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海外MBA期間中、楽しかったこと(授業外)

今回は、私自身の海外MBA期間中、楽しかったことについて、思いつくままに書き連ねてみます。

いつも何を書いていいか書くべきでないか、書き方をどうしようか試行錯誤するのですが、今回は非常に高速で執筆することができました。

以下のもの以外にも色々あるのですが、IESE(イエセ)のPRになりすぎないようにという趣旨も兼ねて、今回はあえて授業以外(一部学外)に重きを置いてみました。

大変恐縮ながら、新型コロナウィルスの最中には実現不可能な内容を少なからず含んでいますが、どうか、こんな「日常」が一刻も早く戻りますように...!(戻らないはずはないと強く信じています)


ケースコンペティション

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ケースコンペティションは、そのタイミングで実際に生じているビジネス上の課題を企業が学校に持ち込んで、学生有志によって組成される複数のチームがその課題に対応し、各チームのパフォーマンス(主にプレゼン)が当該企業の担当者等から構成される審査員によって審査されるという課外活動です。

在学中参加したうちの1つが、メキシコシティのIPADE(IESEが全世界に設立を支援したビジネススクール約15校のうちの1つ)で行われた8校合同のケースコンペティションでした。

ちなみに、他の参加校は、CEIBS(中国)、Darden(米国)、Tuck(米国)、Marshall(米国)、IAE(アルゼンチン)、Telfer(カナダ)でした。

カバーレターのみでの学内選考で、幸運にもIESE生の代表2名のうち1名に選ばれました。

デロイトとノバルティスが持ち込んだヘルスケア/マーケティング関連のお題に、学校混合のチームで、3日間かけて立ち向かう、という非常に刺激的なものでした。

結果、チームとしては約10チーム中3位でしたが、参加して良かったことは、以下の通りです。

・他校に友達を追加で作ることができた。

・卒業3ヶ月前の2月に参加したケースコンペティションだったので、自分のMBA期間中の総合的な成長を確認できた。

・普段のIESEのチームワークと異なる他の学校のチームワークのスタイルが垣間見れた。

・メキシコシティまでの旅費と滞在費が、運営側によってカバーされた。

・前回は某国際会議への参加のための出張で殆ど観光できなかったところ、メキシコシティ市内+テオティワカンを観光できた。

ちなみに、その直後に、「ドバイ政府サミット」なるものがドバイで開催されました。

自らの勤務経験に基づき公的セクターへの関心が海外MBA生の平均よりも高かったであろう立場から、そちらにも参加したかったのですが、フライト(と費用)の関係で断念しました。

海外MBA中は、こういった難しい選択が何個もあった気がします...


マルチカルチ

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IESEでは、例年、約350名を約55カ国から迎えている多様性を体現した国際文化祭が春先に開催されており、それがマルチカルチで、スペイン広場近くのテーマパークの一角を貸し切って行われます。

学生が国別・地域別にブースを出して自国料理やお酒を振舞うと共に、ステージでは、次々と各国のダンスが披露され続け騒ぎまくるというものです。

日本チームは、食事チームとダンスチームに分かれていましたが、私はこのダンスチームの一員でした。

忙しさのピークにある2学期にこのイベントを開催してしまうあたり、安定してスパルタ色の強い学校です。

入念な準備が大好きな日本チームは、放課後にキャンパス内の部屋に集まってのダンスの練習(選定含む)をするのに、1ヶ月くらいの時間をかけていました。

私の年の日本チームは、慎重且つ戦略的な検討を重ねた結果、「女装AKB」等の選択肢を切り捨て、笑い&盛り上がる系の「すもささいず」に取り組むことになりました。

ダンスの本番までに酔っ払うメンバーが出てくるのはもはや想定済み事案です。

それでもグダグダにならずに、むしろそれでも体が自然と動くまでに練習を積んでおくのが日本人クオリティです。

ちなみに、私のチームメートのインド人から聞いた限りにおいて大して練習もせずにキレキレのダンスを披露するあたり、インドは突出していました...

