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脳科学を駆使して脱・根性論 報酬系マッチョ脳でやり抜く力をつける

こんばんは、心太です。

今回の記事は、ある方の記事を読んでいて着想を得ました。
↓↓↓その記事がこちら↓↓↓

私が読んで興味深いと思ったのが、「GRIT」の部分です。
Guts、Resilience、Initiative、Tanacityの頭文字みたいですね。
こちらの内容は、元記事の方を読んでみてください。

「GRIT:やり抜く力」がめっちゃ大事だよねって、シリコンバレーの経営者の方々の中で最近熱いらしいということでした。
そして、やひろさんが最後に
「...結局、最後は根性論なんですか?」
と〆ています。

誠に僭越ながら、心理の、こころの専門家の一はしくれとして!
この問いかけに答えさせていただこうと思います!!

ちょっと興奮しています(笑)
自分の中の知識と知識、それに誰かの興味や関心がそれぞれつながった感じがしているので。

心理学の知識を応用した私の考え、結論はこうです。

「最初に根性、途中に想像力、最後は習慣」

では、さっそく行ってみましょう!

“やり抜く”前に行動はなぜ起きるのか
今回の目玉:報酬系

まず、ひとが行動を起こすとき、非常に重要な要素があります。
刑事ドラマでお馴染みの、“動機”です。
モチベーションと言い換えてもいいでしょう。

そうです。
ひとはやる理由、動機がなければ基本的には行動できません。
            ※自覚出来ているかは別問題です。

これには脳の機能である、“報酬系”という機能がふかーく関係しています。
脳の機能…?
あーもう無理、難しそう、分かります。

なので、めっちゃくちゃ簡単に、そして乱暴に“報酬系”の役割を書きます。
「やってよかったあ…」と感じる機能
「これをやるといいことがあるぞ」と推測する機能
主な機能はこの二つだと思ってください。
基本的に人間のやる気(モチベーション)が上がるときには、この報酬系が反応しています。
ひとは、快楽(報酬)の匂いがする方向にしか向かわないのです。

行動選択

「最初に根性」とは?

行動を起こすのに必要なものが分かりましたね。
ですが、報酬系の筋トレ(発達)が不足していると、近くの快楽の匂いは嗅ぎつけることはできますが、遠くのより大きな快楽の匂いには気付くことができず、目先の快楽に飛びついてしまうのです。

<遠くの、より大きな快楽>   <目先の快楽>
記事を書き上げた達成感よりも、携帯ゲームの楽しさ
試験でいい点をとる喜び・誇らしさよりも、掃除で得られるスッキリ感
理想のボディメイクで得られる満足や承認よりも、目の前にあるポテチ

これらの遠くの快楽のことを“遅延報酬”、近くの快楽のことを“短期報酬”と呼びます。
そして、人間と他の動物の行動における大きな違いの一つは、“未来のためにどれだけ現在をつぎ込めるか”であると言えます。
言い換えると、遅延報酬を知覚し短期報酬をコントロールすること、です。

察しの良い方は気付いているかもしれませんね。
報酬系って子育てとか教育でめちゃくちゃ大事なのでは?
そうなんです!
継続した努力、積極的な行動、明るい未来の想像(ポジティブさ)などなど、できると人生にとってもお得な能力は報酬系に支えられている部分がとても大きいのです。

いいですか、そのためにも“報酬”です。
“報酬”を惜しみなく与えるのです。
隣人にも、そして自分自身にも“報酬”を与えなさい(←宗教味)

ただこのときに注意点があります。
あまり短絡的、刹那的な報酬(短期報酬)ばかりを与え続けると、今度は長期で頑張れなくなります
“遅延報酬”への嗅覚が失われてしまう、もしくは鍛えられないからです。
そのため、最初はある程度の“根性”が必要になります。
短期報酬からの誘惑を拒み、遅延報酬に向かって取り組み、より大きな報酬を得るという経験(記憶)が必要だからです。

山を登る人②

長続きしない“根性”でどう取り組み続けるか

遅延報酬を体験し、自分に覚えさせるために“最初は根性が必要”であることをご理解いただけたでしょうか。
しかし、根性は残念ながら長続きしません
我々は弱い生き物ですし、そもそも他の動物よりも発達した脳で、半ば無理矢理に超遅延報酬を追えるようになっているだけなので、生物の大多数からは逸脱しているのです。

