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いつからだろう。夏の終わりを意識しなくなったのは。子供の頃は夏の終わりが寂しかった。毎日が自由で冒険に溢れ、活き活きとした生活の日々が終わり、学校へ行く日常に戻るのが僕の気持ちを沈み込ませた。特に夏休み後半の1週間は寂しくてしょうがなかった。カレンダーを見るたびに1ヶ月前に戻ってくれないかと、本気で何度も願ったものだ。そして最後には諦め、また来年の夏の始まりを待ち始めるのだった。夏休みの最後の日、

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タカシが僕を連れ出したのは ちょうど梅雨が明けた日だった
僕はその日 ひどく落ち込んでいた
得意の鉄棒で失敗し クラスのみんなに笑われてしまったのだ
みんなからしてみれば 一度の失敗でしかない
でも僕からしてみれば それは死刑宣告にも似たものだった
まるで自分を中心に回っていた世界が 突如崩れ落ちて行くような

僕はその日の残りを 恥ずかしさと絶望感を持ち過ごすことになった
そんな学校の帰り 大し

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雨の匂いがした気がして 窓を開けてみた
空には灰色の重たい雲が広がり 体に湿気が纏わりつくのを感じられた
雨は降っていなかった
いや 降ってはいなかったが 干していた洗濯物は濡れていた
僅かな時間だけ雨を降らせて 雨雲はどこかへ行ってしまったようだ

思えばいつもそうだ
僕は何かにつけて 大事なことに気付くのが遅すぎる
もっと早く気付いていれば 解決していた問題があったかもしれない
何度そのことを

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太陽が いつか西の地平に沈むように
悲しみも いつか消えていくと思いたい
夕焼けが 一日のある瞬間にだけ現れるように
私の人生も ある瞬間は輝いていると思いたい
幻想的な瞬間が あっという間に消えていくように
この命の灯火も あっという間に燃え尽きてしまう

それでも私たちは 泣いたり笑ったり怒ったり
地下から水が湧き出て来るように 感情を次々に生み出して生きている
そう生きている
 
悲しみに襲

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他人の人生に影響を与えるのが怖くなって
誰とも関わらずに生きていきたいと思った
自分の存在を否定するかのように
殻に閉じこもり 自ら創り上げた世界に逃げ込んだ
でも結局 人と全く関わらずに生きていくことなどできない

どんなに自分の存在を否定しても
どんなに自分を違う世界へ送り込んだとしても
人は場所を取り 食物を取り込み そして時の流れに流されていく
それは命あるものの宿命であり この宇宙の法則

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