終了後は、食事チームをサポートしつつ、相撲の衣装のまま誰かと相撲したり、色んな国のテーブルでお酒をどんどん飲ませられ、気づけば自宅で朝(というか昼)を迎えている、といった感じでした。

私個人としては、当日失ったものが、会場で紛失した可能性の高いジャケットのフード程度で済みましたが、色んなものを失った人がいたようです 笑


ジャパントレック

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日本食をふるまうジャパンディナーは多くの学校に存在します。

IESEの場合は、当時、前述のマルチカルチとは別途、おそらく約1.5-2ヶ月に1回くらいのペースで開催しており、満員御礼状態が恒常的でした。

他方、ジャパントレックの有無が、学校における日本コミュニティの存在感を測る1つの指標になるのではないかと思います。

ジャパントレックは、通常、日本人を中心とした学生有志が、外国人の大群を引き連れて日本を縦横無尽に旅行するイベントです。

IESEは、1年目の学業面の多忙さゆえに、「2年生の2年生による2年生のためのジャパントレック」となる点が、他校と大きく異なる点です。

私の代(MBA Class of 2016)では、10名強の日本人が率先する形で約120名の外国人学生(パートナー含む)を連れて、卒業間際の4月末にほぼ卒業旅行の位置付けで、東京-熱海-京都-広島(奈良か大阪か広島のいずれかを選択)を8日間かけて旅行しました。

学生の参加人数という点で、これは、全海外MBA中歴代最多規模に近いのではないかと思います。

1年生終了後の夏休み頃から半年以上の期間をかけて準備する一大イベントで、学校として有する数あるトレックの中でも最も大きいもので、日本の旅行先としての人気を顕著に示しています。

ただ、日本のビジネスに対する外国人学生の関心は一般的にさほど高くない(*)ため、ビジネス系のアクティビティはトヨタ自動車の工場への訪問のみ予定されておりましたが、それも熊本地震の影響でサプライチェーンに問題が生じた結果、キャンセルとなりました。

*言語による参入障壁の高さが外国人学生にとっての日本における就業機会を奪い、結果的に、日本のビジネスに対する関心を削いでいる、というのが正確なところでしょう。

自分のホームフィールドで戦う、海外MBA期間中の稀な機会ということで、外国人同級生から次から次に頼られ、今までほぼ縁のなかった同級生とも一気に親交を深めることができたのが幸運でした。

授業とは異なり、常に誰かと喋っているイメージに近いので、ネットワークが瞬く間に広がっていった気がします。

京都の料亭での舞妓演舞、浅草での相撲の朝特訓見学や蕎麦作りといった、日本人としても味わったことのない経験を、この機会に同級生と共有できたのも貴重でした。

また、運営側だった日本人同級生の結束も一層強まりました。

特に東京滞在中は午前・午後双方にアクティビティの選択肢を7-8個ずつくらい散りばめました。

そのため、その間の移動も含めオペレーションが大変なことになるなど、ロジ面は本当に混沌としていましたし、ここに書けないような色々な事案も道中生じたのですが 笑、全てが素敵な思い出です。


欧州サッカー観戦

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IESE MBAの19ヶ月の期間中で約25回、FCバルセロナのホームスタジアムであるカンプ・ノウに試合観戦に行きました。

この約25回は、チャンピオンズリーグでのホームゲーム全試合とエル・クラシコ(レアル・マドリードとの伝統の一戦)を含みます。

バルセロナの知られざる利点として、エル・クラシコなどごく一部の試合を除き、FCバルセロナの試合であっても、チケットが公式サイトで、比較的安価に且つ簡単に取れることがあります。

通常、試合の前日に、毎回ほぼ同じ区域の席のチケットを買って、家から徒歩約25分(もしくは学校から徒歩約20分)とわかっているました。

したがって、時間を無駄にせず、試合開始前の選手入場ないしアンセム開始のタイミングどんぴしゃで着席というのが、MBA後半戦は板についてきました 笑

やたら試験期間中にチャンピオンズリーグの試合が重なっていた気がしますが、関係なく執念で見に行っておりました(その反動は多少成績に表れていたかも...)。

毎回最安値(50-70ユーロ以上)の価格帯のチケットを購入していました。

FCバルセロナが絶対に勝つとわかっているリーガ・エスパニョーラのいくつかの試合まで見に行くと、私費生として財布が非常に苦しくなることに気づいたので、そういった試合を観に行くのは自重しました。

