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詩人論・詩集の紹介

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詩人についての論評や詩集を紹介しています。
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記事一覧

題:現代詩文庫1001「北村透谷詩集」を読んで

現代詩文庫1001とは、シリーズ本の一番の初めである。なるほど近代詩人編の最初に北村透谷…

歩く魚
3年前
10

題:上田敏訳詩集「海潮音」を読んで

日本における近代史の経緯は、亀井俊介著「日本近代詩の成立」の感想文に記述しているが、その…

歩く魚
3年前
11

題:ジャン=ポール・サルトル著 渡辺守章・平井啓之訳「マラルメ論」を読んで

モーリス・ブランショの「来たるべき書物」では結構マラルメについて論じていた。サルトルも「…

歩く魚
3年前
21

題:亀井俊介著 「日本近代詩の成立」を読んで

新聞で知り読んだ本である。著者は和歌を含めた古来の日本の詩歌を、また近代の俳句、短歌を含…

歩く魚
3年前
29

題:天沢退二郎著 「光車よ、回れ」を読んで

天沢退二郎は詩人である、以前彼の詩集を読んだときは良かったと記憶している。ところが結構小…

歩く魚
3年前
6

題:富岡多恵子著 新選現代詩文庫107「新選 富岡多恵子詩集」などを読んで

作家ではなくて、詩人の富岡多恵子を知ったのは、白石かずこ著「詩の風景・詩人の肖像」を読ん…

歩く魚
3年前
8

題:ウィリアム・ブレイク著 土井光知訳「ブレイク詩集」を読んで

どこで知ったか記憶がないが、紹介されていた詩を良いなと思い読んだ詩集である。結論から述べると言葉が柔らかくて実感を伴わせた感情が素直に表現されている。日常に張り巡らされている感覚が喜びと悲しみを歌い、柔らかくて優しい言葉が包んでくれる詩である。類似の詩人を選ぶとするなら、エミリー・ディキンソンを思い浮かべるが、ディキンソンのような小さな秘密や神秘性はない。言葉の運び方が似ていないこともないということだけである。ブレイクには霊性に預言性や潜まれている神性への崇拝や恐れなどがある

題:マラルメ著 渡辺守彰訳「マラルメ詩集」、マラルメ著 秋山澄夫訳「イジチュール…

マラルメの詩集は加藤美雄訳「マラルメ詩集 世界の詩31」を持っていたが、難しくて読まなか…

歩く魚
5年前
5

題:アルチュール・ランボー著 鈴木創士訳「ランボー全集」を読んで

「猫町」と「巴里の憂鬱」に続いて、ランボーの「地獄の季節」を読みたい。もう、既に、何年か…

歩く魚
5年前
5

題:ボードレール著 三好達治訳「巴里の憂鬱」を読んで

この「巴里の憂鬱」は「悪の華」に大いに関係がある。でも、「悪の華」は読んだことがあるけれ…

歩く魚
5年前
10

題:大岡信著「萩原朔太郎」を読んで

萩原朔太郎の詩は好きであるが、文庫本の全集一冊と復刻版「蝶を夢む」を読んだぐらいで、それ…

歩く魚
4年前
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題:白石かずこ著 「砂族からの手紙」を読んで

白石かずこの詩を読むと、とても安心する、とても落ち着く。ダイナミックな言葉が波のように押…

歩く魚
4年前
7

題:最果タヒ著 「星か獣なる季節」を読んで

この「星か獣なる季節」の、月並みに平凡に幼くて、でも屈折して抗いながら折れそうに繊細な心…

歩く魚
5年前
2

題:最果タヒ著 「夜空はいつでも最高密度の青色だ」を読んで

著者の小説「星か獣になる季節」はとても良かったと記憶している。本書も映画化になったとのことで読むことにした。ところが、小説ではなくて詩である。なんて馬鹿なんだろう、映画化は小説をもとにして行われるとの先入観に支配されていたのである。それにしても映画の製作者はイマジネーションに富んだ人なのだろう。著者の詩は「グッドモーニング」と「死んでしまう系のぼくらに」を読んでいる。「グッドモーニング」は怒りに満ちていて良かったが、「死んでしまう系のぼくらに」は端的に言うと軽質な詩である。無