ジョー・ブスケ著 谷口清彦・右崎有希訳「傷と出来事」を読んで
読み始めると、キーになる言葉がでてくる。生と死、出来事。声に光、死者に実存、言語、形象、理念。ロジックにテクスト。そして文章は抒情的な散文で、素敵である。記述方法は箴言に近い断章である。箴言と言っても戒めらしい格言ではなく、思想に近い詩的な文章である。感心して読んでいると、残念なことに記述する文章が上っ面になってくる。抒情的な散文とは素敵ではない、どうでも良いことの定義であり、感想であり、走り書きとなってくる。そして、いつの間にか美しい顔の彼女がでてくる。現実なのか幻想なのか