マガジンのカバー画像

書評

32
運営しているクリエイター

#小説

最近読んだ本の感想(2023年7月25日版)

最近読んだ本の感想(2023年7月25日版)

ブログを最近書いていないし久々に最近読んだ本の感想をざっくり書いていきたいと思う。

メルヴィル『白鯨(中)』上巻だけ読んで中巻は途中だったので久々に気が向いたので読んでみた。

上巻を読んだときは冗長でつまらないと思っていたけど読解力が上がったのか文章が頭に入ってきて普通に読める。というかむしろめちゃくちゃ文章が綺麗。

特に好きなのは中巻の最初の章である42章の『鯨の白さ』だ。

この章は白と

もっとみる

夢野久作『氷の涯』と『少女地獄』の感想を書く

夢野久作とはドグラマグラを読んでから距離を置いてたけど、たまたま『氷の涯』という作品があることを知ったので読んでみた。

ちなみに知った理由はエロゲである。『僕は天使じゃないよ』という2005年発売のエロゲがあり、この作品に出てくる柘榴というキャラクターのエピソードのサブタイトルが『氷の涯』となっている。どうやら夢野久作の作品がその元ネタらしい(ネットの感想記事で元ネタだと知っただけで作者とかが言

もっとみる
芥川龍之介『戯作三昧』感想

芥川龍之介『戯作三昧』感想

最近芥川龍之介の作品を読んでいなかったのだが、『芥川龍之介の世界』という本に影響されて久々に読みたくなった。そのため『戯作三昧』という芥川の作品を読んだのでその感想を書いていく。

この作品は江戸時代の戯作家・曲亭馬琴(滝沢馬琴)の物書きとして感じている心情を全般的に描いた内容となっている。重い作風ではなく芥川の作品の中では割と軽く読める。

まず馬琴が銭湯へ行くところから始まるのだが、そこで自分

もっとみる