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心理カウンセラー徒然日記 ―四連休映画鑑賞第二弾:こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話―

こんばんは、心太です。

連休の過ごし方を巡り、ニュースやら議論やらでいろいろですが、みなさんそれぞれ対策をして、無事にお過ごしくださいね。

さて、本記事は四連休中の映画視聴企画の第二弾です。
連休初日の映画は、洋画のホラー系で【us(アス)】でした。

今回も、相棒、AmazonPrimeでの公表映画から、
【こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話】
でお送りします。
ジャンルはノンフィクション系、なんですかね。

例のように、本記事では作中のセリフを扱ったりするので、少しでもネタバレは見たくない!という方はブラウザバックでお願いします。

では、行ってみましょう!

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【こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話】のあらまし

AmazonPrimeでも公表されている、紹介文を引用します。

北海道札幌市、鹿野晴明は筋ジストロフィーを患い、体で動かせるのが首と手だけ。医師の反対を押し切って、自ら集めた大勢のボランティアたちと自立生活を送っている。自由過ぎる鹿野と、様々なボランティアの面々の人生と、それぞれの関係が交差するヒューマンドラマ。

自立生活とは、入院ではなく自分の家で生活をすることです。

“筋ジストロフィー”という病気を聞きなれない方に簡単に解説をします。

難病指定をされている、遺伝性筋疾患のことです。
細かな話は省きますが、幼少期に発症し、筋力が徐々に低下していきます。

かけっこなどの運動ができなくなり、階段昇降や歩行の困難や、いずれは呼吸や嚥下(飲み込み)など、生命維持のための基本的な動作をする筋力も衰えます
未だに根本的な治療は見つかっておらず、発症した方の多くは、20歳~30歳でお亡くなりになる病気です。

たったこれだけの記述でも、筋ジスの方が自立生活をするのが、いかに大変か分かりますね。

【こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話】の着眼ポイント

今回の着眼点は、ベッタベタです。
そう、鹿野さんの人間性、発言です。

演じるのは、かのNACSが一人、大泉洋さんです。
大泉さんのイメージも相まって、鹿野さんの自由さ、明るさ、そして人間臭さがより表現されているのかもしれません。

作中には、様々な人物が登場しますが、鹿野さん(大泉さん)とそれぞれとの会話の中で、鹿野さんの発言がすごーく含蓄に富むなあと感じました。
“生きる”ということの本質的な問いを受けているような気分になります。。

私自身、カウンセラーを目指す一つの大きなきっかけになったのは、祖母が脳内出血で身体的な不自由さを抱えたことでした。
一般的には不自由な状態となった祖母の姿を見て、人間の本質的に重要な部分が垣間見えたような気がしたからです。
↓↓詳しくはこちら↓↓

この記事を書いていて気づきましたが、今回感じた多くのことは、カウンセラーを目指し始めた当時に感じていたことが、改めて意識化されたものかもしれません。

さて、私がガツーンと胸を打たれた鹿野さん(大泉さん)のセリフをご紹介します。

“生きることは迷惑をかけることだ”
“ひとは、出来ることより、できないことの方が多いんだよ”
“医者の言う命ってなんだよ。命の責任は自分で持ちます”

やはり、ストーリーや流れ、映像や音楽などがないと威力が半減どころでは済まないかもしれません(笑)
とても温かな気持ちになれる作品です。

心太はどう感じたか

先にご紹介したセリフを聞いたときに、私が感じたことを述べていきます。

“生きることは迷惑をかけることだ”
“ひとは出来ることより、出来ないことの方が多い”

全くその通りだと思いました。
特に筋ジスで、日常生活の多くのことが一人で出来ない鹿野さんにとっては、本当に自明のことだったのでしょう。
また、“健常者”と言われる我々は、誰にも迷惑をかけずに生きる、ということが可能なのでしょうか。

とりあえず、私は………無理だなあ。

ですが、ひとの力をいっぱい借りている状態で、ここまで堂々と言えるのか。
あまり自信はありません。
鹿野さんは、ボラの方々や他者、そして自分自身を強く、信じていたんだろうなあ。
かっこいいなあ。

ってことで、次!

“医者の言う命ってなんだよ
     命の責任は自分で持ちます”

これは、『命の保証はできない』と医師に告げられ、入院を勧められたシーンでした。
生きながらえることや、安全な生活ではなく、危険で困難だけど、自分らしく居られる生活を選んだときのことです。

突然ですが、マズローという心理学者の欲求階層説という理論があります。
ざっくり説明すると、人間の欲求は大きく5つの階層になっており、下位の欲求が満たされることで、上位の欲求を求めるようになる、というものです。↓↓↓

↓第一層:生理的欲求…呼吸・食事・睡眠・排泄・性
↓第二層:安全の欲求…健康維持・身の安全・家族の安全
↓第三層:社会的(所属)欲求…友情・愛情・家族
↓第四層:承認欲求…他人からの尊敬・自尊心・目標達成
↓第五層:自己実現欲求…自分らしく、自分のいたいようにいる

あれえ?おかしいですね。
鹿野さんは、安心・安全の欲求が満たされていないにも関わらず、自己実現欲求を求めています。

実は、こういうことはけっこう起きるのですが、鹿野さんの場合、筋ジスによりいつ亡くなってもおかしくないという、そもそも安全の欲求が満たされることのない状態とも言えます。
だからこそ、鹿野さんにとっては“自己実現欲求”を充足させることは、自分の安全を守ることよりも、遥かに身近で、そして今すぐに追うべきことだったのだと思います。

もちろん、命をつなぐこと、1秒でも長くこの世に存在し続けることを“自己実現”と捉える方、“命の責任”だと感じる方もいらっしゃいます。
鹿野さんにとっての“命の責任”とは、“生命活動を維持すること”ではなかったのですね。

自分にとっての“命の責任”とは、なんだろうか、まだ答えは出ていません。
でも、もしこの答えが出たら、なんだか少し強くなれるような気がします。

【こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話】を観て、そして祖母の姿を思い出して改めて思ったことは、
“健康”の数はひとの数と同じだけある。
ぼくはそれを探し出したり、追いかけたりすることを手伝いたい。
そして、それを自分の“出来ること”にするために努力を続けていこう。

他にもいろいろありますが、まだまだ明確な言葉になっていない部分も多いですし、なんとなく曖昧な思考の海の中で漂っていたい気持ちもあるので、今回はこの辺りで。

いろいろ書きましたが、とりあえずおすすめ!
是非、ご鑑賞ください。


では、また。


心太

noteでリンクを貼ると、primeのページ表記でなくなってしまうんですね。
2020年7月現在はprimeで公表されています。
お早めに!
prime登録も、月一でamazon使う人はした方が絶対良いので、ぜひご検討を。


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