー

シュワルツマン選手のプレーから身長の低いプレーヤーの勝ち方を考える②ーリターンゲームー

高身長が多数を占めるトッププロの中で、170cmという身長の低さで結果を残しているディエゴ・シュワルツマン選手
活躍の理由を探ることで、身長の低いプレーヤーがどのすれば勝てるのか?を見つけることができるのではないかと考えました。

そこで、シュワルツマン選手の試合を様々な面から見ていき、身長の低いプレーヤーがどう戦うのが良いかについて考えていきます。

今回はリターンゲームがテーマです。
2021

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