清水正之著 「日本思想史」を読んで
日本に思想と言われるものがあったかどうか、気になり読んだ本である。思想とは何か。特に日本思想とは何か。著者はまず初めに日本思想と言われる意味内容について問う。今も続いているテーマなのである。著者は思想の対象としては、哲学としての自然・人間・超越的存在(神や仏)についての意識と、詩や文学などに表現される人間観・世界観、それらに道徳・モラルを表す倫理観を含めて題材とすると述べている。つまりは、思想と呼ばれうべきものすべてを取り扱うのである。目次を見て分かる通りに、古代、中世、近世