オーロラを観ても人生は変わらない
よく、「絶景を見ると人生観が変わる」なんて言われる。
「人生を変える絶景!」とかっていうキャッチコピーもよく見かける。
でも、本当にそうなんだろうか。
美しい景色を見たら、それだけで人生が変わることなんてあるのだろうか。
先月、カナダのイエローナイフに行ってオーロラを観てきた。
オーロラの中でもMAXレベルの「オーロラ爆発」と言われるものを鑑賞し、きっと人生で一度きりになるであろう神秘的な体験をした。
写真でも美しいけれど、実物はもっと綺麗だった。
実物はこんなに強い緑色ではなくて、白色で天の川のような感じ。ヒラヒラと裾が動いていて形がどんどん変わっていく。とても神秘的で美しい夜空を、一緒に行った友人ともう一人ツアーで一緒になった方と3人でずっと見上げていた。
美しいという一言に尽きる。そんな経験。
次の日母親に写真を送ったら、「こんな綺麗なオーロラをみたら人生変わるね」と言われた。
ここで冒頭の話題に戻るのだけど、よく「絶景を見ると人生が変わる」なんていう。
でも、ハッキリ言って綺麗なオーロラを見ただけでは人生は変わらない。
元々私は人生を変えたいと思ってオーロラを観に行ったわけではないし、オーロラについて調べている間に幾度となく「人生を変える絶景」的な表現を目にしたけれど、「そんなことはないだろうな」と思ってオーロラ鑑賞に臨んだ。
オーロラを好きになって「もっと他にもオーロラをみたい!オーロラハンターになろう!」とか「この美しさを伝えるために写真家になろう!」とかならあるかもしれないけど。
でも、普通にこの先オーロラと無関係な人生を送るなら、オーロラ鑑賞の経験自体は人生に何も影響を及ぼさないよな、と思っていたし今も思っている。
でも、美しいオーロラを目の前にして私が思ったのは、人生がいきなりガラリと変わることはないけれど、こうした小さな「やりたいことができた経験」というのは私の糧となるんだろうな、ってこと。
「綺麗なオーロラを観てみたい」という小さな夢を、実際に行動に移して叶えたことは、私をすごく幸福な気持ちにさせたし、「やってみたいことはやっておくべきだな」という勇気みたいなものが湧いてきた。
自己実現とかスキルを身につけるとかそんなことじゃなくて、ただただ純粋に自分が「やってみたいこと」「みてみたいもの」を体験することってすごく価値のあることだと思う。私はそんなことをオーロラを観ながら思ったから、結果的に少しだけ人生観は変わったのかもしれない。
ガラリと変わることはないけれど、でもこんな風に普段とは違うことを体験することで少しずつ少しずつ自分の人生って変わっていくんだろうな。なんて。
これからもたくさんそんな経験をして、純粋に自分の楽しいことを追い求められる人生を送っていきたい。今回のオーロラの旅は「あの時のオーロラ綺麗だったな」と私の心にずっと残り続けると思う。そんな旅をたくさんしたい。
次の旅先はどこだろう。景色、芸術、文化、食事、これからもたくさん「小さな人生の変化」をたくさん味わえますように。
美しすぎたオーロラの写真はこちら
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