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『#Eぐみに会いに行く。』vol.7 【後編】〜にっくんインタビュー@御徒町〜

高校時代の同級生へのインタビュー企画 #Eぐみに会いに行く 。今回のインタビュイーは、現在、宝石会社に勤務するにっくん。御徒町にあるにっくんのオフィスにお邪魔して、お話を伺っています。前半では、宝石業界に就職した経緯についておききしました。後半では最近のお仕事やこれからのことについて伺います。

『#Eぐみに会いに行く。』
vol.7

インタビュアー・神田朋子

今回のインタビュイー:にっくん(仮名)
大学卒業後、宝石を販売する会社の営業部門に就職。訪問販売の現場を経験した後、現在の会社へ転職。中古ジュエリーを中心に、国内外の顧客を相手として取引を行う。

にっくん
(写真撮影はNGとのことで、
今回は猫の姿でご登場いただいております。)


市場の変化と転職


神田:
最初に入った訪問販売の会社を辞めて、転職した先が今の会社なんだよね?

にっくん:そう。就職して2年が経ったころだね。

神田:転職を決めたのは、最初の会社の訪問販売の仕事がキツかったから?

にっくん:確かに体力的にもメンタル的にも、この先長く続けられるのかっていう不安はあったかな。それに当時、宝石販売の世界では「下取り」っていうサービスが一般的になってきたころだったの。

神田:私、「下取り」って、聞いたことはあるけどやったことない。

にっくん:例えば、100万円の宝石があったとして、お客さんにそのままの価格で売るのがシンプルな商売。でも100万円を支払うのが経済的に難しい人もいるよね。だから店側は、お客さんに宝石を買ってもらうのを条件に、もともとお客さんが持ってる使わなくなった宝石を買い取るの。もし70万円で買い取ったとしたら、お客さんが支払うのは残りの30万円になる。これが下取りの仕組み。

神田:うんうん。

にっくん:時代の流れとともに、この下取りのシステムなしでは商品が売りにくくなっていったの。店側にとっても、下取りせずに100万円の宝石を売ったとして、そのお客さんが仮に5年間のローンを組んだら、その間、同じお客さんに対して別の宝石を売るのは難しくなる。

神田:確かに。

にっくん:ということは、よくよく考えてみると、お客さんから古い宝石を買い取る部分に特化したビジネスに力を入れた方がいいんじゃないか、っていう発想になったの。それで、買取品のビジネスを主軸にしてる今の会社に転職を決めたわけ。

神田:どうして古いものを買い取ることが、商売になるの?

にっくん:
いい質問だね。古い宝石でも、「新品仕上げ」って言って、専門の職人さんが磨けば新品に近い状態に戻せるんだよ。お客さんから買い取った宝石を綺麗にして、それをさらに別のお客さんに販売する。その方が、いろんなお客さんに楽しんでもらえるしね。

神田:なるほど〜。


「今・ここで」仕事をすることの面白さ


神田:今、にっくんはどんな仕事をしてるの?

にっくん:主にインターネット上で宝石を販売する仕事だね。うちの会社は路面店だけじゃなくて、ECサイトとかインスタグラムでも商品を売ってるんだよ。

神田:インスタグラムでも!

にっくん:そう。海外の人たちとも、結構取引があるの。

神田:すごいねぇ。

にっくん:最近、うちの会社は中古買取業界の中でも比較的大きな会社の傘下に入ったんだよ。

神田:そうなんだ。

にっくん:それまでは資金もなかったから、商品を売るのにも、すごく頭を使ってやって来た。それが大企業のグループ会社になったおかげで、今まで出品できなかったECサイトに商品を出せるようになったり、販売する商品の数や種類を増やしたりできるようになったんだよ。

神田:へぇ〜!

にっくん:これまでだったら諦めてたようなことにも挑戦できるようになったから、どんどん仕事が面白くなってきたんだよね。

神田:にっくん、なんだか生き生きしてる! 楽しそう(笑)!

にっくん:うん(笑)。この業界には、会社に属さないで独立してやってる人たちもいて、それこそ、「今の1秒が明日の10万円の稼ぎにつながる」みたいな仕事をしてるんだ。そういう個人プレーもいいんだけど、チームやグループの方ができることのバリエーションが多いし、動かせるものも大きくなるんだよね。だから今の俺にとっては、そっちの方が楽しいんだ。

仲間たちと一緒に


神田:ところで、ずっと気になってたのが、事前に用意してくれた経歴表にある「得たもの」の欄。どの時期にも、「飲み仲間」って書いてあるんだけど……(笑)。

にっくんが事前に用意してくれた経歴表

神田:就職後の飲み仲間って、どんなふうに出来たの?

にっくん:宝石業界では、オークションが毎週のようにあるんだよ。そういうところに行くと、色んな人に出会うの。狙ってた商品の好みが被ってたり、商売の方針が似てたりすると、気の合う人同士でグループができる。

神田:へぇ〜。

にっくん:そういう出会いが、けっこう仕事に繋がるの。二代目が多い世界だから、横のつながりの大切さも年々身に染みるようになったね。

神田:どういうこと?

にっくん:ずっと一緒に夢を語り合って来た仲間が、会社を継いで発言力を持つようになる。そうすると、「若いころは出来なかったけど、あの時の夢、もう一度俺たちでやってみない?」みたいな話が出てくるんだ。

神田:ワクワクするね。

にっくん:うん! そうなの!

にっくん:もともとは父親の会社を継ぐ名目で入ったこの世界だけど、今まで育ててきたコネクションのおかげで、出来ることが広がってきた。さっき言ったみたいに、会社員の立場だからこそ、やれることもある。

神田:じゃあ、当分は独立しない予定?

にっくん:そうだね。独立すると、経理や総務の仕事も自分一人でやらないといけなくなるし。それよりは、今はこの立場で、最大限やりたいことをやるのが楽しいかな。

神田:なるほどね!
今日はにっくんが元気そうにしてるのが分かって、本当に良かったよ。コロナ禍も落ち着いたし、そろそろ高校時代のみんなと一緒に集まれるといいな。

にっくん:そうだね! 俺もみんなに会いたいよ!

神田:じゃあ最後に、にっくん、Eぐみのみんなに何か伝えたいことはない?

にっくん:みんな、うちの会社のSNSフォローしてね!!

神田:さすが、すごい営業魂……。

にっくん:だって、せっかく御徒町まで取材に来てくれたんだもの。ちゃんと会社のアピールしとかなきゃ!

神田:そうだよね……(笑)。

にっくん:ところでかんちゃん、次回のインタビューはどこに行くの?

神田:次はねぇ…… ニューヨーク。

にっくん:えっっっ?!!

それでは皆さま、次回はニューヨークでお会いしましょう!!

(取材日:2023年9月10日 @御徒町)

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