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ウィナー・エースの結果からオープンコートを考える

こんにちは、トモヒトです。

前回まで、ウィナー・エース時の相手と自分のポジション、ショットの落下点の関係を見てきました。

今回は、これらの結果からオープンコートについて考えてみます。


手順

今回は、自分のポジションと相手のポジションの組み合わせでデータを絞り込み、ショットの落下点ごとのデータがどのくらいの割合を占めているかを算出します。

絞り込みの条件としては、以下の通りです。

  • 自分のポジション:A, B, C, Dのライン単位で指定する

  • 相手のポジション:4Cのように地点で指定する
    対象としては、4と5のA-~D-の範囲(ベースライン後方のエリア)

  • ショットの種類:ストロークかボレーかを指定する

ポジション、ショットの落下点は、下の定義に沿って指定します。

コートポジションの定義

また、データは2023年のUSオープン準々決勝以降(左利きのシェルトン選手が出場の試合は除く)の5試合を対象とします。

結果①(ストローク)

自分がAラインにいるケース

【相手のポジションが4A】
ショット数の内訳は、2A=0.331、D=0.33、3D=0.33となっています。

4A-Aライン

【相手のポジションが5A】
ショット数の内訳は、3D=0.67、2A=0.33となっています。

5A-Aライン

【相手のポジションが4B】
ショット数の内訳は、3D=0.75、2A=0.25となっています。

4B-Aライン

【相手のポジションが5B】
ショット数の内訳は、3D=0.67、3A=0.22、2A=0.11となっています。

5B-Aライン

【相手のポジションが4C】
ショット数の内訳は、2A=0.6、3A=0.2、3D=0.2となっています。

4C-Aライン

【相手のポジションが5C】
該当するデータがありませんでした。

【相手のポジションが4D】
ショット数の内訳は、3A=1.00となっています。

4D-Aライン

【相手のポジションが5D】
ショット数の内訳は、2B=1.00となっています。

5D-Aライン

自分がBラインにいるケース

【相手のポジションが4A】
ショット数の内訳は、3A=0.33、2D=0.33、3D=0.33となっています。

4A-Bライン

【相手のポジションが5A】
ショット数の内訳は、2A=0.33、1D=0.33、3D=0.33となっています。

5A-Bライン

【相手のポジションが4B】
ショット数の内訳は、2D=1.00となっています。

4B-Bライン

【相手のポジションが5B】
ショット数の内訳は、3D=0.50、2A=0.38、3A=0.12となっています。

5B-Bライン

【相手のポジションが4C】
ショット数の内訳は、2A=0.5、2B=0.25、2D=0.25となっています。

4C-Bライン

【相手のポジションが5C】
ショット数の内訳は、2A=0.83、2D=0.17となっています。

5C-Bライン

【相手のポジションが4D】
ショット数の内訳は、2A=1.00となっています。

4D-Bライン

【相手のポジションが5D】
ショット数の内訳は、2B=1.00となっています。

5D-Bライン

自分がCラインにいるケース

【相手のポジションが4A】
該当するデータがありませんでした。

【相手のポジションが5A】
ショット数の内訳は、1A=0.33、2D=0.33、3D=0.33となっています。

5A-Cライン

【相手のポジションが4B】
ショット数の内訳は、2D=0.33、3A=0.22、3D=0.22、2A=0.11、2B=0.11となっています。

4B-Cライン

【相手のポジションが5B】
ショット数の内訳は、2D=0.5、2A=0.21、3D=0.14、3A=0.071、2B=0.071となっています。

5B-Cライン

【相手のポジションが4C】
ショット数の内訳は、3D=0.4、2A=0.2、3A=0.2、1A=0.1、2D=0.1となっています。

4C-Cライン

【相手のポジションが5C】
ショット数の内訳は、3A=0.38、2D=0.23、2A=0.15、3D=0.15、1D=0.077となっています。

5C-Cライン

【相手のポジションが4D】
ショット数の内訳は、3A=1.00となっています。

4D-Cライン

【相手のポジションが5D】
ショット数の内訳は、3A=0.6、1A=0.2、2B=0.2となっています。

5D-Cライン

自分がDラインにいるケース

【相手のポジションが4A】
ショット数の内訳は、3D=1.00となっています。

4A-Dライン

【相手のポジションが5A】
該当するデータがありませんでした。

【相手のポジションが4B】
該当するデータがありませんでした。

【相手のポジションが5B】
ショット数の内訳は、3D=0.6、2C=0.2、2D=0.2となっています。

5B-Dライン

【相手のポジションが4C】
ショット数の内訳は、3A=0.5、2D=0.25、2A=0.17、3D=0.083となっています。

4C-Dライン

【相手のポジションが5C】
ショット数の内訳は、3A=0.41、2D=0.35、3D=0.12、2A=0.059、1D=0.059となっています。

