川端康成著「みずうみ」を読んで
小説と言う名を借りた取り留めのない作り話と言って良い。小説とはそういうものだと言われればそうであるが、質的に低い作品の、この「みずうみ」は母の村のみずうみである。少年時代の銀平はやよいを誘き出して幸福にひたっていた。無論、湖には霧が立ち込めて岸辺の氷の向こうは霧に隠れて無限だった。この「無限」という中途半端に使われた言葉の意味を、この「みずうみ」なる小説で見つけ出すことは容易ではない。決して霧に隠れて視界が閉じて無限に見えないのではない、霧が世界を覆っていても無限に世界が広が