題:モーリス・メルロ=ポンティ著 滝浦静雄 木田元訳「行動の構造」を読んで
メルロ=ポンティの主要な著作物を読むのは初めてである。落ち着いてしっかりと地に足をつけた文章は奇をてらったところがない、きっとまじめで一貫した論理的な思考の持ち主なのであろう。でも、なぜか、訳文のせいだろうか、ベルグソンの文章ように美文調でもないし、ドゥルーズの文章ように論理的な難解性や誌的抒情性を含んでいずに、意気込んで読むこともできず、少々飽きがきてしまう。それに丹念に読まなければ難しくなるのである。きっとメルロ=ポンティの思想の重要性に対してそれほど脚光を浴びないのは、