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Tomoppiaナースのひとりごと~Tomopiiaの『対話』の価値~

Tomopiiaの対話サービスは、ちょっとユニークなサービスです。
医療サービスでもなく、カウンセリングとも違う・・・。『がん患者さんに本当に求められているサービスなのだろうか?』と、私の中で明確な答えは出ていません。そんな『Tomopiiaの価値』について今回はお話ししようと思います。

対話ナースがユーザーさんにできることは何か?そんなことはあまり考えず、人としての出逢いを大切にし、文章を通じてではありますが、そのユーザーさんとともに時間を過ごすことが出来たらと私は思っています。

Tomopiiaの対話は少し不思議な世界です。これまで、全く話したこともない方と文章だけのやりとり・・・はじめはお互い様子を伺いながらです(笑)
医療サービスでは無いというと、何もできないと思われがちですが、元々看護師の仕事はつなぐ仕事でもあると思っています。何かを判断することや、指示すること、答えを出すことをしなくても、患者さんの思いを現場で治療している先生方に患者さんの力で伝えることのお手伝いができれば、それは患者さんと医師を繋ぐことになります。

ただ、Tomopiiaの価値はさらにもっと深いところにあるのではないかと思います。そんなことに思いを巡らしているときに、対話サービスでKさんと出逢いました。

Kさんは、大腸がんで手術をし、対話が始まったのは化学療法が始まったばかりの頃でした。Kさんとの対話は、はじめはこれまでの治療の経緯やお薬の事など、どちらかというと医療に近いお話でした。とはいえ治療について話をする場合も『なぜ、そうしたのか』『なぜ、そう思うのか』など、必ずそこにはその人それぞれの思いが存在します。
そこを紐解いていくと、気が付けば、日常の出来事や、趣味の話、その人を取り巻く環境や歴史、様々なところへと話題が広がっていきます。これは、Kさんとの対話を通じて後から気づいたことですが。

一見、がんの治療とは何も関係ない話のようですが、がんになったのは、他の誰でもなくその方自身です。がんの部分だけ切り取って対話をする方が不自然な事なのだと思います。がんはその方の人生の一部なのですから。

ある日、Tomopiiaの対話サービスに向けて、Kさんがこんなことを言ってくれました。

今やネット上でも様々な情報は入手できますが、何が自分にとって正しい情報かを見極めるのは難しいこともあります。こういう場を設けていただき、治療や副作用のアドバイス、不安の解消など安心して利用させていただいています。何よりも心と精神的な安定が得られることに大変感謝しています。
日常的な会話の方がはるかに多いですが、普段の生活や心情などをお話しする事で心が通じ、当然お会いしたこともお顔を拝見したこともないのに、心が気持ちが寄り添ってくれているのを感じます。

以前、このブログで『寄り添う』をテーマに書かせていただきましたが、Kさんの『寄り添ってくれているのを感じます』という言葉は、私にとって、Tomopiiaにとって、最高のご褒美でした。

Tomopiiaの価値、それは一言では言い表せませんが、ユーザーさん一人ひとりの心の中で生まれるものなのかもしれないとKさんとの対話で感じたのでした。


「Tomopiiaナースのひとりごと ~寄り添うということ その1~」はこちら

「Tomopiiaナースのひとりごと ~寄り添うということ その2~」はこちら


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