FCバルセロナが三冠に輝いたのが在学中1年生のタイミングだったので、バルセロナの街の熱狂を含めて、その瞬間を目のあたりにすることができたのは本当に幸運でした。

2年生で時間にゆとりができてからは、香川選手のいたドルトムントの試合や本田選手のいたACミランの試合なども見に行きました。

プレミアリーグ(英国)だけはチケットを安価かつ正規に入手することが段違いに困難だったので、この留学期間中に見に行くことはありませんでした。

代表戦に関しては、心の祖国オランダのチェコ戦(@アムステルダム)やルクセンブルク戦(@ルクセンブルク)を観戦しました。

更に、実は、卒業して3日後には、私はIESEで働き始めたのですが(!)、その後2ヶ月超の間はバルセロナで働いていたため、欧州選手権(EURO 2016)のハンガリー対ベルギー(@トゥールーズ)やドイツ対イタリア(@ボルドー)も週末で弾丸で観戦しに行きました。


海外旅行

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MBA前の旅行経験のためにMBA期間中は攻めた系の場所(北アイルランド、コソボ、キプロスなど)を中心に旅行していたことは、以下の記事にも書きました。

時間にゆとりのできた2年生になってからは2週間に一度くらいは、スペイン国内外に旅行していた気がします。

バルセロナが本拠の格安航空会社であるVuelingを高頻度で利用していましたが、一部の競合他社と比較して、サービスレベルも全く悪くないので、快適でした。

他方、1ヶ月の冬休みは、週末+αでは行けない場所に行こう、ということで冬休み第一弾(!)として、バルセロナから10日の旅程でボリビアとペルーに行きました。

日本から行くのと比較して、マイアミで一度乗り継ぎはあったものの、時間的にも費用的にも圧倒的に恵まれた条件で南米に行くことができました。

初の南米大陸上陸だったこともそうですが、帰省中の同級生複数名がリマにて出迎えてくれたことが嬉しかったです。

相手の母国(ペルー)で話す話はバルセロナでのそれとは随分変わってきます。

また、地元民しか行かないお店で本場のピスコサワーやセビーチェを堪能できたり、時間のある冬休みに落ち着いてキャリアを考える中でお互いに意見をぶつけ合ったり、と貴重な時間でした。

ちなみに、このペルー人の同級生とランチしたのは、ボリビアのウユニ塩湖に、日焼け止めなしで突っ込むという愚行を働いた3日後でしたので、私の美白の肌は見る影もありません 笑

写真の彼ではありませんが、同じくリマで歓待してくれた別のペルー人を、既述のジャパントレック終了後に、銀座の鉄板焼に連れていってあげたりしたのも良い思い出です。

なお、IESEの2年生には、各2週間の海外モジュールがあり、8月下旬に開催されるサンパウロとニューヨークでのモジュール、1月上旬に開催される上海とナイロビのモジュールの計4つがあります。

ナイロビのモジュールは参加できたものの、サンパウロは、夏のインターンとの兼ね合いによりなくなく逃すことになったため、これまで80カ国超を旅しているものの、ブラジルやその界隈のアルゼンチンなどの国は未踏で、少し悔やんでいます。

つくづく、海外MBA期間中はトレードオフの連続です。


おわりに

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立場上どうしても、普段は、学校について比較的真面目な文脈で語ることが多くなるのですが、本記事を執筆中、暫く記憶の深い部分に眠っていた楽しい思い出が色々と蘇ってきました!

たとえ、置かれている環境が異なったとしても(楽しみ方に制約があったとしても)、留学は楽しんだもの勝ちです。

海外MBAの場合、ほんの少し老けた人たちが、再度、第二の青春を謳歌しているようなイメージです。



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