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#読書

2023年に読んだ本ベスト10選

2023年に読んだ本ベスト10選

2023年も終わるということで、このあたりで2023年に読んだ本のベスト10冊を列挙していきたいと思う。2022年以前はツイッターでやっていたが、今回はnoteの方にも挙げようと思う。noteの方に書くとその作品の説明も書けるので便利だ。それでは早速挙げていこうと思う。

1冊目→三島由紀夫『春の雪』1冊目と言いつつ読んだのはごく最近である。思い浮かんだ順番で挙げているので最近読んだ本が先にくるの

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【木戸幸一日記の感想】会食、ゴルフ、会議、ゴルフ、視察、ゴルフ、etc……

【木戸幸一日記の感想】会食、ゴルフ、会議、ゴルフ、視察、ゴルフ、etc……

最近『木戸幸一日記』の上巻を読んでいる。木戸幸一と言えば戦前に内大臣を務めた明治の政治家だ。維新の三傑・木戸孝允の親族(養子の子らしい)でもある木戸幸一は終戦時にA級戦犯となったが後に釈放される。その釈放の判断の際に参考資料として重要な資料が本人がつけていた日記である。

普通この手の一次資料はどれも高額で手が出せない印象にあるが、『木戸幸一日記』の上巻に関しては3000円程度で売っていたので買っ

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最近読んだ本の感想(2023年7月25日版)

最近読んだ本の感想(2023年7月25日版)

ブログを最近書いていないし久々に最近読んだ本の感想をざっくり書いていきたいと思う。

メルヴィル『白鯨(中)』上巻だけ読んで中巻は途中だったので久々に気が向いたので読んでみた。

上巻を読んだときは冗長でつまらないと思っていたけど読解力が上がったのか文章が頭に入ってきて普通に読める。というかむしろめちゃくちゃ文章が綺麗。

特に好きなのは中巻の最初の章である42章の『鯨の白さ』だ。

この章は白と

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2022年上半期に読んで面白かった本を語る ―2022年7月1日の日記―

先月末に以下のツイートをした。

上半期と下半期で恒例のその期間内に読んだ本ベスト10冊である。このタグを見かけて始めてからもう2年くらいやっている気がする。過去ツイートはたびたび消したりしているのでたぶん自分のは去年の年間ベスト10冊くらいしか残ってないと思うけど、こういう感じで10冊選ぶのは結構楽しかったりする。

読書メーターやってればいつ読んだかもわかるし、この10冊を作るのには結構便利だ

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【書評】中村真一郎『芥川龍之介の世界』

中村真一郎の『芥川龍之介の世界』という芥川の批評本を読み終わったのでその感想を書いていこうと思う。

早速だがこの本はすごい。批評であるのに1つの文学作品になっている。1つ1つの節にしっかり内容が詰まっていて読み心地がいい。

さらに言うなら芥川龍之介のことを非常によくわかってると感じる(自分よりもとても深く)。著者は1918年生まれでもう亡くなっているが、まるで同士に合ったような気分にさせられる

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芥川龍之介『戯作三昧』感想

芥川龍之介『戯作三昧』感想

最近芥川龍之介の作品を読んでいなかったのだが、『芥川龍之介の世界』という本に影響されて久々に読みたくなった。そのため『戯作三昧』という芥川の作品を読んだのでその感想を書いていく。

この作品は江戸時代の戯作家・曲亭馬琴(滝沢馬琴)の物書きとして感じている心情を全般的に描いた内容となっている。重い作風ではなく芥川の作品の中では割と軽く読める。

まず馬琴が銭湯へ行くところから始まるのだが、そこで自分

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