5C-Dライン

【相手のポジションが4D】
ショット数の内訳は、3A=0.67、2D=0.33となっています。

4D-Dライン

【相手のポジションが5D】
ショット数の内訳は、3A=0.43、1A=0.14、2A=0.14、2D=0.14、3D=0.14となっています。

5D-Dライン

結果からオープンコートを考える

ここまでの結果をもとに、相手と自分のポジション別にオープンコートを考えてみます。

Aライン vs Aライン

お互いにAラインにいる場合、メインターゲットはDラインになります。
そして、相手がDラインを埋めようとリカバリーに走れば、2A, 3A近辺が「心理的オープンコート」として使えるようになります。

Aライン vs Aライン

Aライン vs Bライン

Aラインよりもセンターに寄ったBラインでは、相手がAラインにいるときは有効でなかった3Aが使えるようになります(ウィナー・エースにするために要求されるコントロールの質は高くなります)。
また、DラインへのショットがAライン vs Aラインのときよりも決まりにくくなり、より高い精度やパワーが要求されるようになります。

Aライン vs Bライン

Aライン vs Cライン

相手がCラインにくると、AラインとDラインの重要度が逆転します。
2Aや3Aへのショットがより決まりやすくなり、反対にDラインでのポイント獲得がしにくくなっています。
メインターゲットは2A, 3Aとし、相手がAラインを埋めようとするなら「心理的オープンコート」として3Dが機能しやすくなります。

Aライン vs Cライン

Aライン vs Dライン

相手がDラインにいる場合、Aラインが大きく空くことになります。
そのため、メインターゲットは2A, 3Aとし、相手がAを埋めにくるなら、3Dが「心理的オープンコート」として有効となります。

Aライン vs Dライン

Bライン vs Aライン

メインターゲットは、「空間的オープンコート」であるDラインとなります。
もし、相手がDラインを埋めるためにリカバリーするなら、「心理的オープンコート」として2A, 3Aのエリアを使うことができます。

Bライン vs Aライン

Bライン vs Bライン

2D, 3Dの「空間的オープンコート」としての機能は、相手がAラインにいるときと比較すると弱まっていますが、メインターゲットとなります。
一方、2A, 3Aの「空間的オープンコート」としての機能が有効となっています。

Bライン vs Bライン

Bライン vs Cライン

2A, 3Aが「空間的オープンコート」としてメインターゲットとなります。
また、相手がAラインのリカバリーに動けば、2Dが「心理的オープンコート」として有効になります。

Bライン vs Cライン

Bライン vs Dライン

メインターゲットは、「空間的オープンコート」の2A, 3Aとなります。
また、今回のデータにはなかったですが、相手がAラインを埋めようとすれば、「心理的オープンコート」として2Dが機能します。

Bライン vs Dライン

Cライン vs Aライン

「空間的オープンコート」となる2D, 3Dが、メインターゲットになります。
また、相手がDラインのスペースを埋めようとすれば、「心理的オープンコート」として2A周辺が有効になります。

Cライン vs Aライン

Cライン vs Bライン

「空間的オープンコート」の2D, 3Dがメインターゲットになります。
また、Dラインを相手が埋めようとすれば、「心理的オープンコート」として2A, 3Aが有効となります。

Cライン vs Bライン

Cライン vs Cライン

AラインとDラインが有効となります。
特に、2と3のエリアへのショットが効果的と考えられます。

Cライン vs Cライン

Cライン vs Dライン

「空間的オープンコート」であるAラインが、メインターゲットになります。
また、Aラインのスペースを埋めようと相手が動けば、「心理的オープンコート」として2D, 3Dが有効になる可能性が出てきます。

Cライン vs Dライン

Dライン vs Aライン

「空間的オープンコート」である2D, 3Dが、メインターゲットになります。

Dライン vs Aライン

Dライン vs Bライン

「空間的オープンコート」である2D, 3Dが、メインターゲットになります。

Dライン vs Bライン

Dライン vs Cライン

AラインとDラインがメインターゲットになります。

Dライン vs Cライン

Dライン vs Dライン

「空間的オープンコート」であるAラインが、メインターゲットになります。
また、Aラインのスペースを埋めるために相手が動けば、2Dが「心理的オープンコート」として機能します。

Dライン vs Dライン

まとめ

今回は、ウィナー・エースのデータから、オープンコートを考えてきました。

相手と自分のポジションの関係によってオープンコートは変化します。
オープンコート内でもポイント獲得率がエリアごとに変化する可能性も感じたので、今後はその点も考慮した考察をしてみようと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想あれば、コメントにお願いします。

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