ですが、絶望する必要はありません
報酬系は短期報酬、遅延報酬以外にもいくつか種類がありますが、その中に我々の根性を支えてくれる、とても頼もしい仲間がいるからです。
その名も、“報酬予測”です。

報酬予測とは、将来の目標や理想など未来の報酬を思い描いたときに感じるもので、想像するだけで脳内の報酬系がピピピと反応してくれます。
実はこれって日常的によく使っているんです。

例えば、
スポーツの練習をするときに、上手な自分を思い描いてイメトレすると練習へのやる気がでますよね。
ダイエットをするときに、理想の体型の写真をダウンロードして、めげそうなときに眺めて想像したりしますよね。
面倒な仕事をするときに、終わった後のビールを想像したりしますよね。
全て”報酬予測”を働かせて報酬系を刺激しています。
推しのためならなんでも頑張れる!なんていうのも報酬予測の一つと言えるかもですね。

”報酬予測”はモチベーションの維持にものすごく貢献してくれていたんですね。
そうこの”報酬予測”こそが、「途中は想像力」、の中身です。
いまやっている作業が、将来的に自分にどのような快楽をもたらすのか、それを想像(報酬予測を活用)して、報酬系を働かせることが重要です。

花の成長を想像

※モチベーションの維持は、詳しく書くとけっこう長くなるのでまた別の記事にします!

脳をマッチョにしよう!

さて、いろんな報酬系の名前が出てきましたね。
“短期報酬”…比較的すぐに手に入る、目の前の快楽
“遅延報酬”…時間だったり、努力だったりがかかる遠い快楽
“報酬予測”…報酬を予測・想像することで先に報酬系を活性化させる

これらの機能は、使いまくることで鍛えることができます
脳の機能は筋トレと同じで、繰り返し活性化させることでより強く、かつスムーズに働くようになるのです。
つまり、様々な報酬を得る経験をして、報酬系を使えば使うほど報酬系マッチョ脳を作り上げることができます!

報酬系マッチョ脳を作れると、
「ちょっとめんどくさいなあ…
 でも、やればめっちゃ気持ちいいことが待っている!」
自動的に思えるようになるのです。
そうなればもう努力をすることが習慣化されてきます。
これが、「最後は習慣」、の中身です。

筋トレする脳みそ

まとめ

さあ、“報酬系”についてなんとなくご理解いただけたでしょうか。
1.ひとの行動の元、“動機:モチベーション”に強く影響を与える
2.目の前の報酬を得る“短期報酬”と、
  手間かけて報酬を得る“遅延報酬”がある
3.“遅延報酬”を得るために、“短期報酬”と“報酬予測”が大事
4.いろんな報酬を享受して、報酬系マッチョ脳にすれば努力が習慣化する

そこで最初の結論に戻ります。
「最初に根性、途中に想像、最後に習慣」
ここまでの内容を盛り込むと、このように言い換えられますね。
「最初に遅延報酬の経験、途中で報酬予測の活用、最後に報酬系マッチョ脳への進化」

まず、自分の行動が自分の未来に報酬をもたらす、ということを脳に覚えさせます(根性:遅延報酬の経験
次に、頑張ったら得られるであろう快楽を想像します(想像:報酬予測の活用
これらを繰り返しながら報酬を得ることで、徐々に報酬系が鍛えられ遠くの快楽を追い求めることが自然にできるようになります(習慣:報酬系マッチョ脳への進化

おそらく、最先端のIT系経営者の方々は、作業をする必要性(動機)や、作業の完成図や効率の良い作業の思案(報酬予測)に日々明け暮れていることと推測します。
そうなんです。
毎日、ゴリッゴリに報酬系の筋トレをしているようなものです。
そのような人種が、「GRIT」のような結論を導きだしたのは、ある意味必然だったのかもしれません。
もちろん、すでに報酬系マッチョの人は、努力を努力と思わずに打ち込めるので、そもそも報酬系マッチョが成功者に多い可能性もあるという、卵が先か鶏が先か、的な議論は残ります。


以上が「結局、最後は根性論なんですか?」に対する、私なりのアンサーでした。
踏ん張るのは最初!あとは脳を調教して、好きなことに好きなだけ取り組めるような脳(報酬系マッチョ脳)を作り上げることで、やり抜く力はつくのではないかと考えました。

最後になりますが、この記事を書く着想をくださったやひろさん、そしてnoteに感謝!


では、また!

心太

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