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最近読んだ本の感想(2023年7月25日版)

ブログを最近書いていないし久々に最近読んだ本の感想をざっくり書いていきたいと思う。

メルヴィル『白鯨(中)』

上巻だけ読んで中巻は途中だったので久々に気が向いたので読んでみた。

上巻を読んだときは冗長でつまらないと思っていたけど読解力が上がったのか文章が頭に入ってきて普通に読める。というかむしろめちゃくちゃ文章が綺麗。

特に好きなのは中巻の最初の章である42章の『鯨の白さ』だ。

この章は白という色にまつわる偉大なものを描写することで白色である白鯨を賞賛するという内容になっているが、この描写が非常に素晴らしい。

よくもこんなに白を称揚できるなというくらいに語彙や比喩が豊富で20ページほどに渡り白について描かれている。20ページも白だけってつまらないのでは?と思う人もいるかもしれないけど少なくとも自分は飽きずに読むことができた。日本語訳も上手いからなのか個人的にはとても好きだ。

前に読んだ時とは全然受ける印象が変わっていたので自分の成長もあるのかもしれないが、この受け取り方の変化は面白いと思う。他の微妙だと思っていた本も今読むと変わるかもしれないので挑戦してみようかなぁとも思った。

後藤政子『キューバ現代史』

最近冷戦関連の本を読んだので局所的な国についての本も1冊くらい読んでみようかと思い買ってみたのがこの本。ベトナム戦争や東ドイツなども冷戦関連ではあるが一番面白そうだとなんとなく思ったのでキューバの歴史に手を出してみた。

この本はハードカバーで若干お高いせいかよくまとまっているという印象を受けた。キューバについての歴史が知れるので非常に面白い。

キューバはたまにNPBの野球選手が亡命してくる国というイメージしかなかった。我がひいきチームである中日にもビシエドというキューバ出身の選手がいる。ひいきといいつつ最近の成績が絶望なので見てないし見限る一歩前といったところだが……(それはいいとしてビシエドはいい選手だと思う)

とにかく全然知らんキューバについてザックリ知れたので良かった。今後はキューバ独立戦争とか南米市にも手を出してみようと思えた一冊。

米澤穂信『満願』

氷菓など古典部シリーズでおなじみの米澤穂信先生。以前読んだインシテミルはあまり合わなかったけどこの『満願』という短編集は面白く読めた。

個人的に好きなのは柘榴。どの作品もダークで面白かった。

感想を書こうとしてみて思ったけどミステリーメインの短編ってネタバレになるのでなかなか感想が書けないかもしれない。とにかく面白かったということで終わり。

鎌池和馬『とある魔術の禁書目録』

久々に読むこの作品。以前アニメを見ていたけど確か2期の最初の方まで見た記憶がある。

この本を再度読むきっかけとなったのはyoutubeに出てくる考察動画。久々にオススメに流れてきたので観てみたら新約・創約含め50巻以上出てて驚いた。しかも未だに学園都市の6位がわからないという状況で上条さんの腕もなぜだかイマジンブレイカー含め3つくらい能力があるという盛り盛りの設定。

中二病の激臭がする内容となっているが考察動画を見ていたら久々にそういう心が刺激される感じがあった。特に深いテーマ性とかはないと思うしそれが売りの作品でもないと思うけどこういう中二心をくすぐるパワーだけで見たら最強の作品だと思う。

今から月1~2冊ペースで読んだら完結するまでにちょうど追いつけるんじゃないかという軽い気持ちで読んでいこうと思う。少なくとも評判が良い新約の10巻くらいまでは気軽な気持ちで読んでいこうかなぁと思っている。

島田荘司『御手洗潔の挨拶』

御手洗潔シリーズ初の短編集。発売順に読んでいるので自分としても初めて御手洗潔の短編に触れると言った感じ。

やっぱり島田荘司はトリックが派手だ。大胆だし斜め屋敷では「無理でしょ?」と思うくらいのトリックだったが、こういった荒唐無稽のトリックは魅せ方次第で面白くなる。島田荘司はその魅せ方が非常に上手いと思う。

この短編でもその魅せ方が非常に上手く謎の提示部分に独特の怪しい雰囲気が作り出されている感じがする。

一番好きな話は『数字錠』で御手洗の優しさに触れることができる人情噺としても読むことができて良かった。こういうシリーズものはやっぱり強い。自分としては物語だけで小説を読んでいるつもりだけどやっぱりキャラクターの魅力にひかれる部分も少なからずある。長大なシリーズなので今後も読んでいこうと思っている。

締め

締めと言っても書くことがない。なんとなく最後の本の感想で終わると寂しいかなぁと思い付け足しているけど何を書こうか?

今後に何を読むかを言うと、とりあえず『白鯨』は一気に最後まで読み終えたいと思う。もともとはシャニマスの『天檻』というコミュの元ネタなんじゃないかという説を見て読み始めたけどもう1年くらい経ってしまった(しかもシャニマスとはそんなに関係なさそうだし)。

あと最近ゴッドファーザーの映画を見たので原作も読んでみようかと思った。ヴィトーの大物感が文章だとどう表現されているかが気になる。映像だからこそ出せる大物感だとも思うので小説だとどうなっているんだろうか。

他にはジョゼサラマーゴの『白の闇』も読み途中だ。この本は正直結構辛いので読み通せるかがわからない。文章がとにかく紙面一杯に詰まっている感じで物理的に読むのが大変なのである。内容も暗い。ただ随所に鳥肌が立つフレーズ(人生の風刺的な)があるのでそこは面白いと思う。

というわけでそんな感じの本を読みたいという話。あと記事で言うなら最近観たアニメや映画の記事も書きたいと思っている。ユリ熊嵐を再度観たのでその感想は近いうちに書くつもり。以上!

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